生きているだけの(シカバネ)
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                     生きているだけの屍
                     騙し取られた代表印。
                  特許はウチが持っている?
            お化けスプーン登場 また何処かで誰かを騙してる?
                商社を使って月1万本のネットワーク?


生きているだけの屍。
平成元年1月15日、年金が支給されました。以前勤務していた農林水産省の若年減額支給金です。隔月支給でわずかですが、これでとにかく一息つきました。そしてタクシーの運転手として勤務しました。いきなり「夜勤」です。普通は先ず「日勤」として勤務し、大体の地理が分かれば次は「隔日勤務」で夜の経験を積んでから希望によっては「夜勤」につくのだそうです。私のように、いきなり夜勤につくのは稀だそうです。10時からは「2割り増し」の時間帯に入ります。
 これは魅力です。しかし、いざやって見ると以外とこまかい地理が分かりません。
まして目的地迄の最短距離=コース取りなど、斜線通りあり、近道ありです。冬の、そして夜の風景はなおさらです。郊外に出て客の指示で2〜3回方向を変えると市の中心部はどっちなのか方角が分かりません。どっちを向いても同じ風景なんです。迷っているうちにお客さんが付いた時など、お客さんに聞きながら目的地に着いたその後は、ますます分からなくなります。それなら・・・と今来た道の(雪が降っていた)タイヤの跡を見ながら戻る事にしました。しばらく行くと、あれ〜!雪のためタイヤの跡が消えてしまった〜これでは戻れない〜。車を降りて小手をかざし、ぐるりとひとまわりを見回します。とにかくトラック等の大型車が通っているところに出てなんとか帰る事が出来たこともありました。
 夕方3時半に出勤、翌朝5〜6時時によっては7〜8時迄勤務、洗車、納金して帰宅。もう学生達が登校しはじめています。シャワーを浴び、食事をし、大急ぎで布団に入ります。目にはアイマスク、耳には栓をして寝ます。そうしないと眠れれません。家内は内職を始めました。服のボタン付けです。朝4時から起きて下宿の食事の支度、夜は夜で11時過ぎまで弁当のおかず作り、その余暇の事ですから大変です。
糸と針を両手に持ってよく居眠りをしてました。その対価は月に1〜2万円にしかなりません。
下宿の借金、会社の借金を払う為です。
 今までいた会社のストーブの灯油代もS、O、E子達は、燃料屋に「加藤から貰え」と指示していたのです。私は半分「自棄」になっていました。それを足しても大勢に影響ないし、と思っていましたから。その頃は二人ともまさに「生きてる屍」でした。


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騙し取られた代表印。
しばらくしてSは有限会社、Aを設立したのです。新しくパンフレットを作るとの事、販売本数が伸びれば私にもローヤリティも入ります。そして、なにより私の意思を引き継いでくれるというのなら多少のことは我慢し、協力もしようと眠い目をこすりこすり元居た会社(いまはS、O、E子達の会社)に出向いたんです。
 新しいパンフレットの原稿はまだ割り付けの段階でありましたが、そこには既に私に断りなく各種発明展での受賞名が入っていました。クレームを・・・と思いましたが「意思を引き継ぐ」との事でもあり、販促効果の観点から抗議どころか「類似品には御注意下さい」の文言を入れるようアドバイス迄したんです。今考えるとな〜んて馬鹿、な〜んてお人好しだったんでしょうね。ま〜よくも平気で、よくも恥ずかしくもなく“〇〇賞受賞”とか“〇〇展特賞受賞”などと、あたかも自分が得た賞であるかのごとく掲載して恥ずかしくないものか!と苦々しい思いであったが我慢をして帰ってきましたよ。
 3ヶ月が経ちました。代表印を返す話しがないので(E子達の)会社に行きました。E子が一人で居ました。
「3ヶ月も経ったんだからもう良いでしょう?貸しておいた代表印を返してよ」
「加藤さん、これ何に使うのさ」
「私が何に使う、使わないの問題ではない。貸したのだから返せと云ってるのだ」
「いま加藤さんに返したら悪用される恐れがあるので渡せない」
「それは逆だろう?代表取締役は登記上からもまだ私だから私が保管する」
「では加藤さん全部キチンと責任を取れるのかい?」

