北海道の森林伐採

「日本の天然林を救う全国連絡会議」設立記者会見資料

農林水産省記者クラブ会見資料

1)「日本の天然林を救う全国連絡会議」設立の目的は、国民の共有財産である日本の天然林を救うことにある。日本の原生的天然林は、その大半が国有林に帰属する。林野庁は、天然林の大規模伐採を過去50 数年以上にわたり続けてきたため、今や潰滅状態に陥っており、同時に天然林に共生する貴重な日本固有な動植物相は絶滅の危機に瀕している。

2) 林野行政にかかわる機構再編は急務である。われわれは、今直ちに国有林内の総ての原生的天然林を「環境省」移管し、一切の天然林伐採を中止すると共に、そこに生息するすべての野生動植物相の保護・保全体制を早急に確立をすることを日本政府に対し求める。適切なる「生物多様性」の保護・管理体制の確立は、今正に急務である。

環境省に“天然林”の移管を求める理由:

< その1:自ら改正した法律の無視>
国有林野事業は、1998 年に「抜本的改革」を行った筈である。「国有林野事業の改革のための特別措置法」第5条に明記されているように、それまでの「木材生産重視」から、自然環境保全を中心とする「公益的機能重視」へと大転換をすると宣言した。しかし、現在に到るもなお天然林の大規模伐採を継続しつづけ、日本に固有な野生動植物相の生息環境を著しく破壊し、国が締結し、その保護・保全の遵守を国際的にも約束している「国際生物多様性条約」違反である。

< その2: 国民への背信行為>
抜本的改革では、3兆8千億円の累積赤字のうち2兆8千億円を一般会計などで補填した。その上で、林野庁は「始まります!“ 国有林の新世紀” と大々的に広報し、公益的機能の維持に邁進することを宣言している。しかし、公益的機能と生物多様性を破壊する大規模伐採を継続しているのは、これまで多大な負担を強いてきた国民に対する更なる背信行為に他ならない。

行動計画:
われわれは国有林内の天然林を、すべて環境省へ移管して保護・保全することを求める。

「日本の天然林を救う全国連絡会議」世話人代表 河野昭一
:国際自然保護連合生態系管理委員会・北東アジア担当副委員長、
大規模林道全国ネットワーク代表、京都大学名誉教授

問い合わせ先:
福島県会津群南会津田島字後原甲3432
「日本の天然林を救う全国連絡会議」事務局長沼勲渡部康人
0241-62-2674
Fax 0241-62-2688

「日本の天然林を救う全国連絡会議」メンバー
( 平成18 年12 月5日現在)

梅原猛 哲学者
吉良竜夫 滋賀県顧問、琵琶湖博物館元館長
吉川宗男、哲学者、ハワイ州立大学名誉教授
加藤幸子 芥川賞受賞作家
池澤夏樹 作家
CW. ニコル 作家
野田知佑 作家・カヌーイスト
佐高信 経済評論家
根深誠 登山家
青木淳一 横浜国立大学名誉教授
五十嵐敬喜 法政大学教授
石弘之 北海道大学特任教授
加藤真 京都大学大学院人間環境学研究科教授
安渓遊地 山口県立大学国際文化学部教授
安渓貴子 山口大学講師
清野聡子 東京大学大学院・総合文化研究科
岡村健 フリー・ジャーナリスト
石川徹也 山を考えるジャーナリストの会代表
金井塚務 広島フィールド・ミュージアム、「細見谷の自然を守る会」代表
杉島洋 広島フィールドミュージアム
原戸祥次郎 森と水と土を考える会・代表
市川利美 ナキウサギふぁんくらぶ代表、弁護士
松田まゆみ ナキウサギふぁんくらぶ、十勝自然保護協会
市川守弘 日本環境法律家連盟理事、弁護士
井口博 弁護士
瀬畑雄三 釣り師
諸橋潔 新潟県自然・環境保全連絡協議会代表
奥畑充幸 早池峰の自然を考える会
梶谷敏夫 丹沢ブナ党代表
田村義彦 大台ヶ原・大峰の自然を守る会代表
寺島一男 大規模林道問題北海道ネットワーク代表
望月達也 岩手県ブナ帯調査室クマゲラ研究班
星一彰 福島県自然保護協会会長
東瀬紘一 博士山のブナ林を守る会代表
高橋淳一 高山の原生林を守る会代表
加藤彰紀 大規模林道問題全国ネットワーク事務局長

代表世話人 河野昭一 国際自然保護連合生態系管理委員会・北東アジア担当副委員長、大規模林道問題全国ネットワーク代表京都大学名誉教授

< 事務局> 長沼勲、渡部康人 日本野鳥の会南会津支部

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