2005年8月
札幌コウモリ調査隊
最近、コウモリを巡る話題が各地から届く。発信地はコウモリの調査活動が盛んな根室、美幌、旭川、倶知安などがほとんどだが、道内でその輪が次第に広がっている。10年前に遡ると、コウモリなどほとんど見向きをされなかったことを考えると隔世の感がする。
ところが札幌ではコウモリに関する調査はほとんど行なわれておらず、どこにどんな種類が生息しているかといった基本情報が皆無であった。そんな状態を嘆いてばかりいては始まらない。まずはじめの一歩を踏み出そうと6月に札幌コウモリ調査隊を発足させた。北海道新聞に「隊員募集」の記事が出ただけで40名を越す会員がたちどころに集まった。半分は小学生かそれ以下の子供を含むファミリーである。ほとんどがコウモリを見たことがないという人たち。つまり全くの素人である。これまで札幌市内とその周辺地域の分布情報は何もないだけに、ひとつひとつの観察例が貴重なデータとして積み重なっていくことになる。6月以降、講習会と現地調査を3回実施した他、倶知安町での現地研修も7月30日に行なった。ここでは日没と同時に飛びたつ1,000頭近いヒナコウモリを間近にウォッチングできた。市民が楽しみながら生き物調査を各地でやるようになったら世の中もっと面白くなるのではないか。調査隊はそんな可能性を秘めているようだ。
エコ・ネットワーク代表 小川 巌
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