北海道の森林伐採 |
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次期道有林基本計画(素案)への意見 (十勝自然保護協会)
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次期道有林基本計画(素案)への意見 080-0101河東郡音更町大通10丁目5番地 佐藤与志松方 十勝自然保護協会会長 安藤御史 Tel & Fax 0155-42-2192 以下のことを基本計画に盛り込むことを求めます 1.違法伐採を防止する仕組みづくりの構築 道有林では過去4年4ヶ月の間に保安林の違法伐採が44件あったことが明らかになった(2006年8月16日付朝日新聞および同年8月17日付北海道新聞).このような違法行為が生じたのは内部でのチェック機構が機能していないためである.したがって第三者によるチェック機構を構築すること. また,立木販売・素材販売に関わらず,すべての販売木の根際に刻印をうちナンバーテープを移記することを義務づけ,誰もが伐採木を確認できるようにすること. 2.伐採計画や伐採状況の公開 道有林は道民の財産であり,道民はその伐採や造林などの育林が適正に行われているかを知る権利がある.したがって,年度ごとの伐採計画や伐採場所をホームページなどで公表し,情報公開の手続きをしなくても道民だれもがどこでどのような伐採が行われるかわかるようにすること. 3.受光伐の定義を明確にすること 現在行われている受光伐は,従来の木材生産を主目的とした択伐との区別がつかず,受光伐と称して木材生産を目的とした皆伐状の伐採を行っているというのが実態である.このために森林の公益的機能を高めるどころか低下させ,天然林を人工林に変えるなど,目的とは正反対の状態になっている.したがって,受光伐における伐採率や伐採木の選定,伐採後の管理,植樹する場合の条件などについて択伐との相違を具体的に定義し,目的に反する伐採が行われないようにすること. 4.更新方法について 更新は倒木更新を積極的に利用するとともに,林床の幼樹・稚樹の育成や掻き起こしによる発芽を基本とし,そのような手段が講じられないときのみ植栽をするべきである.また,植栽が必要な場合はその地域に生育していない樹種は利用せず(えりもではアカエゾマツの生育していないところにアカエゾマツを植林していた),その地域で採取した種子の苗木を使用すること. 5.希少動植物調査の明文化 森林の公益的機能には生態系の保全も含まれている.しかし,えりもの道有林152林班では集材路によってナキウサギ生息地が破壊されたほか,希少な動植物の生息地が皆伐されて破壊されてしまった.このようなことが生じたのは伐採前に希少動植物の調査を行っていないためである.したがって,伐採にあたっては事前に希少動植物の調査を専門家によって行うこと.また影響があると専門化が予測した場合には伐採を中止するなどの対応をすること. 6.丁寧な伐採方法の確立 現在行われている伐採は,大型の重機使用による森林破壊,林床植生の破壊を引き起こす効率優先の乱暴な伐採である.森林の公益的機能を保ち生態系の保全をはかるために表土は極力かく乱せず,小型の重機による丁寧な伐採方法の確立を目指すこと. なお,道有林経営が生産優先から環境保全へとシフトしたことに鑑みて,環境保全に高い意識を持ち活動している自然保護NGOから積極的に意見を聴取することが求められる.よってパブリックコメントを募集する際にはホームページで知らせるだけではなく,自然保護NGOに対し直接資料を送付し意見を求めるよう要望する.
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