ecoism
2013年10月
クマが出たからといって即閉鎖でいいのか?
今年の春から夏にかけては、札幌市内のクマ情報がほとんど聞かれず、肩透かしを食ったような気持ちだった。ところが9月になると札幌市南区を中心に目撃情報が相次いで連日ニュースを賑わした。親離れしたばかりの若いクマらしい。
であれば世間を知らない若い個体ということになる。それなのに小学校では集団登下校、滝野すずらん公園では閉鎖するなど、人間の側の過剰反応ばかり。それを新聞、テレビは大々的に扱うものだから極悪非道の殺人犯以上のイメージをばらまくことになる。
住宅地にクマが出るのは異常と思われている。しかし今まで札幌市内に現れたクマが人間に危害を加えたことがあるのだろうか?いくら記録を辿ってもそんな例は見当たらないのだ。であれば、この辺りでクマとの付き合い方を考え直すべきではないか?
クマはもともと森林すむ動物である。クマにとって森林の生活が中心といっても、時にはその周辺に姿を現すことだってあるだろう。特に若いとその傾向が強い。ドジで間抜けなクマなのかもしれない。あるいはクマの世界で条件の良くない住宅地に隣接した森林に追いやられている可能性もある。我われも怖がるだけでなくk、クマの側の事情を忖度する余裕が欲しい。
それに国営滝野すずらん丘陵公園や芸術の森などは、閉鎖だけを考えるのではなくクマの生息域、移動ルート上にある施設なのだという前提に立った運営も検討すべきであろう。
エコ・ネットワーク 小川 巌
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