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’90【電直】論>書きながら提案 前編 1990/12/30
【電直】論の90年版を書きながら、もうあと1日で91年を迎えてしまうと いう、なんとなく「締切思考」が働きそうになってしまっているOMPです。 実は、【電直】論をまとめながら、ここ数日なんとなく頭の中にもやもやした ものを感じてまして、それがいったい何なのか、ちょっと考えこんでました。 そうそう、これって、最近の僕のパソコン通信に対する関わり方への自問でも あったのですよ。 「ぼくのやりたかったネットワーキングって、こんなものだったのかなぁ」っ て。 で、GV3−6での「GVの雑誌化現象」の話も手伝って、いまひとつ吹っ切 れないものを僕自身の中に感じてたのです。 それと「国際化」ということ。 これは、とりもなおさず「ボーダーレス社会」に向かって、僕たちはどのよう な生き方をしていけばよいのかという問題でもあると思うんです。 やっと冬らしくなって、冷たい風が吹き抜ける堆肥場の除雪をしながら、ずっ と考えてました。 積もった時は、とってもネバネバと湿けっていた雪も、氷点下の風にさらされ てすっかりサラサラとなっています。 まるで粉です。 そこで、ハッとしたんですね。 人間関係も寒風にさらされると、こうしてサラサラとした、まるで一つ一つの 雪の粒が勝手気ままに、他人の存在などいっさいおかまいなしに我が道を進む ようになってしまうんじゃないかって。 じゃ、何が必要だろうって。 ご存じのように、GVで優れもののPDSが紹介されると、あっという間にダ ウンロードの嵐が吹きまくります。 ※PDS (Public Domain Software), 現在は著作権を放棄しない意味で、OLS (Online Software) という用語も用いられています. 「ええっ? GVにはこんなに人がいたっけ?」 でも、あのカウントは間違いなく、PDS利用人口そのものなんですね。 こんなことで、通信をやっている人の意識をすべて評価することは危険なのだ ろうけど、「ちょっとおかしいんじゃない?」と言いたくなってしまうんです。 パソコン通信は、人と人とをつなぐもの、その結果として地理的な隔壁や意識 の障壁がやがてなくなっていく、つまり「ボーダーレス」への着実なルーチン だと・・・ でも・・・、今のままではどうやらニューメディアの旗手も結局は熱心な書き 手の消耗戦に終わってしまうんじゃないのかと。 国民性なんていうと、ますます評論家になってしまいそうなので、口が重くなっ てしまうのですが、「責任とリスク」というものに極力関わりたくないという、 いってみれば「囲いこまれた安全」という人間があまりにも多いのではないかっ て。 農業をやりながら、結構目にする「売れる品物さへできればいいさ」的な意識 をもつ同業者の姿、やはり悲しくなってしまう。。。 消費する側だって、同じだと思うのですよね。 なぜ、自分達の生存、そしてどんどんと出生率が低下している「次世代」の担 い手たちの生存について、真剣に対処していこうとしないのかって。 カロリーベースでの自給率が、今年はまた1%下がって、49%となりました よね。 でも、「だから、どうしたっていうんだ」と思ってしまう人、かなりいるんじゃ ないだろうか。 「いま」という時点と場所から、どれだけ範囲を広げてものを見、そして対処 していこうとする「生活者」たる自分がいるだろうかって。 悲観的な見方をすれば、今の日本ではお互いが何等化の責任とリスクを持ちな がらのネットワーキングというものは、成立しえないのではないかと、ふとそ んな事を考えてしまったのです。 つまり、あくまで責任とリスクを負わないで、自分だけ楽しめればそれでいい という、利己的、かつディスプレイの外で孤立したがるパソコン通信です。 【電直】論をまとめながら、どうしても「先行きに不安いっぱいの孤立した農 民」と「飽食の時代なのだから、それでいいじゃない的消費者」像を払拭する ことができませんでした。