Heteroscodra maculata
トーゴ スターバースト バブーン
WC.AD.female
 西アフリカ及び中央アフリカに生息するタランチュラで、アフリカに生息するバブーンの中では屈指の美しい模様を持つ事で知られております。インド等に生息しております、樹上性の大型美種が揃うPoecilotheria属に似ていることから、嘗てオーナメンタルバブーンとも呼ばれておりました。

 体長6−7cm、レッグスパンで14cm前後の、中型種でございます。が、CBからきちんと育てた大型個体は、腹部も大きく、迫力があります。

 かつては、かなり高価な種でございましたが、どっかのディーラーが、大量且つ安価に本種を出してしまって以来、一気に値崩れを起こし、今では数千円で購入可能な、どちらかと言うと安価な部類という事で最近は落ち着いておりますな。入荷量は、WC及びCBどちらも、比較的コンスタントに見られる種であるように思いますね。

 非常に動きの素早い種として知られておりまして、エサとなるコオロギやローチ与えると、眼にも止まらぬニュートリノばりの速度で巣から飛び出してきて、上顎と牙で咥え込みます。でもまぁ、あれですよ、お腹一杯なら出てきませんからね。じっとしてます。

 樹の穴や、地中に巣を作るという、典型的な半樹上性タイプと言えるかと思います。したがって、飼育の際には、個体の好きな場所に巣を作れるよう、広めのケージで工夫したレイアウトを施しますと、飼育していても面白いかもしれません。ただし、一度巣に落ち着くと、滅多に表に出なくなるので、いっこも面白くない状態になるかもしれませんけどねぇ。

 乾燥に非常に強いクモですけど、季節や飼育環境にもよりますが、週1〜2回ケージ全体にスプレーすると、ほど良い感じの湿度で飼育できるかと思います。飼育温度は、28度前後と、やや高い温度が良いようでございます。

 非常に気の荒い種で、尚且つ電光石火の速度を持ち、毒性も比較的高いと言われているため、取り扱いには十分注意したほうが良いかと思います。オスに噛まれても、結構ひどい目に会うらしいですよ。オスに指先をちょいと噛まれて、数日寝込んだと言う話を聞きました。しかもメスのほうが毒が強いと言う都市伝説もありますので、くれぐれもご注意下さい。つまり、はじめてタランチュラを飼う人には、ひとっつも向かないので、いくらこやつが格好良くても他の種にしてくださいよっというわけですな。

 日本での繁殖例も知られておりまして、卵のうを咥えて守るのではなく、巣にくくりつけて固定して、近くに居座るみたいな感じらしいですな。