ベア・マウンテン問題
メニューページ

 加森観光グループは新得町のサホロリゾートで4月29日にヒグマ放牧施設「ベア・マウンテン」をオープンしました。十勝自然保護協会は自然破壊や安全性の観点から申し入れを行いました.「ベア・マウンテン」はサホロスキー場に隣接する森林15ヘクタールを二重の柵で囲い,のぼりべつクマ牧場で飼育されている雄のヒグマ20頭を放し飼いにし,来園者は高さ5メートルの遊歩道や専用のバスでヒグマを観察することができるという施設です.
 危険動物飼養許可を出す十勝支庁には,認可にあたりクマの研究者や自然保護団体の意見を聞くよう要望書を提出しましたが.認可を強行しました。

新得町の「ベア・マウンテン」についての2度目の「苦情申し立て」(12月26日付け)に対して北海道苦情審査委員から「苦情申し立てを審査しない旨の通知書」が届きました。(1月11日付け)
ベア・マウンテンの安全性に関する当会の「苦情申立て(2006年9月27日付)」に対する北海道苦情審査委員松村操氏からの結果通知(第24号 平成18年11月14日付)について検討しましたところ,道職員の説明に虚偽のあることが明確になってまいりました.2度目の苦情申し立てをします。(12月26日付け)
加森観光グループへの再要望書に対して、回答が届きました。(2006年9月26日)
北海道知事からベア・マウンテンの危険動物飼養許可に関する回答が届きましたが,十勝支庁長と同様,質問への回答になっていません.なぜ具体的に回答できないのでしょうか? まともな審査をせずに許可を出してしまったので回答できないのでしょうか?(2006年8月21日)
十勝支庁が回答不能に陥っているようなので直接知事に回答を要請
(なお、加森観光からは2ヶ月経っても質問への回答がなく,このために当協会は現地説明会や理事会での説明も申入れている)(2006年8月1日)
ベア・マウンテンの危険動物飼養許可に関する十勝支庁からの回答がありました.回答期限を2週間もオーバーしたのにも関わらず,中身は質問項目に即した回答となっていません.伝え聞くところによると,加森観光は,十勝支庁からGPS利用の発信装置を取り付けないと許可しないと言われ,仕方なくGPSを取り付けたとのことです.警報システムとしては役立たない、中途半端な「ハイテク見せ物」の取付を求めたとしたら問題です.なにはともあれ誠実な回答を今後も求めたいと思います.(2006年6月8日)
ベア・マウンテン問題:沢部分のフェンスの空隙,許可後にベアマウンテンバスに取り付けた鉄格子,役に立たないと思われるGPSの位置情報による警告システムついて,加森観光に、再質問書を提出しました.(6月7日)
加森観光グループからの回答書が届く (2006年5月15日)
「危ういフェンス・ヒグマ放牧施設『ベア・マウンテン』」インターネット新聞janjanに掲載
十勝支庁へ「ベア・マウンテンの危険動物飼養許可に対する要請と再質問21項目」(5月12日)
 4月22日付けで十勝支庁に提出した抗議と質問書への回答が,4月28日付けでありました.当会は,安全性について5項目にわたり具体的な質問をしていたにも関わらず,十勝支庁の回答はまったく具体性がなく,質問に即した回答になっていません.(2006年4月22日)
 加森観光グループへ再度の質問 (2006年4月22日)
 「餌の与え方、安全性に疑問残る・・・」 インターネット新聞janjanに掲載
 回答せずに認可した十勝支庁への再度の抗議と質問  (2006年4月22日)
 開示請求資料からみたベア・マウンテンの問題点
 加守観光グループからの回答書 (2006年4月12日)
 加森観光グループへの要望書 (2006年4月4日)
 十勝支庁への要望書 (2006年4月4日)
 北海道,新得町サホロリゾートにこの春オープン予定のヒグマ放牧施設「ベア・マウンテン」について,インターネット新聞 janjan に掲載
 このページのトップにもどる   
加森観光グループへの要望および質問書

2006年4月4日

加森観光株式会社社長  加森 公人 様
サホロリゾート社長   加森 公継 様
のぼりべつクマ牧場園長 伊勢 伸哉 様

十勝自然保護協会会長 安藤 御史

「ベア・マウンテン」についての要望および質問書

 貴社が4月29日にオープンを予定している「ベア・マウンテン」について,当会では自然環境への影響や安全性の面で,疑問を感じております.つきましては,以下のとおり要望するとともに質問いたします.

