†  Keeping Avicularia  †
Ver 1.3

†  Avicularia  †

 中・南米に広く分布する、樹上性のタランチュラでございます。その容姿は、みんな一様にモジャモジャで、非常に長く目立つ繊毛が密に生えており、ちょっと風変わりな印象を受けますね。

 大きさは3cm-8cmまで、小さいのから大きいのまでとバラバラでございまして、性質は比較的大人しいものが多くおりますが、スキティッシュな個体が殆どなので、驚かせたり突付いたり触ったりすることは、あまりオススメではありません。

 かつて、タランチュラと言えば、全部このグループに入れられていたらしいので、この辺の分類関係に関しては、未だにごたついているという話でございますよ。

2017年現在の全記載種リスト。

Gen. Avicularia Lamarck, 1818
avicularia (Linnaeus, 1818)  サウスアメリカン ピンクトゥー
glauca Simon, 1891  
variegata (F. O. Pickard-Cambridge, 1896)  アマゾンジャイアントピンクトゥー
minatrix Pocock, 1903  ベネズエラ レッドストライプ
taunayi (Mello-Leitão, 1920)  
juruensis Mello-Leitão, 1923  ペルビアンピンクトゥー
rufa Schiapelli & Gerschman, 1945  イエローバンデッドピンクトゥー
purpurea Kirk, 1990  エクアドリアンパープル ピンクトゥー
hirschii Bullmer et al. 2006  
merianae Fukushima & Bertani, 2017  タラポトピンクトゥー
lynnae Fukushima & Bertani, 2017  
caei Fukushima & Bertani, 2017  
2017年3月の論文で、がっつり整理されました。rickwestiAntillena属。laetaversicolorCaribena属。diversipessooretamagambaYbyrapora属へ移動となりました。かつて有名どころのmetallicahurianageroldiurticans 辺りは悉くシノニムや疑問名扱いとなりましたよ。Avi.aviA.juruensisのモルフ的な扱いとなっている物が殆どって感じですな。中でもaviaviなんて、7タイプも出てましたよ。

てなわけでもう下の記事はAviculariinae亜科系全般の飼い方って事にしてくださいw Iridopelma属、Ephebopus属、Tapinauchenius属、それからアフリカのHeteroscodra属やStromatopelma属も同じ亜科です。

†  Baby  †

Caribena versicolor
 Avicularia属は、基本的に成長が早いのですが、何気に厄介な時期でございますよ。ここで手抜かりなきよう、頑張ってくださいね。

 まず飼育容器ですが試験管は通気性が悪いので、後から穴を開けることが可能な、プラスティック製のピルボトルやデリカップが良いかと思います。通気性が悪いと、あっと言う間に死にますので、通気孔は多めに設けましょう。まぁ最近は試験管で売られていることもありませんがねぇ。

 それに床材を薄く敷きます。基本的に潜りはしないので、あまり深くする必要はありませんが、脱皮の際に、自分の作った巣に、床材をくっつける場合が多く見られるので、目の粗いバーミキュライトを使う場合は、軽く砕いてあげましょうね。粉々になるほど砕くと、それはそれで問題あるので、破片が数ミリになる程度に、ピンセット等で粉砕して使うと便利でございます。

 霧吹きは、週2~3回と、多めに行いましょう。水分補給と、湿度維持の意味がありますゆえ、実に重要なことでございます。湿度は80%ほどを保てるならば、それがベストでございます。ただし、蒸れは厳禁で、成体・幼体とわず、あっと言う間に死んじゃったりしますので、ほどほどにしましょう。

 温度は、できれば28度ぐらいが好ましい状態です。成長も早くなりますからね。

 エサは小さめのコオロギやレッドローチを用います。クモよりも小さなコオロギの頭を潰すなどして半殺状態にした後、クモが作っている巣に引っ掛けますれば、夜間の内にかってに食べていることと思います。レッドローチはコオロギに比べると顎が弱いので、そのまま放り込んでおいても大丈夫だと思います。気になる人は半殺しにしたものを入れておくのが良いでしょう。

