カッコウの托卵 進化論的だましのテクニック |
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著:ニック・デイヴィス 訳:中村 浩志、永山 淳子 | |
¥2,800(税別) 321頁 B5判 2016年4月25日発売 |
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カッコウは昔から托卵をする鳥として知られているが、その詳細については写真やハイテク機器を用いて個体の同定や追跡、巣内の観察が行われる最近まで不明 だった。観察方法の進歩につれ、どのように托卵し、それに対し宿主がどのように托卵を回避するか、共進化の様相が明らかになってきた。カッコウの托卵行動 と子育ての放棄・押しつけは、果たして“進化”で説明できるのだろうか。カッコウは托卵することで“親”という重荷を逃れ、普通の鳥より多くの卵を産む潜 在的可能性を持つ。それは宿主がだまされやすいうちは一時的に得をするかもしれない。しかし宿主が反撃すると、カッコウは結局だましのテクニックに複雑な 手順が必要となる。詐欺の常習犯が最後はつかまって償いをさせられるように宿主の防衛は托卵の進化的成功を制限する。しかし、それでもカッコウは托卵を成 功させ、現在も托卵を進化させている。著者は世界的なカッコウ研究者で、自らの研究を含めて過去・現在の驚くべき観察事例を豊富に紹介している。叙述は平 明であまり細部に立ち入りすぎることはなく、一般向けの良質な科学読み物になっている。 |
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