えりもの森 裁判 |
えりもの道有林で一部の天然林が皆伐されたことにより,森林の公益機能が損なわれたとして,市川守弘弁護士(北海道自然保護協会副会長),市川利美(ナキウサギふぁんくらぶ代表),松田まゆみ(十勝自然保護協会副会長)の三人が,知事と日高支庁長に対し損害賠償を求める住民訴訟を起こしました. | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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えりもの道有林皆伐で住民訴訟 2004年11月3日に,北海道自然保護協会,ナキウサギふぁんくらぶ,北海道自然保護連合のメンバーとともに日高の大規模林道予定地の近くにある道有林の伐採の調査を行いました.この結果,天然林の受光伐とされていた森林の皆伐,間伐材の集材路開削によるナキウサギ生息地の破壊が確認されました. |
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【現場写真】これは「受光伐」ではなく「皆伐」ではないか! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
森林の公益的機能というのは,水源涵養機能(水害防止,水質保全等)・山地災害防止機能(土砂崩壊や土砂流出,雪崩などの防止等)・生活環境保全機能(騒音防止,気象緩和,CO2吸収等)・保健文化機能(観光や野生生物の保護)などです.皆伐により,森林に生息する野生生物の棲みかが奪われましたし,ナキウサギ生息地が破壊されたのですから,公益的機能が損なわれたことになります. |
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【写真左】間伐材の集材路開削によるナキウサギ生息地の破壊(ナキウサギはこのような岩塊地に生息している。ここは生息が確認された場所だった。) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
経 緯 の 補 足 (なぜ3回目の提訴なのか?) 2005年11月15日におこなった住民監査請求は,12月2日付けで不受理の通知がきました.このために12月28日に住民訴訟(平成17年(行ウ)第25号 損害賠償請求事件)を起こしました.これが「えりもの森裁判」です. その後北海道は,売買した376本の立木のほかに,地ごしらえ(植林のために伐採木の枝などを寄せて整理し,苗を植える場所の下草などを刈ること)に伴って184本の立木を伐採したこと,また支障木18本を伐採したことを認めました.このために,2006年2月7日にこの202本の伐採により森林の公益的機能が損なわれたとともに,202本が適正に評価されて売買されていないとして,再度住民監査請求をしました.ところが,この監査請求も,3月1日に不受理とされました.そこで202本について2回目の住民訴訟(平成18年(行ウ)第16号 損害賠償請求事件)を3月27日に起こしました. また,2度目の監査請求の不受理通知では,202本の立木の損害については「請求者の見聞に基づく推測の域を出るものではなく,添付の書類からもこのような事実をうかがうことができない」との理由です.そこで,北海道が202本の伐採を認めた文書を証拠書類として添付し,202本について3月30日に再度住民監査請求をしました.ところが,この監査請求についても4月13日付けで不受理の通知がきました.証拠書類を添付したにも関わらず,不受理の理由は前回と同じです.このために,5月9日に3回目の住民訴訟を起こしました.ただし,この訴訟は2回目の訴訟と内容が重なるために,2回目の訴訟は取り下げます. 「えりもの森裁判」では,今後1回目の訴訟と3回目の訴訟を併合して進めていくことになります. |
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