ecoism
2008年9月
エゾシカが石狩平野に進出したら…
エゾシカが急増して年間50億円を超える農林業被害を引き起こしている。とは言え、現地は道東というせいもあって札幌にいると実感しにくい。一方、札幌市内でシカが出没するケースが目立ってきた。補物帳もどきの騒動になってニュースになったりする。野幌森林公園や藻岩山にも定着しているらしい。じわじわ増加しているのは間違いないところだ。あと何年かすれば、ニュースに取りあげられることもなくなるだろう。そうなった時、道央エリアで近い将来、何が起きるか想像してみるのも無駄ではないだろう。
石狩平野は全国有数の稲作地帯である。そこにエゾシカが多数侵入したら…答えは言うまでもない。稲が食害に遭う可能性が出てくる。そうなると採草地の牧草が食べられるのとは桁違いの農業被害が発生することになる。それだけではない。住宅地の家庭菜園が被害に遭ったり、ソバが収穫直前に食べられたという身近な被害も伝わってくる。それなのに石狩平野の東側にエゾシカの防御線が張られたという情報は一切入ってこない。野生動物との折り合いをどうつけるのか、エゾシカを例に本気になって考えないといけないのに、その動きが鈍いのはどうした訳か。
厚岸町・少年自然の家に出没したエゾシカ。
エコ・ネットワーク代表 小川 巌
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