ecoism

2010年3月
30年前はマガモは街なかの水辺にはいなかった

今や街なかの水辺にマガモがいるのは当たり前の光景になっている。ところが、1980年頃まではそうではなかった。マガモはあくまで野ガモであって人里離れた池や川でないと見られない鳥だったと知って、意外に思う人の方が多いのではないか。
 マガモが突如、道庁の池に現れたと報じられたのは1984年の春で、この年が道内における「マガモ元年」と信じられている。ところが当時そのことに興味を持って調べた限りでは、1982年に北大植物園の池で繁殖に成功している事実を突き止めた。通説より2年も早く、目立たない池でひっそり子育てをしていたことになる。その子が翌年また翌々年に道庁へ進出したとも考えられる。
 1982年は、東京大手町の人工池でカルガモが初めて子育てに成功してカルガモフィーバーを現出した年でもある。1000kmを隔ててマガモとカルガモが都市内という新たな環境に同時に進出したのは偶然なのだろうか。
 この2種のカモに続く都市ガモが現れないものかと期待しているのだが、四半世紀を経て続かないのは寂しい気がする。指をくわえて待つのではなく、彼らの住みやすい環境作りも併せて進めなくてはならない。



芸術の森の池に住み着くマガモ

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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