(まだ、完結させてないけど・・・) パソコン通信は、もはや「旧メディア」なのかもしれない、なんてね。 でも、そんな挫折感を味わうためにわざわざパソコン通信をやっている訳じゃ ないのだし、それならリフレッシュして、自分自身にとっての「ニューメディ ア」にしようじゃない、と思ったのです。 一つ、これは大前提なのだけど、「与えられた書き込みの場」なんて思わない で、ボトムアップ的に、小さな責任とリスク意識をお互いが持ち会って、「自 分たちのネットワークを作るんだ」という場に変えること。 「会社人間」がただちに「会社人間」をやめてしまうことはできない相談かも しれないけど、会社以外の場で(例えば、GVで)リクリエートできれば、少 しは社会も明るい展望が開けてくるかもしれない。。 で、僕がいいたいのは、単なる「意識とか雰囲気」にとどまるのではなく、目 に見える形のネットワーキングをやってみようよ、ということなのです。 今の時間と空間を限定された会社中心社会にあっては、それぞれがお互いの領 域の中をわき目もふらずに走り回るという、まさに「ケージの中の鶏」みたい な行動しかする余裕がないんじゃないかと思うのですよ。 だから、与えられた空間の中をいかに豪華に演出するかに腐心し、その豪華さ のために費やされている犠牲や危険など、まったくうわの空でいられるんじゃ ないのかって。 こんな国って、他にありますか? 今年一年を振り返っても、よく登場したのが「バブル経済」でしたよね。 「衣食住」、衣は世界のモードが瞬時に取り込まれてしまうご時勢ですし、食 は「自給率30%を割った飽食の時代」です。 あと残っているのが「住」だから、金融のマネーゲームで膨らんだ「泡」が土 地をどんどんと侵食していった・・・、それがオイル依存の国情を直撃した中 東湾岸危機によって「泡」が吹っとんでしまった。。。 日本人の性質として、こうした危機意識には敏感に反応して、すぐに身近な防 御に走るっていうのがあると思うのですよ。 こうした切迫した場面にはすぐに口をとがらかすのに、長いレンジでの思考力 に欠けている、または自分への直接的な影響が去れば、あとは知らん顔になっ てしまう傾向、ないかなぁ。 だから「社会資本」という考え方が、いつまでたっても根付かない・・・ 「目に見えるものには弱い」、それがPDSダウンオンリーユーザーの姿じゃ ないだろうか。 そこで、【電直】のいいだしっぺからの提案なのだけど、来年は「目に見えな いものへの挑戦」をしよう、ということなのです。 これって、今の平均的(というよりも、何でもすぐに平均的になりたがる日本 人って言った方がいいかな?)な日本人、国際社会に順応しそこないそうな日 本人への挑戦といってもいいかもしんない。(おっと、大風呂敷!) で、これは僕が最近、どうしても吹っ切れない「旧メディア感覚のネットワー キング」からの脱皮の意味もあるのです。 「目に見える形(つまり、人間ネットワーキング)で、目に見えないものに挑 戦しよう」というものです。 具体的には、【電直】を機軸としたナショナルセンター的な場をここに作ろう ということ。 アイテムは、「Live Space Sharing」です。 この「LS2構想」を実現するために、机上の空論から一歩踏み出して、「よ り豊かな生存空間を実現させるための実験」をやりませんか。 (パソコン通信でよく見かける「舌戦の泥試合」も、虚実の見境がつかない文 字空間がその温床にあることは明白です) まず、来月熊本県の八代市で開かれる「第3回全国農業情報パソコン通信大会」 において、生産者へのGV【電直】への参加を呼掛けます。 (1月26〜27日開催、僕も、パネラーの一人として参加する予定) そこで取り組む実験は、ネットワーカーを情報発信源として、その回りの非ネッ トワーカー農民を「LS2構想」に呼び込む訳です。 また、【電直】における農産物の受け手の側も、生産者グループ支援のための サポート体勢を用意するわけです。 いまの生産、消費をめぐる問題では、双方があまりにも孤立し、自分勝手にそ れぞれの言い分をボソボソと述べあうという一面がありますよね。 