Grammostola pulchra
ブラジリアン ブラック

CB.subAD.male
 ブラジルの平野部と、ウルグアイ南部に生息するとされるタランチュラで、飼育シーンにおいては、知名度も高く、現在比較的ポピュラーな種でございまして、国内での繁殖例も知られております。以前は入荷も少なく、レアだレアだとか言われておりましたが、現状そんなことはございません。しかしクモの情勢は日々変わりますので、欲しい人は、居る時に買っておきましょう。

 漆黒タランチュラでございましてぇ、ブルーブラックに光り輝く姿は、非常に美しく見えます。黒いクモは、もうそれだけでカッコイイわけ。しかし、この種は、かっこいい中にも可愛らしさがございます。その可愛らしさも、いやみの無い可愛さで、非常に素敵な種なのでございますよ。G.anthracina(旧mollicoma)のノーザンモルフはこいつに酷似しているようです。

 体長は最大7-8cm程、レッグスパンは16-17cm程になるといわれております。実際の成体は、思いのほか大きく、迫力のあるクモにみえます。雄の場合、早くて3-4年ほどで成体になる感じですかね。メスの場合、最大8年ほど掛かるという話です。ある程度まではワシワシ育ちますが、その後遅いという典型ですね。だから初動成長だけを見て、成長が早い!とか発言するのは、ちょっと待つべきですね。ブラキなんかでも、そーゆー風に書いている人が居ますよね。まぁー、マッタリと気長に付き合いましょう。

 飼育においては、成体に近づきますと、そうとう乾燥にも強くなります。が、小さい間は70%以上ぐらいの湿度を保てるようにしておけばよいでしょう。よく間違えられやすいポイントとして、乾燥を好むと思われがちな事ですねぇ。乾燥に強いというだけであって、別に好んでいるわけでは無いようです。自然下では、土に穴を掘ってそこを巣にして生活しておりますので、その巣の内部は、ある程度の湿度がございます。したがって、アダルトになっても、50%以上の湿度は保つようにしてください。少し広めの水飲み場を常設しておけば、乾燥する冬場でもその程度の湿度は保てます。あとは、地面を常に極軽く湿っている感じにしておけば、飼育に関しては問題ないかと思います。しかし、熱帯雨林系のクモのごとく、やたら湿度の高い環境は好ましくないので注意してください。70%弱ぐらいが理想の湿度かと思います。

飼育温度は25度前後を保てますれば、特に問題無いように見受けられます。生息地柄、比較的低温ににさらしても平気ですが、普通飼育する分には、20度以下にはしないほうが無難かと思います。繁殖狙いのクーリングなんかの時は別ですけどね。食欲が無いときや、幼体時に成長促進させたい場合なんかは、30度ぐらいまで温度を高めても良いかもしれません。

 性質は、他のGrammostola属のクモ同様に、比較的おとなしい個体が多く、毛もほとんど飛ばしてきません。WCの個体を飼ったことはありませんが、うちの個体に関して言えば、チリアンコモンのように異常な拒食等も見られないので、初心者にもオススメできる種といえますかねぇ。

 繁殖の注意としては、この種は割と雌の雄食いが多いように聞きますので、交尾の際は、その辺りを注意して見守るのが良いかもしれませんね。