ベア・マウンテン問題

加森観光グループへの再質問状

加森観光に対し,沢部分のフェンスの空隙,許可後にベアマウンテンバスに取り付けた鉄格子,役に立たないと思われるGPSの位置情報による警告システムついて,再質問書を提出しました.

2006年6月7日  
  

加森観光株式会社社長  加森 公人 様
のぼりべつクマ牧場園長 伊勢 伸哉 様

十勝自然保護協会    
会長 安藤 御史  

ベア・マウンテンに関する再質問書

 ベア・マウンテンについて,新たに生じた以下の疑問について,6月23日までに文書にて回答くださいますようお願いいたします.なお,この回答は公開とさせていただきます.

フェンスについて

 当会が開園後の5月4日に,外周フェンスの外側より視察したところ,町道沿いの外周フェンスの南側の沢部分は,金網などが全く設置されておらず,クマが容易に通り抜けできる大きさの空隙がありました.また,北側の沢部分では,金網の網目を通して水が流れており,放飼フェンスと外周フェンスの間で職員が竹竿を持って監視していました.この事実は5月12日のインターネット新聞JanJanで公表されています.その後,日本クマネットワークが視察した5月19日には,これらの沢の部分のフェンスは鉄棒などが溶接されて補修されていました.

質問1.貴社は南側の沢の部分に大きな空隙があること,また北側の沢の部分は監視が必要であると認識していたと思われますが,このようなずさんな造りのフェンスでオープンさせた理由を説明してください.

質問2.フェンスを補修したのは何日でしょうか.

質問3.フェンスを補修した理由について説明してください.

質問4.危険動物の飼養を許可した十勝支庁からは,フェンスについて改善するよう指導があったのでしょうか.もし指導があったなら,それはいつですか.

ベアマウンテンバスについて

 貴社が十勝支庁に提出した危険動物飼養許可申請書では,ベアマウンテンバスの前面ガラスには防護のための鉄格子はありませんでした.オープン前の4月24日にベア・マウンテンの駐車場にあったバスの前面に鉄格子がないことをわれわれは確認しています.当会は4月22日付で貴社に送付した質問書で,バスの前面の強度に疑問があることを指摘し,このことについては北海道新聞(2006年4月26日付け十勝版夕刊)にも掲載されました.その後,5月4日に園内を走行していたバスには,前面に鉄格子が取り付けてありました.北海道から許可が下りた時点では取り付けてなかった鉄格子を,当会が指摘し,マスコミが報道したあとで,取り付けたことになります.

質問5.設計段階でバスの前面に鉄格子を付けなかった理由を説明してください.

質問6.開園前に鉄格子を取り付けた理由を説明してください.

GPSによる位置情報と警告システムについて

 GPSによる位置情報は,10〜15メートル程度の誤差があり,条件が悪い場合にはさらに大きな誤差が生じます.誤差があることについては貴社が十勝支庁に提出した申請書にも明記されています.また,クマが木陰などにいる場合は,位置情報を発信できなくなります.ベア・マウンテンでは,GPSの位置情報によりクマがフェンスに近づいたとき,放飼フェンスの外に逸走したとき,外周フェンスの外に逸走したときに分けて警告を発するシステムになっています.しかし誤差が大きいために,クマがフェンスに近づいた場合,フェンスの内側にいるのか,外側にいるのか判断ができません.つまり,警告システムとしては意味のないものであり,目視によりクマの監視をするしかないと思われます.

質問7.貴社はGPSの誤差について認識していたはずですが,このような誤差があることを知りながら,GPSに基づく警告システムを採用した理由を説明してください.

質問8.このような意味のない警告システムを使用していることをどのように考えているのか見解を明らかにしてください.

質問9.貴社からの回答(5月15日付け)では,夜間にサブパドックないしは獣舎にクマを収容できないときは,複数の飼育係員が宿直し,夜通しの監視体制を敷くとのことですが,木の葉が茂った場合,目視での監視は不可能と思われます.どのように監視するのか,具体的に説明してください.

回答送付先

080-0101 河東郡音更町大通10丁目5番地

     佐藤与志松方 十勝自然保護協会

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