安藤先生の「チェルノブイリのこどもたち」を聞いて
2000.4.15 於・道新ホール
リポーター・ 黄味
14年前のチェルノブイリ原子力発電所の事故の事は”大事故だった”という程度の認識で、
ほとんど知識がありませんので、今回の安藤先生のスライドを使っての講演はとても分かりや
すかったです。
1993年と1998年に安藤先生が訪問されたベラルーシ共和国は、乳幼児死亡率やガンなどが
増え続け、平均寿命が大きく下がっているお話は、改めて放射能汚染の怖ろしさを感じました。
特に子ども達の様子は興味深くお聞きしました。
人が住むには危険なほど汚染された地域で育つ子たちは、放射能が蓄積されてる森には入れ
ないとか、なるべく戸外には出ないとか、あるいは経済的には日本の30年以上前の状況にある
ため医療だけでなく食料すら十分ではないとか・・
多くの国が被爆児童の保養里親運動を行っている意味も納得できました。
ほんの1〜2ヶ月のホームスティでも、成長期の子どもは別人のように逞しくなり、その後何ヶ月も
免疫力がアップするとお聞きして驚きました。
・・でも、子どもは自分の国に帰らなければなりません。
里親の方々が子どもをお返しするときは切ない気持ちになるでしょう。食料もあれもこれも持たせ
たいという気持ちが痛いほど分かります。
原子力発電の是非は簡単に言えますが、理論はやはり現実から出発して考えるべきでしょう。
東海村の事故でも分かるように、取り返しのつかないことはあるのです。
原子力の商業利用(日本は平和利用と言っている)は、まだまだ無理な事なのだと思いました。