WRC・ラリー問題 

知事あて ラリージャパン(WRC)の環境問題への対応に関する要請                              

2006年8月21日 

北海道知事 高橋はるみ 様

十勝自然保護協会会長     安藤 御史 
ナキウサギふぁんくらぶ代表  市川 利美 
(社)北海道自然保護協会会長 佐藤  謙 
北海道自然保護連合代表    寺島 一男 


ラリージャパン(WRC)の環境問題への対応に関する要請

 私たち北海道の自然保護団体は,6月22日付で貴職に環境問題に関わる要請をしました.これに対する貴職の回答は,「主催者の責任において環境調査が実施されているところであり,その調査結果を主催者側から聞き取ることにより,環境への配慮を確認するとともに,必要に応じて指導を行い,適切な対応を求めていくことにしています」というものでした.

 これまでも私たちは貴職に対し,新得町のラリーコース周辺には絶滅危惧種であるシマフクロウ・クマタカが生息し,希少種であるナキウサギはコース脇に生息していることなどを指摘し,北海道みずからこれらの希少動植物について確認し主催者を指導するように要請してきました.

 今年7月に十勝自然保護協会が行った新得町のラリーコースの調査では,コース上空を飛翔するクマタカを目撃したほか,コース脇でクマゲラの営巣木を確認しました.ナキウサギもコース脇に生息しているほか,クシロワチガイソウやコテングコウモリも確認しています.いずれも国や北海道がレッドデータブックに掲載している種です(十勝自然保護協会HP http://city.hokkai.or.jp/~kagami 参照).

新得町のコースは,北海道開発局による調査でもさまざまな絶滅危惧種・希少種の生息地であることが明らかになっていますが,主催者は今年も新得町でラリーを予定しています.また,絶滅危惧種や希少種が生息しているのは新得町のコースだけではありません.

貴職はラリージャパンの名誉大会長となっているうえ,ラリーの環境調査に関しては「主催者の責任」とし,ラリーが希少動植物へ与える影響についてみずから問題意識を持って対応するという姿勢がありません.しかし,上記の絶滅危惧種は北海道レッドデータブックに掲載されている種であり,北海道みずから積極的に保全を図るべき種です.貴職の「主催者任せ」の態度は,希少な動植物を保全するというみずからの責任を放棄しているといえるものです.

貴職が,みずからの責任においてラリーコースに生息する希少動植物を確認し,主催者に対してすみやかに適切な指導をされることを再度要請します.


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