日高山脈の植物的自然から見た日高横断道路問題

                                   佐藤 謙

 自然破壊の問題は、色々な観点から多面的に検証される必要がありますが、「自然その
ものの特徴や価値を知ること」が一つの大前提になるかと思います。日高横断道路問題に
関しても、山脈の自然の特徴について、改めて、深い理解をみなさんと共有したいものと
願っております。
 私ができることは、植物を中心にして

(1)自然の特徴を解説すること、
(2)自然保護の理念に照らし合わせて価値観を紹介すること、
(3)開発行為における事業者側の自然に関する考えを「環境影響評価書などの報告書」
           に基づいて検証すること
かなと思っております。

 この年末・年始を挟む半月余りをかけて、日高横断道路問題に関する私の考えをまとめ
てみました。
それは、上記の三つの観点から

(1)山脈として大きな特徴があり、
(2)それが高い価値を持ち、
(3)それを失わせる横断道路である

にも関わらず余りにも杜撰(ずさん)な報告書が作成されたという結論になりました。

ただし、それぞれについて詳細に記述したところ、非常に長い文章となってしまいました。
逆に言いますと、日高横断道路問題について、植物だけから見ても「言いたいことがたく
さんある」ことになります。

 しかしながら、このシンポジウムでは、パネラーとして5〜7分しか話すことができな
いようで、今の時点(2月1日)では、コンパクトに何を話せるか考慮中、実際に私の口
から何が飛び出すか、楽しみにしていただくより仕方がありません。
 なお、私のまとめは、標記をタイトルとして、今春発行の「北海道の自然(第39号)」
に掲載されますので、ぜひ「忍耐強く”読んでいただけますよう願っております。
 
 


 

☆佐藤 謙(さとうけん) 52歳
☆北海道大学大学院農学研究科修士課程修了
 (専門は、北海道における高山植生の生態学、植物相の分類地理学、そして植物保護)
☆北海道の高山を全部歩くことを目標にしてきた。古くから環境庁・北海道自然保護課、
 文化庁・北海道教育委員会などによる自然保護に関する基礎調査にも関わっているが、
 92年から私ができる自然保護活動を続けている。
☆北海学園大学教授、学術博士、北海道自然保護協会副会長、日本生態学会自然保護専門
 委員会委員、北海学園大学ワンダーフォーゲル部部長(以前は山岳部部長)
☆北海道の植物・自然を守りたい
 
 


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