生産の現場が明るくならない限り、いつまでたっても「おいしいもの」は手に 入らない、これが「LS2構想」のキーポイントです。 そこで、おいしいもの、安全性のより高いものの提供を受けるために、生産者 ネットワーカーを一方の核に、また、元気の出る農民を支援する応援団ネット ワーカーをもう一方として、【電直】ネットワーキング網を作ろうというもの です。 最初は、モデル的に提携グループ、それから支援グループを双方で構築し、有 形、無形の電子的交流を計画します。 (オンラインマガジンの発刊なんていうのも、面白そう!) 市民農園(クラインガルテン)的な発想で、土地を持たない都市生活者の遠隔 地菜園をオンライン契約(なんていうと固いなぁー)でやろうというわけ。 大切なことは、たえず「特定の個人」を意識するような生産の現場、消費の現 場を生み出すこと、これです。 これがないと、「責任とリスク」がどうしてもうやむやになってしまいがちで、 「生産−消費−再生産」という「LS2」の循環ができあがらない! お互いが楽しくやれて、それでいてあまり負担にならない程度の適度の責任と 緊張を持ちあう、これが今回提案する「LS2構想」なのです。目次へ ホームページへ
’90【電直】論>書きながら提案 後編 1990/12/30
「Live Space Sharing」構想、この実現のためにはどうし ても「村おこし応援団」的な支援体勢と、「よーし、頑張るべぇー!」的な生 産者の集団が必要です。 できれば、双方が新しい流通の流れを作るくらいの意気込みを持てるようにな れば最高だし、「ミニコミ誌」なんかを中心にして時間と空間を共有できるよ うな仲間を一人でも多くつくりたいですね。 ソンチョが以前、「電子決済論>ちょっと違うんじゃないかなぁ」を書かれた ことがありました。 このボードと、たぶんラップトップ研究にアップされたと思いましたが(違い ましたっけ?)、このボードではすでに削除MSGとなってしまっています。 旧ログをお持ちの方は、#681 のMSGです。 (ソンチョ、よろしければ復刻をお許しいただけませんか) その中で述べられていることは、まさに立場の違いを越えて、いかに信頼を築 くことができるか、ということなのです。 お金の問題ではあるのだけど、お金の問題じゃぁない、それを超越した硬い絆、 人間関係を作れないか、ということなのです。 【電直】も、いまの生産現場からの発想では、「新しい産地直送方式」といっ た、生産に直接携わる人たちにとってはあまり代わりばえのしない、ただ流通 のチャンネルでの目新しさくらいにしかインパクトが出ないような気がします。 もちろん、それはそれでいい訳ですが、少なくとも僕たちがやろうとしている 「Live Space Sharing」という目標には、かなりの隔たり があるんじゃないかと思うのです。 食べる人のことなどあまり意識しないで、とにかく金の儲る生産にばかり固執 する生産者や、自分達の健康、次世代の暮しなどはお構いなしに安全性に問題 のある輸入食品、加工食品を豊かさのシンボルと思い込んでいる消費者はおい ておいて、同時代に生きる、循環の中で暮らしているという意識を持てる人た ちがとにかく結集しよう、これが「LS2構想」です。 そして、僕たちの「電子的産地直送【電直】」です。 いま考えているのは、賛同する仲間が「小さな責任とリスク」をまず持つとい うことからのスタートです。 例えば、「LS2構想」に共鳴した仲間たちが、お互いのU口座から「LS2 基金」を少しづつ拠出するのです。 そして、「頑張ってネ!生産者基金」をネットワーカーを核とした生産グルー プに送り、それを自由に活用してもらう訳。 もちろん、この「LS2基金」の拠出者には、生産側も参加するのは当り前。 (見返りを最初から求めるような、「せこい意識」はなしネ!) そして、基金を拠出した仲間たちの事を考えて、そのグループで何等化の行動 を考えもらいましょう。 有形、無形は問わない。 そんなアクション、リアクションを1年間やってみるわけです。 ひょっとすると、旧メディアを利用した呼掛けがあったり、あるいはグループ で手掛けた有機的栽培の野菜を使ったオフイランが開かれたり、直送便にして オンライン「収穫感謝祭」をやるなんてこともできるかもしれません。 