ecoism
2015年1月
新年の挨拶に代わって蕎麦の口上をひとくさり
毎年、大晦日に我が家で食べる蕎麦は極上である。二十数年来の付き合いのある蕎麦店主が決まって打ってくれる。去年は一度しか食べに行っていないのに「打っておくから取りに来て」とありがたい電話をもらった。
私はいわゆる蕎麦通ではない。だけど蕎麦大好き人間である。朝食は蕎麦という日が多く、拙宅に泊まった人にも蕎麦を出すと、「朝から蕎麦ですか?」と珍しがられる。
蕎麦打ちを趣味にしている人は多い。時々食べさせてもらう機会もある。確かに撃ち上がった麺は美味しいのだが、つゆにつけて食べると平凡な味になってしまう。どうやら皆さん、蕎麦打ちに熱中するあまり、つゆ作りがおざなりになっている気がしてならない。極端な言い方をすれば、麺はそこそこで、つゆさえしっかりしていれば、結構おいしくいただけるものだ。それとそば粉の産地にこだわり過ぎてやしまいか?
私は件の店主を長らく観察していて、蕎麦打ちはスピードが命なのではないかと確信するようになった。彼なら6分位で2人前だろうが、4人前だろうが打ち上げてしまう。ある時「そばの旨さはスピードが勝負なんだね」と云ったら、笑って答えてくれなかったけれども。
今年一年も蕎麦にあやかって細く息長くお付き合いのほどを。
エコ・ネットワーク 小川 巌
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