ecoism

2013年4月
バブルを連想させる長期滞在という幻

またぞろ「長期滞在」という言葉が躍り始めた。思えば四半世紀前、バブルに浮かれた「リゾート」なる新語があちこち語られた。スキー場、ゴルフ場それにホテルをセットにしたリゾート地がもてはやされ、その中で長期滞在がしきりに謳われた。仮に1週間を長期とすると、あるリゾートに泊まったら一体いくらになるか。家族4人で滞在したらン十万円になったはずだ。土地や株でしこたま儲けた連中にとっては訳のない金額であったかも知れない。

だが問題は金額だけではないのだ。1週間滞在しても楽しむためのメニューが乏しければ、数日を待たずに飽きがくるのは目に見えている。そんな道理も分からずに長期滞在を謳い文句にしてきたし、またぞろ言い出している。箱モノや施設をいくら作っても、それが長期滞在に結び付くと考えるのは全くの幻というものだ。

同じ場所に何日間も留めようとする発想がそもそも間違っていると断言できる。何日間も歩くのでも、1ヵ所に拠点を設けながら外に飛び出して戻ってくる。そんな行動パターンにこそ長期滞在のヒントがあるのではないか。それよりも長期とは言わず、中期とか連続滞在などと呼んだ方が相応しい、と私は思っている。

エコ・ネットワーク 小川 巌


エコ・ネットワークとは?エコイズム販売物行事案内環境体験HOME