十勝ナチュラル・ラボ

3種まんきつザリガニツアー
−ニホン・ウチダ・アメリカ すべて十勝に!−


日付:2006.6.24(土)
天気:晴のち雨のち晴

救出!ニホンザリガニ
 川の縁にある巣を崩し、流れてくるザリガニを網ですくい上げました。捕まえたザリガニの大きさは、最大約8cmで、卵を抱いたメスを含め合計10匹程でした。
 実はこの場所、畑の排水を良くするための工事(明渠排水工事)でザリガニがすめなくなりそうなんです!そこで、救出(引越し)することになりました。ココに住んでいた約500匹のザリガニたちは、色々な人のところで保護されています。
 昔は、沢山のニホンザリガニがいたそうです。それが、人間活動などのために、今では数が減っているそうです。
捕獲!ウチダザリガニ
 右の写真は、ウチダザリガニです。公園内の遊水池の一角の水の湧き出し口付近で,網で捕まえました。ニホンザリガニに比べて動きがすばやく、捕まえるのが大変でした。
 一般的に体長は約13cmで、体色は濃い茶〜青っぽい灰色、ハサミの付け根部分が白いので英名はシグナルクレイフィッシュと呼ばれます。
美味!高級食材
 ウチダザリガニは、フランス料理店で使われるほどの高級食材といわれます。北海道では、阿寒湖や摩周湖周辺でも食べられているそうです。
 そこで、私たちも食べてみました!塩茹でした身は、程よい歯ごたえ。カニ味噌にも劣らぬ味噌のうまみと苦味・・・。止まらなくなり、1人10匹以上食べました。
誕生!稚ザリ(ニホンザリガニの赤ちゃん)
 1枚目の写真の場所で、救出されたニホンザリガニが、大事に飼育されたおかげで赤ちゃんを産みました!この時の体長はおよそ1cm。水の中の落ち葉を食べながら、脱皮を繰り返して、大きくなるそうです。 
 ※稚ザリはどこにいるでしょうか?・・・答えは写真中央あたりです。

豆知識

アメリカザリガ  日本全国に蔓延!アメリカのミシシッピー川河口域周辺が原産の外来種。北海道は寒冷で棲めないが、温泉水の入った河川で棲息中。
ウチダザリガニ  はさみのつけ根部分に青白い斑紋がある。アメリカのオレゴン州原産の外来種。生態系に被害を与える「特定外来生物」に指定されました!
(タンカイザリガニとは、今では見分けがつかない。)
ニホンザリガニ  唯一の日本在来のザリガニ!(北海道、東北地方北部のみに分布。)近年、数は激減。(RDBで絶滅危惧?類に指定。)宅地開発や、河川改修、森林伐採、農薬の使用、ウチダザリガニの持つザリガニペストなどが原因とされる。広葉樹の森の中の、湧き水や沢などの冷たくきれいな水のあるところに棲む。

感想

 今回、残念ながらアメリカザリガニは、発見できませんでした。残りの2種に出会って特に印象深かったのが、ウチダザリガニの身のこなしの素早さです。網でも捕まえられなかったウチダザリガニに比べ、ニホンザリガニは、手でも捕まえられ、又、卵の数も少ないそう。生息地がせばめられるのも無理はありません。そして、それ以上彼らを追いつめるのは人間活動です。
 私たちにできることは何でしょうか?飼育できなくなったペットを「かわいそう。」と野外に放すと、在来の生物の生息を脅かす。そんなことも忘れずに☆
 そして、本来の自然環境を大切にしていきましょう。
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