ecoism

2009年7月
ヒグマに絶対安全を求めてはいけない!

例年、春から初夏にかけてクマの動きが活発になる。今年も札幌市内の市街地とその周辺で目撃されたとする報道が相次いだ。新聞記事を追ってみると手稲区では619日富岡、20日手稲本町、南区でも19日南の沢、23日藤野といった具合である。両区とも同一個体の可能性が高い。手稲区では出没地点に近い市営キャンプ場の利用を当面見合わせたという。南区では623日時点で目撃情報23件に達したという。
さてさて、これらの記事をどう読み解くべきか。そもそもある種の動物が目撃されたからといって、逐一ニュースになるというのはどういうことなのか。凶悪犯が脱獄したかのような扱いをいつまで続けるのだろうか、と思わずにいられない。札幌市内に限っても毎年同じことが繰り返されていながら、クマによる人身事故など1件も起きていない。クマが絶対安全とは言えない。でも、念のため、という記者の声が聞こえてきそうだが、世の中に絶対安全を求めたら、イヌだってウシだって危険な動物になってしまう。市街地にクマが出るのはあり得るとの前提の元に札幌らしい共存の在り方を考える時期に来ている。

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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