2007年2月
「ヒグマ教育ビデオ」の出前出張をやっています

3年がかりで制作した「ヒグマ教育VTR」を去年の秋、全道にある約2,000校の全小学校に無料配付した。各10分の3部作でヒグマとはどういう生きものか、事故を防ぐにはどうしたらよいか、といった点を丁寧に写し出している。更に詳しくヒグマについて知りたいという学校から要請があれば、チームを組んで出かけるプロジェクトも進行中で、既に道内各地の数十校を回った。
 どういう訳か稚内、羅臼、えりも、函館といった北海道の辺縁部からの要請が続いた。わがチームは旅の一座よろしく、時には3校を1日づつ回るというような強行スケジュールもあった。先日、彼らから「体験記」を聞く機会があった。それによると、出向くのは十人前後の小規模校が多い。市街地から離れた農山村地帯にポツンと残されたような小学校がほとんどだ。そんな環境ならばこそ校区にヒグマが出没するのだろう。実際に通学途中にバッタリ出会った子もいたそうだ。
 DVDまたはVTRを見てもらって、ヒグマについての質問を聞いたり、クイズにチャレンジしてもらったり。時間に余裕があれば、映像を見てもらう前と後の2回、簡単なヒグマの絵を書いてもらうこともある。見る前はいかにも恐ろしげなクマが、見た後だと幾分やさしく描かれたりする。
 おもしろいことに(あるいは、おかしなことに)、札幌をはじめとした都市部からのお声がかりは極めて低調である。単に校区にヒグマが出没するしないではなく、学外の者が教室で児童に教えることに対する教師の拒絶反応とか、硬直化したカリキュラムなどが関係しているのかも知れない。

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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