そうした過程で、「目に見えない何か」をお互いが感じあうことができれば、 この作戦は成功です。 そして、パソコン通信がひょっとすると、PDSダウンロードオンリーの暗ー いユーザーの集まりという自縛からいくらかでも解放され、「これこそ人間ネッ トワーキングだ!」という手ごたえ、口当りを噛みしめることができるんじゃ ないだろうか、なんてね。 傍観するネットワーキングから、自ら小さな責任とリスクを負い、なおかつ大 きな社会資本を手に入れるための参加型ネットワーキング(言葉がへんだけど) へ! 来年の【電直】は、「Live Space Sharing」です。 ご意見、よろしく。。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
SIG「グローバル・ビレッジ」で、1988年より進めてまいりました「地 方と都市、生産と消費の双方向情報交流実験」−電子的産地直送【電直】です が、3年目を迎えるにあたり、今までの【電直】ネットワーキングを土台とし て新しい実験をスタートさせます。 テーマは、 「Live Space Sharing」 (生きる空間を分かちあおうよ) です。 電子的産地直送【電直】は、「誰もが生産者、誰もが消費者」を合言葉に、参 加する誰もが持ち寄れるものを持ち寄って、提供できるものを出し合って、地 方と都市、生産と消費の間に「同じ時間と空間を共有しているんだ」という信 頼と絆を結ぶための双方向情報流通実験です。 【電直】に集まった仲間たちは、いままでに「U口座(郵便振替口座)」を一 人一人が持ちあい(誰でも無料で開設できますし、そのためのマニュアルも仲 間たちの手によってできています)、ボード参加の生産者の人が作った作物や 加工品などをその口座を利用して流通、決済しています。 ある時は「生産者」、ある時は「消費者」、自分のハンドルネームを口座名に したり、U口座は【電直】の面白さを倍加させる必須アイテムです。 もちろん、単なる産地直送ではありません。 市場を経由した流通では、絶対に知ることのできない「生の生産者と作物たち の情報」がボードメッセージによって伝えられます。 ある作物が芽を出した時から、収穫されるまでの過程、そしてその間の生産者 の仕事など、このような情報は「双方向通信」ならではのものですし、「初め て知った!」「えーっ、そうだったの?」ということも登場します。 また、農産物の安全性についての問題提起、今話題の「有機栽培」とか「無農 薬栽培」の実態とは、なんていう話も生産、消費、双方の側からの情報提供に 基づき理解が深められています。 通常の流通では知り得なかった「鮮度の意味」「手作りの届けもの」、【電直】 を一度体験されれば、きっと今まで味わったことのなかった「おいしさの感動」 を味わえることでしょう。 【電直】の楽しさは、実は「しなものが届いてから」でもあります。 「こんな料理にしたよ」とか、「こんな調理法、知ってた?」、「こうすると、 うまく保存できるよ」なんていう、まさにつくり手の生の声を交換しあうので す。 【電直】では、作家「丸元淑生」氏の著書を中心に、健康、家庭料理などの話 題を交換しています。 それらの本は、愛称「丸元本」として共通の関心事ともなっています。 このように、【電直】とは参加する人たちが相互理解を深めながら、よりおい しく、より楽しく、より健康的に生きていこうというネットワーキングといえ ます。 さて、こうした取り組みをベースに3年間の試行を続けてきた【電直】ですが、 今年から新たな試みとして、もっと幅の広い、そしてオンラインネットの枠を 越えた人間ネットワーキングを行おうと計画しています。 特定の団体、組織という一方の側の利益代表をするような集まりではない、生 産と消費の双方がそれぞれの枠にとらわれない、同じ生存空間に住む仲間とし てのネットワークです。 食料生産を行う人は、食べてもらう人のことを頭に置いて、また、消費を行う 人は、それを作ってくれた生産者のことを思い浮かべて食事ができるような関 係、これが【電直】の提案です。 