†  Keeping Poecilotheria  †
Ver 1.05

†  Poecilotheria  †

 インドやスリランカに生息するタランチュラで、その色彩の美しさから、大変人気の高いグループでございますが、嫌う人も結構多いという、なんとも微妙なグループで、属名のポエキロテリアから国内では「ポーキー」、国内では「ポエキロ」と略されて呼ばれることが多いですな。

 この属のクモはオーナメンタルタランチュラと呼ばれますが、タイガースパイダーと呼ばれる事もあるようです。カラーパーターンの基本は、アイボリー地に黒で模様の乗るものが多いですね。しかし、グーティーサファイアオーナメンタルP.metallicaや、レッドスレート、サブフスカの様にカラフルに色付く種もおります。なかでも至高のブルータランチュラとして有名な、P.metallicaは、初入荷ベビー10万超えという、こりゃタランチュラにあるまじき価格ですなー。憧れの種としてしばらく君臨することでございましょう。

 性質は比較的荒く、小さいころはバタバタ走り回るので、タランチュラの飼育及び取り扱いになれた方以外には、あまりオススメできるグループでは無いと言って良いかと思います。しかし、ある程度馴れている方であれば、これほど魅力的なグループも無いと思いますので、毛嫌いせず是非飼育してみてください。ちなみに、毒性も比較的高いとされているので、その辺にも留意して飼育に望んでください。

 寿命は短めの7年ぐらいと言われておりますが、うちでは9年ほど生きている個体(しかも飼育8年目で1度産卵して、まだ元気に健在)がおりますので、おそらく普通に10年以上生きるのだと思いますよ。ただしオスはすぐに死にます。最終脱皮して、長くて半年ぐらいで死亡すると見て良いかと思います。

 あまり認識されていませんが、実はこの属、Brachypelma属以上に危機にさらされているという説もあります(ってか、ブラキはそんなに危機的状況ではないという話もあります)。生息域が人の手によって侵されて行くために、危機にさらされているという話です。種によっては某宗教寺院内の保護地域だけとか、かなり生息場所が極限られてきているみたいですな。悲しいことです。

Gen. Poecilotheria Simon, 1885
fasciata (Latreille, 1804)  スリランカ オーナメンタル
formosa Pocock, 1899 サレム オーナメンタル
hanumavilasumica Smith, 2004 ラーメシュワラム オーナメンタル
metallica Pocock, 1899 グーティー サファイア オーナメンタル
miranda Pocock, 1900 ベンガル フォースポテッド オーナメンタル
ornata Pocock, 1899 フリンジド オーナメンタル
rajaei Nanayakkara, Kirk, Dayananda, Ganehiarachchi, Vishvanath & Kusuminda, 2012 ラジャエイ オーナメンタル
regalis Pocock, 1899 インディアン オーナメンタル
rufilata Pocock, 1899 レッドスレート オーナメンタル
smithi Kirk, 1996 イエローバック オーナメンタル
striata Pocock, 1895 マイソール オーナメンタル
subfusca Pocock, 1895 アイボリー オーナメンタル
tigrinawesseli Smith, 2006 タイガー オーナメンタル
vittata Pocock, 1895 ゴースト オーナメンタル
2012現在


†  Baby  †


P.regalis
 卵のうから出てきた時点で、ある程度のサイズがあるので、飼育は容易な場合が多
いです。注意すべきポイントは、希に卵嚢から出る前のサイズで売られていることがあります。左の写真は卵のうから出る前のサイズのBabyで、モサモサと毛が生えていないので解りやすいですね。この時期はエサをあげても食べませんので、もう一回脱皮するまで、水分だけあげて放っておきましょう。卵嚢から卵を出して人工孵化させてしまうと、このぐらいになるとウロウロ歩き回るようになるので、普通に売られてしまうのです。所謂未熟な状態ですので、その辺は注意しましょうね。


P.regalis
 右の写真のような色になったら、ようやくエサを食べるようになります。ここからは普通に飼育できます。ポエキロは通常割りと低い温度を好むと思われておりますが、CBであれば特に気を使う必要はありません。他のタランチュラを飼育するような感じの温度で飼育しても、支障が出るような種はありません。ぶっちゃけ比較的標高の高いところに居るといわれるサブフスカやメタリカとかも、普通に飼育できます。でも念のため上限30度ぐらいにしたほうが良いですね。エアコンで管理するなどしてください。下は22度程度であれば問題ありません。でも、蒸れには注意してくださいね。まぁ普通に飼育していれば、そんな明らかに蒸れ蒸れになってしまうことも無いかと思うので、まぁ大丈夫でしょう。

 どの種も小さい間は試験管とかで普通に飼育できますねー。体長2cm程度まではいけるはずです。しかし、スポンジを齧って出てくる可能性が結構高いので、その辺は注意してくださいね。この辺りのころは、よく地面にも穴掘って潜ることもあります。別に異常ではないので問題ありません。

