2008年1月
石弘之著の「地球環境報告」を読んだことありますか?

環境学者というよりは環境ジャーナリストとしてディープな発言を続けてきた石弘之さんをご存知だろうか。仕事柄、環境分野の仕事に携わっているとか、環境に関心があるという人に出会うと、私は「石弘之さんの本を読んだことがありますか?」とよく聞く。1冊でも読んだという人だったら本物、名前は知っているという人なら本物に近いとみなす。知らないと答えたらニセモノと疑う。私の勝手な環境人鑑定法だ。石さんの著作でもっとも読まれているのが「地球環境報告」(岩波新書、1988年)である。20年も前に書かれた本で、それから10年後にはパートUを刊行していてパートU同様に刷を重ねている。
 最近改めてこの2冊を始め、石さんの著書を再読してみてびっくりした。10年、20年以上経っているのに、その内容はちっとも古くないのだ。それどころか今日の状況をピタリと言い当てているテーマがいくつもあった。当時ほとんど話題に上ることのなかった少子化問題もきちんと取り上げている。環境問題という狭い枠に留まらず、四方八方に連鎖するものだと気づかされる。その辺りが並みのにわか環境論者と違うところだろう。
 
新年早々、従来のとはかなり異質な環境本を出版すると聞いている。10年、20年後には通用する内容がギッシリ詰まっているものと期待している。


エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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