コンビニエンスストア、24時間営業、生活スタイルの多様化に呼応して、さ まざまなサービスの形が生まれていますが、便利さと引き換えに僕たちの暮し から「相手を意識する機会」がどんどんと失われようとしています。 化学肥料に偏った(栄養バランスに欠陥のある)作物や必要以上に使用されて しまう農薬など、生産の現場に見られる「見た目の品質、産地銘柄の売り込み」 を強いられる農業のあり方には悲しい現実があります。 食材を提供する側が食べてもらう人の顔を一人一人思い浮かべながら生産を行 えば、きっと誰もが安心し、そしておいしさいっぱいの農作物がつくりだされ ことでしょう。 そして、そのためには「食べる側」がそうした努力を行おうとする生産者たち に目に見える形の声援を送ることがなによりの励ましとなるはずです。 いま、生産者は「市場流通」という大きなふるいの中の小さな編目をくぐり抜 けるための「産地間競争」という生き残り合戦を戦わざるをえない状況にあり ます。 市場でつけられる値段、つまり「市場評価」をいかに高くしてもらうかが最大 の関心事になってしまっているわけです。 その評価を受けるために、季節はずれの野菜たちや虫食いが見られない(農薬 漬けの野菜たちが生産されていきます。 多分、「食べる側」がもっともっと「食べ物」に関心をもって、「ほんとうに おいしいものを作って下さい」と声をかけてくれるようになれば、流れは変わっ てくると思うのですよ。 いまの食べ物を巡る状況に大きく欠落しているのは、「市(いち)」の機能な のじゃないでしょうか。 卸売市場じゃなくて、「朝市」や東南アジアの青空市のような出会いの場です。 消費地と生産地が生活圏を異にしてしまっている現代では、常設の「市」を開 く場所もなければ、世間話をしながら土付きのままの素材を買い求めるという 暮しのペースもあまり見かけられなくなっています。 素材はすでにカットされていたり、漂白されていたり、ワックスをかけられて いたり、そしてただ無言の「パック入り」です。 こうした流通のあり方、販売のされ方が「24時間都市」にとっては都合のよ いものなのでしょうけれど、それは「調理に十分時間をかけることができない」 からでしょうか。 あるいは、「パック」に入っている方が新鮮だからでしょうか。 「ちょっと違うんじゃない?」 けれど、多くの生産者はそうした流通に適応するための生産を続けています。 私事なのですが、パソコン通信を始める前までの僕はまさにそうした「売れる ものを作っているだけ」の生産者でした。 パソコン通信を始めて、【電直】を手掛けるようになり、自分の作ったものが 「おいしいよ」と声をかけてもらえたり、「農業をやれて幸せだね」と言って もらったりして、「ああ、農業をやっていてよかったなぁ」としみじみ感じら れるようになりました。 もちろん、僕の手掛けている農作物が【電直】に回る量はほんのわずかです。 大部分は、やはり一般的な流通網に乗って、どこぞのスーパーの「名もなき野 菜」パックにおさまっていることでしょう。 あるいは、郊外のファミリィーレストランのメニューの素材に使われているは ずです。 でも、僕は【電直】によって知り合った人たちの顔(会ったことのない人たち がほとんどですが)を描きながら、作物たちと接しています。 きっと、今の農業に一番必要なビタミンはこれだと思うのです。 誇りと生きがいを生産者が感じられる場、それは消費者が健康に生き、ツPッ「し いものを食べられる場でものあるのでは。 もちろん、こうした状況はいますぐに実現されるものではありません。 でも、できるところから双方が努力を始めてみませんか。 その取り組みこそが、今年GV3−14「電子的産地直送【電直】」が提案す る「LS2(Live Space Sharing)構想」なのです。 構想の骨組みは、後ほど掲示を行っていきますが、皆さんに「こんな方法で、 実験をやってみたら」という具体案や、あるいはご意見がありましたら、ぜひ ご提言下さいね。 また、主旨に関するご意見もよろしく。 ご参加、待ってます。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
