美蔓ダム問題 |
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帯広開発建設部より回答がありました
平成18年11月8日付けの当協会の「美蔓地区の国営かんがい排水事業の見直しについての申入れ」に対して帯広開発建設部より回答がありました。この回答はもちろんいろいろな点で納得のできない部分があります。帯広開発建設部も今後も話し合いをしたいといっていますから,今後は公開でやりとりをすることになるでしょう.
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帯 建 農 1第34号 十勝自然保護協会 会長 安藤 御史 様 帯広開発建設部長 加藤 史郎 美蔓地区の国営かんがい排水事業の見直しについての申入れ(回答) 平成18年11月8日付けで北海道開発局及び帯広開発建設部長宛に申し入れのありましたこのことについて、別紙のとおり回答いたします。 帯広開発建設部といたしましてが、今後も環境への影響について十分配慮して事業に取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 (発議 農業開発第1課課長補佐)
別紙
はじめに これまで、貴協会とは、地域の環境に関する専門的な知見を有する団体として、ご意見を頂きながら相互理解のための打合せを重ねてまいりました。 この度、貴協会から「美蔓地区の国営かんがい排水事業の見直しについての申し入れ」があり、また、貴協会においては、当方が貴協会の指摘を何ら検討していないと認識されていることについて、相互の理解に一部齟齬があったのではないかと残念に思っております。 貴協会からの申し入れにつきましては、真摯に受け止め、これまでの打合せを踏まえ以下のとおり当方の見解を回答いたしますので、ご理解の程お願い申し上げます。
1 「1.取水施設建設場所の選定経過の不透明性」について 国営かんがい排水事業美蔓地区の計画策定にあたっては、地域が必要としているかんがい用水の取水の安定性や事業費及び地元の負担に対する経済性等の検討に加え、環境との調和への配慮のため、環境調査の実施とともに環境に関する有識者を委員とする国営かんがい排水事業美蔓地区技術検討会等において、有識者や地元関係者から助言等を頂いております。 申し入れにある取水施設建設場所の選定につきましては、用水の取水の安定性等から6河川を水源候補とし、それらにおける建設費の経済性の検討を行うとともに、環境との調和への配慮のための環境調査を行ってきたところであります。 また、当方が、猛禽類以外の鳥類やほ乳類、植物や昆虫のデータを無視しているとのご指摘がありましたが、この事項については平成17年6月から行われている貴協会との打合せの中で、当方の調査結果及び評価の考え方を示しております。 さらに、工事によるナキウサギへの影響の調査やコウモリの調査が不十分とのご指摘もありますが、これにつきましても、前述のとおり、貴協会との打合せの中で、ご説明させていただいており、今後とも、工事における生息環境保全に配慮した工法等について、引き続き貴協会の知見によるご意見を頂き、より一層の相互理解を深めたいと考えております。
2 「2.当初計画を隠していた疑惑」について 十勝毎日新聞の平成18年8月26日の記事中「鹿追町上幌内に建設を予定していた美蔓ダム」とありますのは、平成5年度の着工時点の当初計画の内容を指し示しているものと考えられ、この当初計画は、平鹿13年度の計画変更によって、貴協会に配付しましたパンフレットにあるとおり新得町のペンケニコロ川にダムを建設する計画に変わっています。 また、国営かんがい排水事業美萎地区の事業計画の要旨及びダム位置につきましては、平成5年度の着工以来、帯広開発建設部で一般配布用に作成している農業事業概要を掲げており自由な閲覧が可能となっています。加えて、平成10年度からは、帯広開発建設部ホームページからも概要の閲覧が可能となりました。 さらに、当初計画において第6西上幌内川にダム建設を予定していたことやダムの建設場所が第6西上幌内川からペンケニコロ川に変吏になったこと等につきましても、当時の新聞に報道されているところです。 なお、現在、貴協会との打合せを続けさせて頂いている新たな計画では、貴協会からの申し入れにありますように、水需要の減少に伴い、ペンケニコロ川に建設を予定していた美蔓ダムを廃止し、ダム予定地下流に湛水を生じさせない取水施設等を設け、受益地に隣接する町有地に貯水池を建設する水源計画としています。
3 「3.ずさんなナキクサギ調査」について ペンケニコロ川では、平成13年度から今年度に至るまで環境調査を実施しており、この中でナキウサギの生息調査も行っています。 当方の調査方法、調査結果及びこれを踏まえた環境との調和への配慮については、環境に関する有識者の助言等を頂いております。このことは、貴協会との打合せの中でも説明させて頂いただいているとおりですが、今後、貴協会の有する調査結果を提供願うとともにご意見を頂きたいと考えております。
4 「4.風穴への影響」について 貴協会から指摘のありました風穴につきましては、貴協会との打合せの中で確認したところであり、情報に感謝するとともに打合せによる相互理解の必要性を再認識したところです。 なお、貴協会からの申し入れにありました風穴への影響の懸念につきましては、当核箇所のボーリング調査を行った結果、開削を行わず堅牢な岩盤内に水路を設置する工法の採用が可能であることから、工事による風穴への影響は生じないと考えているところです。このことにつきましては、今後の打合せの中で真摯に説明する所存です。
5 「5.水需要の減少に見合った見直しの検討」について ダムから貯水池への変更は、農業経営の縮小や離農等によって生じた権利移動による経営規模の拡大などに伴う水需要の変化に対し、地域の農業者や農業関係者との十分な調整により見直しを行った結果です。 また、酪農家のかんがい用水の必要性についてのご指摘がありましたが、酪農家は、日々排出されるふん尿をかんがい用水によって効率的に農地へ還元することで可能となる農業の低コスト化と、環境負荷軽減をも視野に入れて、必要性を判断し事業に参加しているところであります。 なお、簡易水道については、利用の目的が異なるかんがい用水に利用する余裕がないと開いております。
6 「6.受益者負担の疑問」について 事業費の受益者負担につきましては、平成17年6月30日の第1回目の打合せから平成18年3月28日の第5回目となる打合せのみならず、先日の平成18年10月24日の第6回目となる打合せに至るまで、何ら変更はありません。 また、当方による負担の説明に際し、地元負担という表現を使用しておりますが、この場合、地元とは地元市町村と地元農家を一括りで意味していたものです。通常、農家負担(受益者負担)と市町村負担を合わせた負担を地元負担と表現しているところであり、事業費の3〜5%の地元負担については、各関係町が事業の公共性を鑑み全額町が負担することから農家負担はないと説明したものです。 なお、計画変更にあたっては、地域の農家や農業関係者との十分な調整に基づき、水を必要としている農家をかんがい用水の受益者として、受益者数を集計しております。
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