2005年8月10日
毎日新聞社取締役
ラリー・ジャパン2005実行委員長
大西康文 様
十勝自然保護協会会長 安藤御史
「週刊新潮」誌上での発言について
「週刊新潮」8月11 ・18日夏季特大号の「テンポ」コーナーに,「『毎日新聞』不買運動を起した
『NGO』」という記事が掲載されました.
この中で,あなたは「(自然保護団体からの報告書提出の要請に)返事くらいしたら?」との記者
の質問に対し,「00年から01年にかけて,十勝自然保護協会に環境調査報告書の提供を申し出たの
に,受け取りを拒否された」と答えました.
この発言は事実に反します.事実は以下の通りです.毎日新聞社北海道支社後藤純一企画室長(当
時)は,当会の要請を受けて,2001年7月17日に音更町でラリーの説明会を行ないました.その際
「INTERNATIONAL RALLY in HOKKAIDO 開催実施計画に係る自然環境の保全措置等の検討報告書
(抜粋版)」を配布し,当会はこれを受け取りました.この報告書の表紙には2001年7月と記さ
れ,現地調査が2001年6月まで行われていたことが記述されています.
つまり,あなたは調査中でまだできあがってもいない環境調査報告書の提供を当会に申し入れ,当
会が受け取りを拒否したと「週刊新潮」で語っているのです.
この発言は,当会が首尾一貫しない要求をしているかのように読者に印象付けることになります.
したがって,当会はあなたに発言の訂正と謝罪を求めます.
なお,あなたは環境調査報告書をめぐる自然保護団体と毎日新聞社のラリー責任者とのやりとりを
十分ご存知ないようですので,明らかにしておきます.
当会は2004年にシマフクロウの営巣地の近くでラリーが開催されることを知りました.2001年
の環境調査報告書ではこの新得コースの調査は行われていません.そこで2004年8月10日に毎日新
聞社ラリー事業部へ書面で新得コースの環境調査報告書の提出を求めましたが,回答はありませんで
した.当会の佐藤事務局長が電話で報告書の提出を催促したところ「係争中であるから,提出できな
い」として拒否しました.
また,ナキウサギふぁんくらぶは,陸別町のコースがナキウサギの生息地に近接していることか
ら,04年8月10日付け書面で世界ラリー選手権実行委員長の中島健一郎氏に予定コースの正確図面
と環境調査報告書の提出を求めましたが,毎日新聞社はこれも無視しました.
先の裁判が終了した後の2005年2月19日に,当会・ナキウサギふぁんくらぶ・北海道自然保護連合・北海道自然保護協会の4団体で,ラリージャパン2004実行委員長の中島健一郎氏に文書で新得
コースの環境調査報告書等の資料提供と説明会の開催を要請しました.しかし4月に入ってもなんら
回答がないため佐藤事務局長が電話で催促したところ,対応した後藤純一氏(ラリージャパン2004
組織委員長)は「要望書は見ていない」と返答しました.そこで「ファックスで送信する」と言う
と,「探すから送らなくていい.対応については弁護士と相談する」とのことでした.
4月19日に4団体で4月28日を回答期限とした再要請の文書を配達記録便で送付しましたが,これ
も無視しました.このために,4団体は5月18日付けて2005ラリー・ジャパン実行委員会委員長の
あなたに抗議声明を送付しましたが,これに対しても,なんら応答がありません.