2005年9月15日

三菱自動車工業株式会社 

取締役社長 益子 修 様

                              十勝自然保護協会
                                会長 安藤御史

「ラリージャパン2005(WRC)」への参戦に対する抗議文

 貴社は、2004年9月に十勝地方で開催された世界ラリー選手権「ラリージャパン
2004」において、社をあげて参戦しましたが、私たちが予想したとおり、コース逸脱に
よる草木の損傷、高速走行による林道の地盤構造の破壊、野鳥との衝突事故などの多くの
問題を引き起こしました(写真)。特に野鳥(アオジ)との衝突事故の写真は様々な雑
誌・テレビ等で紹介され、森林内を高速走行する林道ラリーにおいては、森林の生物への殺傷が不可避であることが証明されました。


 貴社は昨年の私たちの昨年2月9日付けの当協会の抗議文に対して、「主催者が環境に配
慮している」旨を述べられましたが、ラリーがコンマ何秒を争う競技である限り、様々な生
物が生きる森林内での「環境に配慮したラリー」はあり得ません。特に自動車メーカーには
自動車をめぐる環境問題の解決には重大な社会的責任があります。主催者による根拠のない
「環境に配慮したラリー」をうのみにしたラリーへの参戦は、環境保全への取り組みを放棄
した無責任な姿勢といわざるをえません。

  今年9月30~10月2日に北海道・十勝地方で開催される「ラリージャパン2005
(WRC)」に貴社が再び社をあげて参戦することについて、私たちは再度ここに抗議すると

もに、この抗議文に対しての回答を、9月末日までに求めるものです。