 なお,この文書は公開とさせていただきます.オープン予定日がせまっておりますので,できるだけ速やかに回答くださいますようお願いいたします.

1.見学バス運行用の道路建設により,園内の樹木が多数伐採され自然環境が破壊されました.自然の中でのヒグマの展示を目指すのであれば,高架の歩道だけで十分であり,サファリパークのようなバスによる見学は必要性がないと考えますし,安全性にも疑問がもたれます.したがって,バスの運行をとりやめ,破壊された森林を復元することを要望します.なお,バスが故障したり脱輪したりした場合の安全対策について質問いたします.

2.15ヘクタールに雄だけ20頭という飼育頭数は高密度で,不自然なものと考えます.このような不自然な飼育により,園内の植生が破壊されたり,ストレスにより樹木が損傷を受けたりするなど,自然環境への負荷が懸念されます.飼育頭数を再検討するとともに,自然への負荷が大きい場合は速やかに飼育頭数を減らすよう求めます.

3.ベア・マウンテンからの雨水は,下流のサホロダムに流れ込みます.大雨などの際には土砂やヒグマの糞尿を含んだ水がダム湖に流れ込み水が汚染される可能性があります.サホロダムへの影響について調査されたのか質問いたします.

4.集中豪雨や強風,大地震や落雷など,自然災害に対する対策が不明であり,安全性に疑問があります.たとえば強風により柵の周囲の立木が倒れ,それを足がかりにしてヒグマが逃亡する可能性があります.また道路建設によって敷地内を改変しているため,地表の水の流れが変わることが推測されますが,集中豪雨などにより柵の土台周辺に侵食が生じた場合,強度が弱くなったり,ヒグマが穴を掘るきっかけになるなど,ヒグマの逃亡要因となりえます.のぼりべつクマ牧場の狭い獣舎で飼育されていたヒグマが万一逃亡した場合,生態系や周辺住民にどのような影響を与え,どのような事態を招くかは予測がつきません.自然災害に対する安全策と,ヒグマが万一逃亡した際の対処法について質問いたします.

5.動物園など野生動物の飼育施設では,種の保存や環境教育などの役割を負うことが期待されていますが,ベア・マウンテンはむしろ自然環境に負荷を与え,場合によっては周辺住民の安全を脅かしかねないものです. ベア・マウンテンの社会的な役割をどのように考えているのか質問いたします.

 このページのトップにもどる   
十勝支庁へ情報開示に関する要望書

2006年4月4日

十勝支庁長 様

十勝自然保護協会会長 安藤 御史

 ベア・マウンテンの情報開示に関する要望書

  加森観光株式会社が4月29日からオープンを予定しているサホロリゾートのヒグマ放牧施設「ベア・マウンテン」は,自然破壊や安全性などの観点から問題のある施設であるため,当会は加森観光株式会社などに対し改善を要望するとともに質問書を提出しました(添付文書参照).

また当会は,飼育について具体的な情報を得るため,3月30日に貴職に対し危険動物飼養許可申請の情報開示請求を行ったところです.

 4月1日付け北海道新聞(夕刊)の報道によりますと,わが国のクマの研究者などで組織する「日本クマネットワーク」は,飼育頭数や安全性,観光客による餌やりなどの問題についての意見書を提出しています.

 このような状況を踏まえ,以下の2点を要望いたします.

1.申請中の情報開示は速やかに行い,開示前や直後に認可を出さないこと.

2.認可にあたっては事前にクマの研究者や自然保護団体などの意見を十分に聞き,疑問点,問題点があれば改善策がとられるまで認可しないこと.

 このページのトップにもどる