 一回の給餌量は少なめにして、回数を多くしてあげましょうね。毎日コオロギ1匹程度が理想かと思います。食べない場合は、翌日速やかに取り出して、4-5日後にもう一度完全に殺したコオロギを巣に引っ掛けておきます。脱皮前であったとしても、殺したコオロギなら安心なわけ。

 Avi属のBabyはですねぇ、入荷分で「今回来たのはよく死ぬなぁ・・・」とか「今回のは丈夫だ。」っていう事態が、しばしば見られます。その辺りは運なので、どうしようもないです。最近は、アンティル辺りがとりわけその傾向が見られますので、慎重に導入してください。

 んで、脱皮ペースが一ヶ月に1回から、2ヶ月に一回ぐらいになりますれば、晴れてbaby卒業という事でよいかと思います。小型の種類も居ますので、何cmでBaby卒業というのは、書きにくいわけさ。

†  Juvenile  †

Avicularia avicularia
Tri-color Pink toe.
 成体色になり、脱皮ペースも落ち着いてきた辺り。順調に飼っていれば、半年程度でこの段階になるかと思います。

 ここまできますれば、もう安心して飼えるってなもんでございます。ケージを広めのデリカップか、小型のプラケースに移しましょう。あまり広いケージだと、まだまだ育ち盛りの段階です、エサを捕まえ難いという事態になるかもしれません。

 床材は、バーミキュライトを適当に敷きます。バーミだけだと見栄えが悪いので、適度にピートなんかを混ぜても良いかと思いますよ。あまり厚くなくても良いのは、Baby時と同じでございます。

 湿度などは上と同じですが、この辺りになりますれば、若干の乾燥にも耐えるようになりますが、まだまだ小さいので、手抜かり無いよう、スプレーに余念なきようお願いしますね。

 エサですが、もうM-Lサイズのコオロギでも、余裕で食べてくれると思います。これが飼いやすくなる要因でございますよ。Lコ1匹放り込んでおけば、翌日に居なくなる感じで良いかと思います。まだまだ成長期なので、特に生まれて最初の1年は、エサを切らさぬように飼育することを心がけましょう。でもアレだ、エサを切らすなといっても、ケージ内に常にエサを入れておけという意味では無いぞ。ペースを守り、淡々と日々与えよということですからね。間違えぬようお願いしますよ。

 脱皮前の拒食期間が少し長く成って来ますので、残りのエサは素早く撤去し、霧吹きだけ行い、あとはそっとしておいてあげましょうね。


†  Adult  †

A.avicularia(モルフタイプ1)
 オスの場合で1年半、メスの場合順調に育てば、2年程度で性成熟いたしますので、アダルトと呼んでOkでございます。

 ここまでくれば、もうはや書くこともありませんね。わかっているでしょう?その個体の生活スタイルをだ。

 大き目のプラケにコルクバークを立てかけますと、その裏辺りにチューブ状の巣を作って落ち着きます。何もいれないと、上方にハンモック状の巣を作り、エライ事になりますので、注意してくださいね。

 多少の乾燥には耐えるようになりますが、床材は常に湿っているように勤めましょう。水容器を設置し、常時水を飲める環境にしておくことも忘れてはいけません。

 湿度80%、気温28-30度がベストなのは、Baby時と変わりませんからね。

 エサですが、コオロギの数を調整します。だいたい、5-6cmの個体の場合、週1回コオロギ4-5匹与えれば問題ないかと思います。食が細いとき、アマガエルや小型のヤモリ等、壁や樹上を平気で登る生き物を与えると、素早く捕らえて食べることもありますので、試してみると良いかもしれません。

 脱皮のペースは年1-2回程度になるかと思います。脱皮前の拒食も、一ヶ月に及ぶこともありますが、気にしないようにしてください。構うと煙たがられますよ。良いですね。ただし給水だけは常に忘れないようにしてください。

 じゃぁ、Aviの飼育は、こんなところでございましょうかねぇ。何度も言いますが、通気と湿度。これ重要!あとはまぁ臨機応変に飼ってください。

 あー、あと複数飼育可能とする書籍などもありますが、割と普通に共食いしますので、繁殖などの時以外は止めた方が良いです。とくに脱皮時に他の個体から狙われるケースが多いようです。ご注意下さい。


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