
クモといえば、空を飛んでいたりするやつもいるし、綺麗な巣を作って暮らしていたり、あげくの果てには
水の中に棲んでみたりと、とにかく所構わず神出鬼没なイメージがありますが、その辺りのところタランチュラはどうなのさ?と言う疑問が出てきますね。
タランチュラは、世界中の温帯もしくは熱帯域に広く分布しております。日本には幸か不幸か、ただの1種たりも生息しておりません。しばしばアシダカグモをタランチュラと誤解する人もいるようですが、あれは帰化種ですが、そうとう古くから帰化しているので、日本に古くから生息している、でかいゴキブリハンターとして考えてくれれば良いでしょうな。
地面深く地中に巣を作るものと、樹上や高いところに好んで巣を作るタイプがおります。あと飼育の際、便宜上徘徊性の種とされるものもいますが、それらは殆どの場合、地中に巣を作って暮らします。巣と言っても、オニグモなんかの類の様に、あんな器用な円状の巣を空中に作ることはあの体系では無理ってなもんですな。基本的に体重がそれなりに重いですから、穴を掘るか樹のチューブ状の巣を作るか、場合によっては広めのシート状の巣を作るヤツなんかもいます。まぁそんな感じで身を潜め、普段は比較的平和に暮らしてるんですねぇ。

タランチュラは夜行性なので、夜になるまでは巣穴に潜み、お腹が空いていれば巣から出てきて、エサを探す場合も有ります。その他特別な出来事が無い限り巣から出てきません。どちらかと言うと、
引き篭もりでしょうか・・・。
生き物なんでエサを取るわけですが、クモは肉食です。勿論ベジタリアンなんてものは、いませんよ。
普通は自分より小さなの昆虫類を狙って食べています。また、小さな動物の類いも襲って食べる場合があります。ネズミとか小型の爬虫・両生類辺りが狙われます。また、動物の死体も転がっていれば食べます。あたりまえですが、水も飲みます。
タランチュラは、棲んでいる場所や、その種の性質なんかで大まかに呼び分けられています。ここ大事。
まず南北アメリカ大陸に生息する地中性の種を「
バードイーター」や「
バードイーティングタランチュラ」なんて呼ばれ方をします。鳥を食べることが可能なぐらいデカイと言うことらしいですが、完全に鳥の餌にしかならないような小型種も含まれます。基本的に、巣穴を掘って暮らしますが、飼育下においては、あまり盛んに巣穴を掘らないため、徘徊性として扱われる事もありますね。
樹上性のタランチュラの事を「
ツリースパイダー」と呼びます。樹に棲んでいるクモかぁと、一発で解る、これ以上無いほど的確な形容ですな。しかし、アジア産樹上性種の一部と、アフリカ産の樹上性種に関しては、一般にツリースパイダーと呼ばないんです。ややこしいですが、そう言うコトなんです。まぁ、メンドイので、滅多な事じゃ樹から降りない頑なな連中だという事で良いと思いますよ。
ではアジア・オセアニア圏のはなんなのか。アジア産種は「
アースタイガー」と呼ばれます。大地の虎、これは結構カッコイイんじゃないですか?代表的な種の中には、腹部に虎を思われるような模様が入るものもいて、タイガー気分を盛り上げてくれる要因の一つとなっています。アジア産ではありますが、樹上性の
Poecilotheria属のクモは、ツリースパイダーに含まれることが殆どです。
アースタイガーは飼育下においても地中に巣を作るものが多いのですが、地中はおろか、樹上までその活動範囲を広げる種もいます。また、一様に気が荒いですね。ちょっとの刺激で、この世の終わりかという程軽快なリアクションを見せつけてくれます。タランチュラを初めて飼う場合、これらの種は止めましょう。ちょっとした
トラウマになり兼ねませんぞ!
アフリカ産の種は、全て「
バブーンスパイダー」もしくは「
バブーンタランチュラ」と呼びます。単にバブーンで通じます。バブーンとは所謂ヒヒの意味もありますが、現地の方では感嘆詞的なものラシイ。「デカっ!」とか「コワッ!」って言う感じですかね。まぁ、とにかくバブーンってことで。これはほぼ例外も無いので簡単ですね。バブーンの多くは、地中深くまで積極的に穴を掘って暮らしています。気の荒い種が多いのも特徴でしょうかね。これも、アースタイガー同様、タランチュラ飼育初心者にはオススメできません。アースタイガーと違い、太く逞しい脚を持つ種も多いので、コチラのほうが迫力ある、パワータイプのクモと言う感じですかねぇ。
結論:便宜上、
生息地や生活パターンで、
バードイーター・ツリースパイダー・バブーン・アースタイガーと分けられている。そして、
荒い種はトラウマだ!<意味不明・・・