2006年9月
スズメバチはならず者か

本当に暑い夏だった。こんな秋の到来が待ち遠しかった年があったろうか。思い出せない。9月には入ると年中行事のように各地で騒動が持ち上がる。ヒグマの出没とスズメバチに刺されたという事件がその代表である。ヒグマは別の機会に譲るとして、スズメバチを例に「危険動物」との付き合い方について少々触れてみたい。
 山や林を歩いている時、スズメバチが近づいただけで、同行のおじさん、おばさんはパニックに陥るケースをたくさん見てきた。まるでスズメバチが極悪非道な凶悪犯さながらである。ブッシュの言う「ならず者国家」並の扱いなのである。
 それなのに、スズメバチがどんな行動、習性をもった昆虫なのか知ろうとは決してしない。どんな場合でもまず相手をよく知ること、これが基本中の基本なのに、である。ただ「怖い」「悪い」奴としか見ない。誰が、いつこんなイメージを植え付けてしまったのか。これは大真面目に検証する必要があるテーマであると思っている。

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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