ecoism
2011年2月
タンチョウは鳥インフルから守られるか
北海道に生息するタンチョウは、現在1200羽以上に増えた。1952年餌付けに成功した時点では33羽だったことを考えると奇跡である。その原因は何と言っても冬季間の餌付けにある。釧路湿原の周辺になる数ヵ所の給餌場は、今や冬の観光スポットと化している。望遠レンズの放列のみならず、大型貸切バスで内外の観光客が訪れる。
一方、タンチョウの過度の集中は、感染症などによって大きな影響を受けるリスクが高まる、とは以前から指摘されていた。その懸念が現実のものになりつつある。鳥インフルエンザの全国規模の頻発がそれである。鳥インフルはカモなどの水鳥が媒介するとされている。シベリア方面から冬鳥としてたくさんの水鳥が渡来する中にインフルに感染した鳥が混ざっている可能性は否定できない。幸いというかタンチョウは道内から移動しない鳥なので、道外か入ってくる水鳥との接触を断てばよい。タンチョウの給餌場でカモ類などが一緒にならないような涙ぐましい努力が人知れず払われているが、自然を人の力でコントロールするのは容易ではない。宮崎県のご苦労がいやが上にも伝わってくる。
エコ・ネットワーク代表 小川 巌
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