「ねえ、ママ。赤ちゃんはどこから来るの?」
「そうねえ、神様のところかしらね。神様がママのお腹に××ちゃんを入れてくれたのよ。ママのお腹にいたこと、覚えてる?」
「うん、覚えてるよ!」
「そう、おりこうさんね」
まだ具体的な事を教える必要はないでしょう。「コウノトリ」や「キャベツ畑」など、先人の知恵を大いに利用しましょう。子供は3歳頃まで胎児の頃の記憶があると言いますから、彼女のこの返事を軽く受け取ってはいけません。本当に覚えているのかも知れないからです。
「ねえ、ママ。赤ちゃんはどこから来るの?」
母、来たな、とニンマリ微笑む
「ふふふ。○○くんは、好きな女の子いる?」
「うん、××ちゃんと△△ちゃんと□□ちゃんと・・・」
母、パパに似たんだわ、と少しムッとする
「そう、○○くんも大きくなったら、好きな女の子と結婚するのよね?」
「パパとママみたいに?」
「そうよ。そうするとね、赤ちゃんが来るのよ。」
「ふーん。でもね、××ちゃん、チューすると赤ちゃんができちゃうから、ってぼくにチューさせてくれないんだよ」
母、一瞬顔をしかめるが、すぐに立ち直り、
「あ、あらそうなの。でも○○くんも××ちゃんも子供だからまだ赤ちゃんは来ないんじゃないかなあ」
「そうだよね!ぼくもだいじょうぶだからって言ってんのにさあ。ケチだよね、××ちゃん」
「・・・・・・そうね、さ、ごはんにしましょ」
幼稚園や保育園など親の知らないところで色々な情報を耳にしています。彼はすでに、赤ちゃんは「来る」ものではなくて「できちゃう」ものであるということを知っているのです。しかしまだ本当の事を教えるのは早すぎます。ここできちんと教えておこうと思う親御さんも多いでしょうが、この年代の子供は知っていることを全部、身近な人に吹聴してまわるという特徴がありますから、他の父兄や親類縁者の前で気まずい思いをする危険性を考慮して、ま、適当に受け流すのがベストでしょう。しかし、やることや言うことが大人の男性と根本的に変わらないところが興味深いですね。