2007年8月
バイオトイレが旭山動物園から消える日

6月以降、バイオトイレを製作している旭川市の正和電工の工場見学に3回行く機会に恵まれた。やはり実物を見るに限る、それと実際に使ってみることで本物がどうか納得できた。水洗に不可欠な水は一切使わない。それでいて匂わない不思議なトイレである。その秘密はオガクズにある。多孔質で無数のバクテリアが糞尿を分解するといういたってシンプルな原理で成り立っている。電気は使う構造になっているのだが、手動式もある。生ゴミを一緒に入れたって構わないのだから、万能コンポストと言った方が正確な気がする。
 こんないいとこずくめのトイレがどうして普及しないのかと思ったら、下水道法という法律に大きな問題があると教えてくれた。要するに水洗化区域ではそれ以外の方式はまかりならぬ、と規定されているというのだ。だから水洗の通っている市街地でバイオトイレを使うのは違法となる。
 おもしろいのは、全国にその名を知られた旭山動物園は水洗化区域でなかったため、バイオトイレが設置されていた。ところが、今年9月から水洗化区域になるという。そうなると、バイオトイレは撤去しなければならない。その方向で動いているそうだ。環境に配慮した動物園として知られた旭山動物園からバイオトイレがなくなったら、ごく普通の動物園に戻ってしまいやしないか。トイレの恨みは恐ろしいのだぞ。


                  
        バイオトイレ                                 バイオトイレの使い方

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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