LS2>作戦記録−「賛意に感謝します」 1991/ 1/ 9
SIG「北から南から」のSIGOP大沼さんからのMSGへのレスです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− O沼さん、賛意どうもありがとうございました。 農水省の統計では、国民の消費支出における飲食費で、生鮮食品に支払われた 額は全体の3割です。 加工食品が5割、飲食店への支出が2割。 僕たちの暮しの半分が、加工食品によって占められている訳なのですよ。 「Live Space Sharing」を提唱するのは、単に国内農業が 危機的状況に追い込まれる可能性が高まってきているということだけではない のです。 産業構造の中で、国際競争力がない「農業」だから、というまるで他人事のよ うな印象を僕たちはついついもってしまいがちです。 でも、僕たちがいろいろな職業で働き、そして家庭生活を送っていけるという ことは、すべて「健康」というベースがあるからですよね。 この「健康」は、「精神的な健康」「栄養バランス的な健康」をトータルした ものです。 その「健康」が華やかな消費生活とは裏腹に、じわりじわりと脅かされつつあ ります。(そうした認識を持とうとしない人も、たくさんいるのですが) メンタルな、そしてフィジカルな健康にとって、もはや一次産業も二次産業も 三次産業も、それから「生産者」も「消費者」もないはずです。 そして、その「健康」を支える自然環境が都市空間はおろか、まだ自然が残っ ていると思われがちな農村部においても、除々に変質しはじめています。 見た目は健康そうな大地も、化学肥料、特に窒素肥料の多給によって硝酸態窒 素による地下水汚染が進行してきています。 洗剤による家庭排水の水系汚濁(燐酸による河川水の富栄養化)が話題となり、 無リン洗剤が普及するようになったのは、身近な「生存環境」に対する意識の 高まりともいえますね。 多分、今年は地下水に入り込む「硝酸塩」が環境問題の一つとしてあちこちで 取り上げられるはずです。 ラ なぜ今ごろ「化学肥料」の水質問題が出てくるのかといいますと、この硝酸態 窒素が地下浸透するスピード、ななわち地下水汚染にいきつくまでの時間が、 ほぼ20〜30年を要するとされているのです。 化学肥料が多量に使用されるようになったのは昭和30年代後半からですから、 ここにきて、ようやくその影響が表面化する「執行猶予期間」を越してきてい るのですね。 今の生存環境というのは、リアルタイムの対症療法だけでは解決できない事態 が出てきているのです。 【電直】という考え方は、「じゃ、僕たちにはどんな事ができるんだろう」と いう身近な問題意識からのスタートです。 「国内農業を救おう」というのではなくて、「自分達の生存空間を共に見つめ なおそう」、つまり「共生」のために何か目に見える形の行動をしようじゃな いか、というのが「LS2構想」です。 「まったく同じことをしても」というご指摘、わかります。 では、「LS2」作戦の第一段階の提案を。。 この作戦は、オンラインネットワーキングという「枠」を越えて、ネットワー キングができないだろうかという点がポイントです。 そして、国内で真剣に「農業」−工業的農業じゃない、食べる人の健康を支え る農業−を目指そうとする農業者を支援する、その支援に応える、そんな仲間 たちのネットワークを作りたいのです。 【電直】は、メッセージや生産物の直送を通じての双方向的なコミュニケーショ ンを行ってきました。 では、もう一歩考え方を進めて「地方で頑張ろうとしている農業者を支援する ことによって、これからの生存環境をみんなで考えていこう」、これができな いかです。 具体的には、「LS2に参加する人たちで、LS2基金をつくり、その基金を 使って、地方の農業者ネットワーカーが核となった(というよりも、情報基地 として)グループに活動を行ってもらおう」というものです。 【電直】では、U口座(郵便振替口座)を参加する各自が持ち会うことで、決 済を行ってきました。 