2.2.6 おうちの方の感想[目次へ]

 家庭に、アイヌ文化が持ち込まれたとき、おうちの方々は、どのように感じたのだろうか。今回の授業の意図を学級通信にまとめ、アンケートを求めた。回答してくれたのは、3名だった。

 ”お母さん、これ何かわかる?楽器なんだよ、僕、音、出せたんだよ!” そう言って学校から帰ってくるなり、カバンからムックリを見せてくれました。さながら 先生のように 私に音の出し方を教えてくれました。

 私はアイヌ文化が近くにありながら、資料館を訪ねたことがあっても、詳しくは知りませんでした。逆に子どもから、チカルカルペの話を聞き入ってしまったほどです。あるきっかけで、いろいろなことを知る・・・。親も、子も大事なことだと思う。

 

 私は内地からこちらにきて13年になりますが、今迄 とくにアイヌの人々や文化について興味を持ったことはありませんでした。ただ、アイヌの人々の言葉は、自然の中から生まれたというか、自然を大事にしているものだと思っていました。

 先生のお話をうかがい、ウタリ協会に、一度訪ねてみたい気持ちになりました。子どもは、ムックリが使えることが、うれしいのか、兄弟に、一生懸命教えていました。

  

 様似に生まれ、様似に育った私たち親は、アイヌという言葉は、差別用語でした。春に食するネギも「アイヌネギ」と言わず「シトビロ」とか「キトビロ」などと言われます。最近少しずつ「アイヌネギ」とテレビで流れるので、言われるようになったかもしれません。それは、3代前の血や4代前の血が混じっていてもいやがられるのです。とくに結婚などは、反対される理由の一つです。でも私はアイヌ文化はすばらしいと思っています。平取の議員さんの話をテレビで見ました。何のためのダム造りだ、エゾ地に住むアイヌの人々をシャモの君達が後からきておいたて、ここまで来た。そして、これからの若いアイヌに文化を引き継ごうと言うときに儀式をする場まで取り上げるのか、と。

 とにかくここ最近本当のアイヌが少なくなった分アイヌのことが話されるようになったのです。触れられていないのではなく、触れられなかったことなのです。

 だから、今の子供達にも土地の名前、山や川の名をアイヌ名で付いていることや、それの説明も伝説として話すことで、「何で」と思うことで、いろいろ気づいてくれるといいと思います。

 でも、北海道の名所はみなアイヌ名ですよね。

 文化的にすばらしいことがあっても、アイヌの人々の自然に対する考えもしっかりしています、でも特別な人たちなのです。(後略)

 たった3通だけでしたが、地域の人々の生の声として、大変うれしく思いました。


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