カラスの自然史
系統から遊び行動まで
編著:樋口 広芳、黒沢 令子
¥3,150(税込) 285頁
A5判 2010年9月10日発売

 カラス属は南米と南極を除く世界の5大陸に生息しており,大いに繁栄している。日本に は主にハシブトガラスとハシボソガラスの2種のカラス類がすんでおり,さらに第3のカラスともいうべきミヤマガラスが季節ごとに訪れる。カラスは鳥類の中 でも知能に優れ,ヒトとの知恵比べをするほどの頭脳の持ち主である。このようにカラス類は身近な存在である割には,忌避の対象となりこそすれ,従来,生態 学や行動学の対象として詳細に研究されてこなかった。
 本書では,4部15章にわたって,18人の第一線の研究者たちが自然界における生活を理解するために,さまざまな角度からカラスに迫る。第T部では,カ ラス科の系統関係に関する研究である。第II部では,生息環境と環境利用に焦点を当てる。第V部ではこうしたカラスの食性や,その採食行動が生態系に与え る影響などを解き明かしていく。第W部では,カラスの社会性や文化,認知能力に関する興味深い知見を紹介する。


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