○ 新得のラリーコースを視察して 9月17日に新得のラリーコースを視察してきました.以下に気になったことを報告します. |
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1.パンケニコロベツ林道とペンケニコロベツ林道を結ぶ連絡路は,昨年路肩に224箇所もの排水溝を掘りましたが,一部の排水溝は雨水で浸食されて拡大し,土や砂利が谷側に流出していました.大雨が降れば浸食が加速され,やがて林道の崩壊につながる可能性があります. |
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【写真】このような排水溝が224箇所掘られ、土砂混じりの雨水を谷側斜面に流し込んだ。 | |||||||||||||||
2.ラリーコースの路肩の植物が刈られていました.この林道の路肩には希少な植物も生育していますが,それらが刈られた可能性があります.特に木本植物は刈り払いによるダメージが大きいでしょう. | |||||||||||||||
3.ペンケニコロベツ林道の勾配が比較的急なところでは,昨年のラリー後にくらべて雨水に よる路面の浸食が進んでいました.ラリーカーによる深掘れが影響している可能性があります. |
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路肩0センチにナキウサギの生息痕 昨年はナキウサギふぁんくらぶのコース変更の要請も聞き入れられず,ナキウサギの生息地 |
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【写真】コースに使われる林道の路面の穴(岩塊の隙間)。画面右下へ斜めに伸び、2mの枝が入って余りあった。右側斜面の岩塊と連続している。岩塊地の上に林道がある。ナキウサギの生息地の上に作られた林道と言って良い。 また、道路脇の植生が刈り取られていた。希少植物が発見されたのもこのあたりである。 |
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私は今年の5月からこのコースでナキウサギの生息調査をしてきました.その結果,パンケニ |
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【写真】路肩ゼロメートルにあった「ナキウサギの食痕」。このように斜めに鋭く断ち切ってしまうのは、カンナのように門歯の裏側にも歯がある「ウサギ」の特徴。 | |||||||||||||||
ここの生息地は然別湖周辺のような典型的な岩塊地とは異なり,岩塊の堆積があまり発達して いないように見受けられます.ところが場所によっては風穴になっていて,9月でも冷風が吹き 出していました.風穴があるということは,地下に岩塊が堆積している可能性が高いということ です.林道脇に穴のあいているところがありましたが,のぞいてみるとその奥は空隙のある岩塊 でした.つまり,ここの林道は岩塊地を破壊してつくったようです.とするともともとナキウサ ギの生息地だったと考えられます.ナキウサギの生息地を壊して林道をつくり,さらにそこで カーレースを行なっているということではないでしょうか. |
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【写真】外気温はこのとき21度。ナキウサギの好む、冷風が吹き出す風穴が路肩から0センチのところに。 | |||||||||||||||
【写真左】林道から斜面を見下ろす。排水溝から流れ落ちた土砂で笹の群落などが埋められている。 【写真右】斜面の中腹から路面を見上げる。相当量の土砂が斜面の植生を流失させているのがわかる。 |
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昨年のラリーでは約90台のラリーカーが参加しました.同じコースを2度走行しますから, ラリーの影響を受けるのは,もちろんナキウサギだけではありません.エゾシカやヒグマは追 |
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