 エサは多めに与えるようにしましょう。この辺でエサやりをサボったり、多く与えると死ぬ!とかくだらない事を言って控えめに与えていると、成体が矮小化してしまいます。とくにオスで顕著なので、食べるときには毎日でもあげるようにしましょう。食べなくなったら脱皮すると思いますので、様子見てください。


†  Juvenile  †


P.fasciata
 体長2cmを越える辺りになると、試験管を卒業させましょう。100円ショップで販売されているケースに丁度良いものが多いので、探しに行きましょう。プラスチック系の物を売っているコーナーに、Stock500ってのがあったら、それをオススメします。他にも使い勝手良いものもあるので、テキトウに探してみてくださいな。穴を開ける河口を施して、下に軽く湿らせた床材を軽く入れて置けばOKです。通気性を重視して、穴は多めにあけるようにしましょうねぇ。フタと、ケースのサイドにドリルなどを用いて穴を開けます。エサとなるコオロギが脱走できない程度のサイズの穴をあけましょう。



左がStock500。右はなんかテキトウに見つけたもの。

 ポエキロは成長が早いので、ワシワシ育てれば、3ヶ月ぐらいで試験管では厳しいサイズになると思いますので、このサイズのケージにグレードアップさせましょうね。あまり広いケージを使うと、エサを捕らえにくくなったりするので、このぐらいのサイズで十分です。

 相変わらずエサはワシワシ与えまくって良いです。メタリカ以外は基本的にみな地味な時期なので、飼育も中だるみになりがちですが、しっかり育て上げましょう。1年以内に成体と呼べるサイズになると思います。オスでは、わずか半年ほどで成体になることもあります。

 ちなみにポエキロはこの時期が一番バタバタ走るので、扱いに慣れていない方は、クモの取り扱いに十分注意してください。



P.formosa

P.regalis

P.rufilata

P.subfusca


P.metallica subAD male

†  Adult  †

 体長4-5cmになったら、成体と見て良いかと思います。オスだと地味ぃーな色になり、メスだとメリハリが出ます。まぁメタリカに関しては、オスでも青いです。メタリカでも青くないダークモルフの場合は雄も雌も地味ですがねww

 数多く飼育している場合、麦茶入れとかパスタケースが便利ですねぇ。成長するとメスの場合、そんなにヤンチャではなくなり、一気に扱いやすくなると思います。押すは相変わらず走り回る個体が多いですが、ポエキロ飼おうという人は、ある程度クモの扱いにも慣れていると思うので、まぁ大丈夫でしょうw 扱いに慣れていない方は、大き目のプラケースや、縦長の水槽を用いればよいかと思います。横にも穴が開けられるものを用いる場合は、通気を良くするために積極的に穴あけて良いと思います。

 レガリスはMAXレッグスパン30cm超えるといいますが、普通に飼っていれば20cm以降伸び悩むものですので、そんなベラボウな生き物だ!と思わなくても大丈夫です。他の種も、たいてい20cm程度で止まります。したがって、麦茶入れで十分な場合が多いのです。

 通常床材を入れて飼育しますが、めんどうであれば、下に水溜めておくだけでも問題ない場合が多いです。エサとなる昆虫がおぼれて死んでしまわぬ程度に水を入れておけば、湿度の面で問題が生じる事もないです。壁面や水が汚れてきたら掃除してあげてください。でもこの飼い方では、見た目ひとっつも面白くないですけどねー。

 エサの間隔は、juv以前よりも楽して良いです。週1度か2度で問題ないと思います。でも与えなさすぎも問題あるので、大きく育てたいのであれば、ある程度のエサを与えていきましょう。デュビアの成体でも問題なく食べますので、大き目のエサを与えても良いですなー。ピンクマウスとかも食べますが、まぁ無理して与える必要は一つもありません。そればかりあげるのも問題あると思うので、メインのエサは昆虫を使うのが良いでしょうな。

 ポエキロを育てるポイントは、とにかく成長の早いクモなので、それを楽しむ意味も含め、一気に育て上げてしまうこと。オス率が異様高い!とか言われておりますが、個人的にそんな事は無いと思うので、勇気を出して踏み出しましょう。己を信じるのみですw<ここの意味無いじゃんw

 繁殖についてですが、ポエキロは雌雄で同居させておけば良いです。広めのcageを用意して、同居させます。勝手にパタパタ交尾したり、一緒に暮らしたり少し離れたりしております。雌雄間での共食いも殆どありません。オスが生きている間にメスが卵のう作ることもあります。その場合は、オスを取り出しましょう。

 卵のう作った後温度下げると、卵食してしまう場合もあるので、その間は27ー28度程でキープすると良いかと思います。



ornata

fasciata

formosa 卵のう製作前夜

formosa 卵のう



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