2000年8月23日
北海道土木現業所
所長 矢部 俊彦 様

                                十勝自然保護協会
                               会長  安藤 御史
 
 

道道鹿追糠平線の雪崩対策および駒止湖周辺の道路整備についての申し入れ
 

道道鹿追糠平線の雪崩対策について、当会はこれまで数回にわたって貴所に意見を申し入れ

て参りました。6月13日貴所からスノーシェッド工法により工事をしたいとの説明がありまし

たが、当会としては、予防杭と植樹による対策を再度申し入れます。特に、No1とNo3におい

て、「安全管理」の言葉一つですべてが許されてしまうようになることを当会は非常に懸念し

ております。そこで、当会は以下の3点を申し入れます。
 

1.この度の雪崩被害を引き起こした要因は、帯広土木現業所にあると当会は考えております。

現在の位置に道路をつけ替えたことによって、雪崩の影響を受ける結果となったからてす。

現在より斜面下部にある旧道の位置ならば、雪崩の影響は受けなかったはずです。そこで、

現在の位置に道路をつけ替える際に、雪崩の可能性を考慮したかどうかを説明してください。

雪崩を考慮したのなら、雪崩の可能性があるにも関わらず、なぜつけ替えたたのかを納得が

いくように説明していただきたく思います。いずれにせよ、道路つけ替えのために行った調

査の問題点や判断の誤りを総括することから始めるのが筋であると考えております。これら

の事業は全て税金で行われるものです。したがって、貴所には道民に対し説明責任があるこ

とを申し添えておきます。
 

2.今回の工事は国立公園内であり、慎重な工法が求められることは、長い間、然別湖周辺の

自然環境にたずさわってきた貴所ですから、重々承知していることかと存じます。そこで、

当会は、もしスノーシェッドを設置するのであれば、その上をシカやキツネなどの動物が移

動できる設計にすることを提案します。勿論、そのためのアセス調査も必要なことはいうま

でもありません。貴所も、貴重で脆弱な当地にあいて、工事が通常のように安易にできると

考えてはおられないてしょうし、また、この程度の配慮なしに、「自然環境や景観に配慮」

という言葉を使うことはしていただきたくありません。
 

3.6月13日の当会への説明の席において、駒止湖周辺の道路整備計画が起こるのではないか

という当会の質問に対して、ないとの返答をいただきました。しかし、貴所の口頭での約束

については、これまでも反故にされたことが少なからずあり、当会としては信用できかねま

す。いつまた、「安全管理」の名のもとに道路整備を持ち出してくるかも知れないと心配で

す。したがって、「今後、駒止湖周辺の道路整備は行わない」旨、文書で保証して下さい。
 
 
 
 
 
 
 


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