 訳の分からん女を相手に口げんかするも大人気ないが、これは詐欺である。

注・詐欺=甘言を弄して金品を騙し取ること。または、うそを言ってだますこと)

代表印をこんな奴らに持たせておくと、それこそ悪用される恐れがあるしその責任は私になる。アブネ〜アブネ〜一刻も早く、それも訴訟で返還させるしか方法がないと思って帰って来た。

特許はウチが持っている?
彼等が(不良)商品を出した。しかし一向にローヤリティーを支払う様子がないので、今は新会社の社長に納まっているE子に聞いた。
「ローヤリティーの支払いはどうなっているの?」
「あれは担保で預かっているから、今は払わないよ!」
「契約は加藤筧治個人だよ。貸し金は法人、全く別だし第一担保にするなんておれは承知していない」
「払うにしても、いつ払おうが、いくら払おうが、どこえ振り込もうが、いちいち会社が加藤さんに知らせる必要ない。
特許はウチが持っているんだよ”

「特許証は貸してあるんでしょう?その証拠に名義は誰なんだ?」
「そんなら何かい?加藤さんは何もしないで左ウチワかい?パンフ迄私達に刷らせて」
「私が左ウチワを使おうが右ウチワを使おうがアンタの指図は受けない。それにパンフなんか刷らせた覚えもないぞ」
 こんな訳の分からない女を相手に議論しているとこっちの頭がおかしくなる。それに、契約の当事者であるSと交渉すれば良いこと。なにしろSは「倒産しかかった会社に経営の指導をして大会社にした」実績の持ち主なんですから。
Sの勤務先に会いに行きましたよ。それはSが勤務先のNTTから帰るのが毎日夜の11時、深夜なんだそうです。毎日ですよ?。では、と何回も日曜日に電話しても“本当に居ない”“絶対に居ない”と云うので仕方がなかったんです。漸くSを「つかまえて」別の部屋で質問したところ

「約定書に書いてある1本30円は払う必要がないし、払う意思もない。定価で売った分だけ30円払います。だいたい加藤さんは日本の特許なんか持ってないんでしょう?だから払う必要なんかないんだよ、でもこちらから“デザイン参考料”として15円位なら“払ってやっても良い”と思ってますよ」
「なぜ定価で売った時だけ30円を払う事になるのだ?卸しの分は払わないって〜?おかしいんでないか?」
「いや0さんもそう云ってるよ」
「0さんは関係ないでしょう」注・この一言が後でまた一悶着あったのです)0から電話があった。
 

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また何処かで誰かを騙してる。お化けスプーン登場
「新聞に元製品開発を担当したF氏が関係しているらしい、例の折り紙細工、ブリキ細工の「オバケ・スプーン」に関する記事が出ているので相談したい」
事務所に行くとN金属食器からのFAXを見せられた。