それを応用したいわけです。 基金にいくら出資するかは、参加する人たちが人を信用するにあたっての基準 に従うものとし、見返りを大きく当てにしないことを原則としたいですね。 言ってみれば、「夢」よりもうちょっと現実的なものを手にするための出資と 考えていただきたいのです。 この呼掛けは、SIG「グローバル・ビレッジ」とSIG「北から南から」、 そしてSIG「AGネット」に行っています。 SIGのクロスオーバー的な取り組みというのは、呼掛けを行ったボードで 何かをするというのではなく、この「夢を買う」くらいの気持ちを持った仲 間たちが集まって、「今のままの農業じゃ危ない」と感じている各地の無名 の農業者グループを励まそうというものです。 そのために、農業をやりながらパソコン通信を行っているネットワーカーに 呼びかけて、地域でグループを作ってもらい、ネットワーカーが情報の窓口 となっての交流をしていこうという作戦なのですよ。 集まった「LS2基金」(多分、最初、金額はわずかだろうと思いますが) からそうしたグループに活動資金(といっても、寸志程度だろうと思います) を提供し、とにかく「活動をやってもらう」訳です。 もちろん、その内容に対する干渉は行わない、つまりこれは「相手を信じて、 もし信頼を裏切られても心の準備はできている」くらいの気持ちで臨むので す。 そうした生産者グループが、1年の間に「地域内」での活動、「地域外」で の活動を何かやってもらう、ノルマはそれだけ。。 その人たちが「農業に誇りと生きがい」を感じられて、僕たちに有形・無形 のリアクションを返してくれればそれでいい、という基金です。 グループの取り組みをオンラインマガジン風に報告してもらってもいいし、 あるいはグループの手掛けた生産物を「基金参加者」に提供してもらい、旬 ごとに「収穫祭オフライン」を各地で開くとか。。 とにかく、「頑張ろうとしている生産者の応援団」を作ることが第一です。 お金の額がどうのこうのという問題ではなく、その「LS2基金」に参加す るということによって、生産者も消費者も「僕たちにとっての生存空間、環 境、食、そして次世代への遺産」を共に考えていきたいわけです。 「基金」から活動支援金を受け取ったグループも、そのお金でどうこうする というのではなく、応援をしてくれている仲間が全国にいるんだ、という気 持ちの方を大事にしてもらいたいわけです。 参加の証に「お金」を用いるのは、ちょっと悲しい気もしますが、僕たちの 中に「社会資本への投資」という考え方を成長させるためには、こうした基 金を学習材料にするのもよいのではないかと思ったのです。 ですから、この呼掛けは「LS2基金」への参加の呼掛けとして受け止めて 下さい。 基金の管理とか、運用、活動支援先のグループなど、すべてはこれからの賛 同者がボトムアップしていくことです。 この「LS2構想」は、賛同する人たち、「生産者」も「消費者」も関係な く「健康に生きたい」人が自分達の生活空間を分かちあい、持ち寄れるもの を持ち寄って「宇宙船地球号」を考えていくものです。 その第一弾が、「食」を見つめ、生産者に頑張ってもらうための支援活動な のです。 そうした過程を通じて、信頼感を互いに持てる人間ネットワーキングが広がっ ていけば、、 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
SIG「北から南から」の愛さんへのレスです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 愛さん、どうもありがとう。。 そうでしたか、愛さんのおうちは農業をやってるんですね! 僕は、北海道は十勝平野のほぼ中央で27haほどの畑を耕す畑作農家なので す。 収穫したものを畑に還元するために、肉牛も少々飼ってます。 もちろん、堆肥をつくることが目的なのですが、農業をしながら思うことは、 今のまま農家の人たちが追いつめられた状態で農業を続けていけば、きっとそ の反動が日本に暮らす人すべてに返ってくるんじゃないかって事なんですね。 