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青いポエキロ。そんな話をみるかしさんに聞いたのは何年前だったか忘れましたが、ある日リック博士のサイトに若い個体の写真がアップされ、都市伝説では無かったことが明らかに。しかしその後、どっかのサイトにあった色の抜けた標本の写真を見て「もしや、小さいときだけ青いんじゃないのか・・・」「フォトショップか・・・」なんて色々疑りの日々。そして満を持して2004年にアダルトメスの写真が公開され、これはいよいよ本物だ!となったわけ。昔メタリカと言えばAviの方でしたが、今や完全にコッチですね。超高級だった初入荷物を、mmmさんが見事に殖やしてくれて、イベントで売ってくれたりしたもんです。今ではチョイチョイ国産のも聞くようになりました。非常に素晴らしい事ですねぇ。
初心者を寄せ付けない孤高のアジアンタランチュラのなかに、一際輝く青い恒星とでも言いましょうか。このカリスマ性は、ほかの種には無いです。アジアには青いタランチュラが割と多いのですが、こやつは現状圧倒的ですなぁ。模様もカラーパターンも意味不明な程派手ですね。そもそもポエキロなんて、どれも割と人気なのに、こんなんチートですわ。他種が「メタリカはノーカン!ノーカン!」と騒いでいるはず。
Gootyという名前は、こやつが最初に発見された地名にちなんでいます。インドのアーンドラ・プラデーシュ州(Andhra Pradesh)の西部、沿岸では無い方ですな。最初はグーティーの狭いエリアに生息していると思われていましたが(隣接する森などにも居なかったらしい)、後に同州のナンディヤール(Nandyal)やギットルール(Giddalur)辺りでも見つかったそうです。グーディー以外の個体は人為的に広まったとの見方もありますが、どうなんでしょうね。細かい地理は、グーグルマップ辺りで調べてください。便利な世の中ですなw
ポエキロの中では、そう巨大な方ではありません。体長で6-7cm、レッグスパンで20cm超えない程度所でしょうか。寿命は12年前後。雄は3年ぐらいでしょうかね。飼い方の基本は、他のポエキロと同じで、そう難しもんじゃありません。こやつは結構暑い所に棲んでいるので、30度ぐらいでも割と平気ですが、あまり無理をさせないようにしましょう。メスのアダルトは、それなりに性質も落ち着いてくるので、扱いやすくなります。とは言え、噛まれると結構痛いはずなので、取り扱いはくれぐれも慎重に。テキトーに扱って噛まれたって、あたしゃ知らんよ。自滅するのは勝手ですが、噛まれることで、間接的に迷惑かけないでくれたまえ!と言っときますよ。世間様からしたら、単なるドクグモですからね。レガリスに噛まれて、エライ事になった方も存じております。人や体調にもよるのでしょうが、コバルトブルーなんか目じゃないようです。うちのは大人しいとか愚かな考えは止め、常に気を引き締めて取り扱うようにしましょう。
ご覧の通りあまり語る必要も無い良いクモです。最も美しいタランチュラの一種として、もうしばらくは君臨することでしょう。昔ダークモルフ、グレイモルフとして写真が上がっていた物は、単に老成個体であることがわかっております。期が熟してくると、上の写真の様に、いぶし銀の如く青黒くなりますぞ。若い頃はギンギンに青く、老成するに従い徐々に落ち着いてゆく。そんな感じですな。メスで言いますと、2-3歳ぐらいが一番青いですかねぇ。ポエキロのオスって成熟するとショボくなりますがw、こいつはオスも青いので良いですな。
飼育下でどんどん殖やして、この素晴らしいクモをいつまでも飼えるように努めようではありませんかねー。生息地なんて、いつ開発で無くなるか分かったもんじゃないですよ。
折角なのでこの属の秘密を書いておきますか。生息している範囲がそう広くないので、野生化では一つの木に複数の個体が棲んでいる事が結構あるそうです。つまりポエキロは同腹(兄弟)の個体を、複数飼育することが出来ます。ただし一度分けて飼ったものを、もう一度複数飼いに戻したり、血統とかも関係ない個体との同居させると、あっさり共食いしちゃう事があるので、繁殖させた人はまとめて複数飼育をさせるために、まとめ売りをしても面白いかも。当然ですが、ある程度成長した段階で雌雄を分けないと、意図せぬインブリードが誕生するので十分ご注意下さい。ポエキロは生息範囲的に見てもインブリードに強そうな気がしますが、あえて兄弟で掛け合わせることも無かろうと思います。とりあえず青い群れを楽しめるのは、殖やした人だけ!では、頑張ってください。 |
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