 例の『オバケ・スプーン』です。これは使い物にならない代物であることは実証済みなんです。また何処かで誰かにうまい話しとして持ちかけたに違いありません。おしまいに「・・・のスプーンメーカーへの影響も予想される。」だってさ!こんなものに「影響」なんかされる訳がないんです。新聞記者に取材させて得意になっているF氏の姿が見えるようです。(マ〜『技術を開発した』となっているんですから、あくまで『製造方法』なんでしょうが「KENJI独特の機能」の表現等は私の表現をそのまま使用していることから著作権の侵害に当たり、発明者加藤 筧治の許可を得るべきです)でもそれ以降はソレッキリです。おもちゃ、オバケなんですから市場が評価する訳がありません。 私のときと同じで、また何処かで誰かが被害にあっているに違いありません。Oは
「F氏との関わりと現在までのいきさつを書いて欲しいんだが」
それは彼等が外注している名古屋の大手食器メーカーNカンパニーに釈明したいのだそうです。
「俺はタクシーの夜勤専門、昼間は寝なくてはいけない、だから時間がない、言うからそれを文章にしてよ。改めて私が見て、問題がなければNに出したら良いしょ」
1週間程して出来上がった原稿を家に持ち帰って読んで見て驚いた。全く違うのだ。
自分達に都合の良いようになっている。特許もE子の新会社に
『認可』となっている。眠い時間を割いてまた出向いた。S、0、E子、私の4人です。0は
「加藤さん、Sさんに0は関係ないと云ってるそうだが一体どうゆう事さ」
「Sさん、あんた、話しの前後を全く話してないのかい?すこしおかしくないかい?」
実はこうこう、かくかく、しかじか・・・やれやれ漸く納得である。今度は私の番である。
「社長(E子)は“加藤さんは左ウチワで何もしないのかい”といってるので手伝っても良いんだけど、いくらで卸してくれる?」なんとE子は
「加藤さんには売って貰はなくても結構です。心配して貰はなくても結構。もう商社を使った全国ネットワークが出来ているんで加藤さんの入る隙は全く無い。それとも、なにかい?商社と同じ条件の月1万本以上売りますと言う約束でも出来るのかい?それなら商社にも言い訳が出来るんだけど、その約束も出来ないでタクシー運転手の片手間でやられても困るんだわ」
「それは出来ない。しかし商売というものはどこでどうつながるか分からない。だけど以前私に云った“加藤さんは何もしないで左ウチワか”の、あの言葉はどうしたの?」

「あの時とは事情が変わった。だから(この商品が)欲しいんだったら一般消費者扱いだが特別2割引でなら売ってあげても良い

記念に2本有難く売って貰った。お〜っとパッケージは・・・な な な〜んと私の作ったそのものではないか!!

商社を使って月1万本のネットワーク?
そうなんです。以前私の部屋(社長室)に無断で侵入して私物の一切合財を廊下に出したあの時に「やった」んです。それだもの「一歩でも足を踏み入れるな」と云う筈である。どさくさに紛れて私も忘れていたわい。こんな事があったのも・・・肝心の話しがあったのでそれは後回しにしてSに
「今の言葉を聞いたと思うが契約の当事者としての言葉と受け取っても良いですね」
Sは黙っているので改めて
「今の話しはSさんの代弁と受け取っても良いんですね?それは契約の当事者として“加藤には売らない、売って貰はなくても販売数量は心配ない”と云うことだな?間違いないな?」
Sは大きく“コックリ”
「よ〜し分かった、ところで本題にはいる。この文章を見たがあれは一体、だれがどこえ出すんだ?」
0が云いました
「加藤さんは何が云いたいのさ」
「文章の中味が違い過ぎるんだよ」
「加藤さんが忙しいと云うからおれが代わりに書いてやったんでしょ」
「おいおい、これは私の頼み事か?この文は何なんだ?」
「屁理屈は良いから早くやれっ」
「この件はアンタ方に頼まれたものなんだぞ!こんな空気の中では話しなんか出来るかっ。帰るっ」
事務所の玄関を出ようとするとE子が私の腕をつかんで
「私に言って頂戴」「私に言って頂戴」と何度も繰り返すので、思い直して席に着き改めて質問したところ0が再び
「屁理屈はどうでも良いから早くやれっ」 たまりかねた私が
「外野席うるさいっ」
 ところがどうだ、E子は
「ひとの会社に来てそんな言い方ないでしょっ」
「俺は何の為にここへ来ていると思ってるんだ?誰に頼まれて来てるんだ?話しにならん」
や〜や、参ったわ〜。こんな調子だからパッケージの件を言うの忘れて、帰って来てしまった。  よ〜ん。

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