まだコードフリーズには早いが、壊れたPCを新調したところがetchでは少し問題がある事から移行に踏み切った。以下はそのメモである。
増強部分についてはオリジナルと併記してあります。
項目 | スペック |
---|---|
メーカー | Sofmapオリジナル |
機種 | 牛丼大盛(改造) |
CPU | Pentium Dual-Core E2180 2GHz |
チップセット | Intel G33 Express |
メモリ | 4GB(オリジナルは1GB) |
ビデオカード | nVidia GeForce8600GTS(オリジナルはオンボードVGA) |
OSには Debian lennyを用いた。理由は以下による。
32ビットOSでは4GBのメモリを利用できない事になっている。Windows XPではもちろん使えないし、実はubuntu Hardy(8.04LTS)などでも認識できない。これに対応するにはカーネルにある種の仕掛けをして認識させるか、64ビット版を選択するしかない。しかし64ビットでは使えるアプリケーションに未だ制限がある。
Linuxは32ビットOSとして配布されている事が多いが、本来は20世紀から既に64ビットである。またその特徴を生かし、Debian GNU/Linux の配布カーネルにはbigmem版といって4GB以上のメモリに対応するように仕掛けたものが用意されている。またDebianはwoodyから私の主要OSであり、特に2008/05/23現在、わが家にWindowsは存在しない。Debian Systemのみで暮らしている。
また、Firefox3はDebian etchではgtk+の問題でうまく動かない。今まではgtk+をpangoごと追加コンパイルしていたが、どうせならOSネイティブで動かしたい。
よって自然な流れとしてDebian lennyを選んだ。
特に問題なく進んだ。ただしハードウェア上の制限から以下の問題が発生した。
デスクトップ指定でインストール後、nVidiaのメーカー製ドライバに切り替えたが、中古のカードのせいか追加電源の認識がおかしくエラーになった。これはよくある事らしく、nVidiaの説明にしたがって以下のオプションを設定した。
Section "Device" Identifier "Device0" Driver "nvidia" VendorName "NVIDIA Corporation" Option "NoPowerConnectorCheck" "true" EndSection
また、nVidiaドライバがキーボードをUS仕様として認識する問題が起きた。etchでは起きておらずlenny独自の問題と思われる。これはjp106定義に書き換えて乗り切った。
Section "InputDevice" # generated from default Identifier "Keyboard0" Driver "kbd" Option "XkbRules" "xorg" Option "XkbModel" "jp106" Option "XkbLayout" "jp" Option "XkbOptions" "lv3:ralt_switch" EndSection
他にDebian Lenny側の問題として、愛用するLogitecのUSBマウスのドライバ選択に問題があった。通常利用には問題がないが、中ボタンのかわりに使っている追加の小さなボタンが認識されなかったのだ。これには以下の定義をする事で乗り切った。
Section "InputDevice" # generated from default Identifier "Mouse0" Driver "mouse" Option "Protocol" "ImPS/2" Option "Device" "/dev/psaux" Option "Emulate3Buttons" "true" EndSection
ProtocolにImPS/2を指定し、3button Emulateを設定。これでうまく追加の小ボタンも使えるようになった。
アップデートをしたところgdmが不調となった。単体でgdmを起動したら問題ない。ログを見ると一部のスクリプトが動作不全のようだ。とりあえず様子見。
ハードウェア単体の問題として、ビデオカードをフル稼働させたらハードウェア側の問題でクラッシュしてしまった。これは中古のビデオカードの不調でOSとは関係ないようだ。ハードウェアに無理をかけないよう調整中。今のところSLビューワでしか発生しないので、一般の実用上はまるで問題ないと思う。
OS自体の速度は変わらないが、GNOMEが2.14から2.22になっている。暗号鍵の使用も洗練されているし、なによりネットワーク共有ファイルの取扱いが劇的に安定化した。fstabにしこしこ設定を書く必要はなくなったといえる。GNOME自体があまり重くなっていない事もあり、全体の印象としては、よりよく改善された感じに見える。
もちろんtestingならではの問題もある。gnome-artsパッケージはうまく動かないし、gdmの起動スクリプトも一度おかしくなった。細かい問題はいくつか発生した。やはり完全な素人にはstableの方がいいという事だろう。
だが、そのへんを割り引いて使えば問題ないと思われる。
個人的理由で追加したソフトウェア。
名称 | 内容 |
---|---|
Emacs22 | GNU Emacsである。本ホームページとセリオ専科のメンテ用。 |
EmacsMuse | Emacs用のパブリッシングツール。同上。 |
Secondlife Viewer | 仮想空間サービス『Secondlife』のビューワ。 |
Firefox3 beta | Mozilla Firefox。Debian上にあるのは2.*。 |
mplayer他 | DVD再生用その他。 |
libquicktime他 | Secondlifeでビデオ中継を見るため。 |
Wine | Windows用ゲームの一部をLinux上で再生するため。nPOP for Windowsを使うため。 |