ウサギ目ナキウサギ科ナキウサギ属に分類される小型のほ乳類で、アジアおよび北米の山岳地帯やステップに14種が分布。
わが国には、北海道の北見山地、大雪山系、日高山地、夕張山地に生息する。
最終氷期の後、津軽海峡によって北海道が本州と分離されてから渡来したマンモス動物群(北方系要素の動物群)の一つであり、氷河の移動や高山凍結破砕作用による岩礫地にのみ生息するため分布は限定されている。
日本自然保護協会及び北毎道自然保護協会は、文化庁に対し天然記念物指定を要望しているが、文化庁は北海道からの要望がないことを理由に指定していない。
( NACS_J 1993.9.3 ) 【撮影:小島 望 氏】
ナキウサギはこのような「風穴地帯」のガレ場を好んで生息している。
【撮影:松田まゆみ氏】
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北方系のシジミ科の蝶。日本では北海道の知床半島羅臼岳、根室半島、然別湖周辺にのみごく少数生息。コケモモ、ガンコウラン、が食草。幼虫は枯れ葉の下で越冬して、7月中旬に蝶になって飛び回ります。(撮影:川辺百樹 氏)
(撮影:桜井正俊 氏 「ナキウサギふぁんくらぶ」絵はがき_C2)
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然別火山群に点在する露岩帯には、今のところここでしか分布が確認されていないマツダタカネオニグモ(1994年に新種として記載)が生息しいます。
このクモは、 岩と岩の間に目の細かい円網を張って生活しており、クモは網の中央または近くの岩に止まっています。
体色は全体に黒っぽく、腹部には白色の山形斑があります(左図)。
周囲の岩や地衣類と見分けがつかないくらいほどよく似た色彩です。
生活史や生態はほとんど分かっていませんが、成体が出現するのは6月頃で、この時期に交尾をし、7月中旬には成体は死んでしまうようです。
そのため、夏から秋にかけては若い個体しか見られません。
このクモの近縁種がロッキー山脈の高山帯の岩場に生息していることから、冷涼な気候に適した種であろうと考えられてます。
然別火山群で生息を確認している場所は、あまり植物に被われていない、ある程度の規模を持つ露岩帯で、ハイマツやガンコウラン等の植物が
分布する「風穴」を伴なった地域です。
このクモの分布が風穴と結びついているがどうかははっきりしませんが、風穴よる冷涼な気候がこのクモの生息に有利となっている可能性は十分に考えられます。
このように生息地が非常に限られているため、全体の個体数も多くはなく、然別火山群を特徴づける貴重な生物と言えます。
上の写真:
東ヌプカウシ・ヌプリの北西部の風穴地帯。ハナゴケなどの地衣類が岩の表面を覆っている。
こんなところに生息している。
右の写真:
この個体はツツジの葉の上に隠れて、獲物が掛かるのを待っています。
【解説、図、写真は松田 まゆみ氏による】
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