先にも述べましたが、僕たちが口にする食品の半分が「加工食品」になってい ます。 自給率の落ちた地方、農村でも、恐らくはそれに近い「加工食品購入比」じゃ ないでしょうか。 昭和30年代半ば、日本の就業人口の30%を占めていた農業は、今ではなん と7%を割るところまで減ってしまいました。 それでもなお日本の農政は、大規模農家の育成(ということは、農家減らしは まだまだ進行するということです)と、それによるコスト低減を要求し、でな ければ「安い輸入品でも構わない」という脅しの姿勢をチラチラさせています。 日本のエレクトロニクス産業が一躍世界のトップに比肩したこともすごいこと ですが、わずか30年足らずの間に農家人口が1/4になってしまった事、こ れはまさに「激減」ですよね。 そして、1/4になったからといって、農家が明日に希望のもてる農業をやっ ているかといえば、決してそうではありません。 毎年のように農産物価格が引き下げられ、農産物自由化の声はおさまる時があ りませんもの。 ところが、僕たちの暮らしの中にグサリと入り込んでいる「加工食品」メーカー はこれまた破竹の勢いです。 自由経済社会ですから、企業が利潤を追求することはいいのですが、問題はそ のやり方です。 加工食品とはいったい何なのか? 生鮮食品には真似のできない「長期保存性」のための処理をされたものが、加 工食品です。 人間が人工的に作り出した「食品」です。 長く店頭に置いておいても「傷まない」、「腐らない」、それが加工食品です。 食べ物が腐らないということは、腐らせないための「処置」を施す必要があり ます。 生ものは時間とともに「変色」しますね。 これも「加工食品」を手がけるために克服しなければならない問題でした。 生ものは時間とともに「風味」も落ちていきますね。 そこで、風味を人工的に付けてやる技術も生まれました。 その他に、鮮度が落ちてくると変わってくるのが「舌ざわり」です。 そこで、違和感を感じさせないように「舌ざわり」を回復させる処置も必要に なりました。 ざっと、以上のポイントが「加工食品」の正体です。 * 腐らせないための処置=合成保存料・漂白剤・酸化防止剤・合成殺菌剤 * 鮮やかな色彩を演出するための処置=合成着色料・発色剤 * 風味を補うための処置=合成調味料・合成香料・合成甘味料 * 舌ざわりの演出をする処置=乳化剤・膠化剤・増量剤・安定剤 などなど。 これらすべて、食品添加物です。 今すぐに、僕たちの健康を蝕むことはないかもしれない、けれどこれから先の 事は分かりません。 はっきりしていることは、僕たちの暮らしの半分は「加工食品」によって占め られ、着実に(知らぬ間に)こうした「人工的な味を演出する合成化学物質」 を摂取しつづけているということです。 そればかりじゃなく、残された2割の生鮮食品にも「ポストハーベストアプリ ケーション」という、こちらは「日本への輸送中に発生する病害虫」を抑え込 むための処置(輸送の前後の農薬散布)をくぐり抜けた輸入食品が大量に入っ てきています。 どんな農薬がどれだけ使用されているのか、これがよく分かっていないのが現 状です。 というのは、農薬検出という過程では、その化学物質に反応する試薬がプラス の反応を示すか示さないか、つまり「あらかじめ予想される物質が分かってい ないと、試薬の選択のしようがない」のですね。 厚生省が輸入時に形式的にチェックを行う残留農薬の検出は、日本の国内法に 定められた農薬残留基準の該当物質だけ。 新聞などによく、「残留農薬検出」という記事がでるのは、国のチェック機関 からの発表ではありません。 日本子孫基金などの市民運動グループや地方自治体の衛生保健所などが、分析 費を負担して分かったことなのです。 国の定める国内農産物に準拠した残留検査しか行われていないために、こうし た国内で基準のないポストハーベストの農薬が使用された輸入食品が、半ば合 法的に店頭に出回るのですね。 しかも、そのほとんどは書類審査だけで国内に入ってしまってますし、税関で チェックを受けるのは、輸入される食料品のわずか5%、5%ですよ!! 生活に深く関わっている豆腐、その原料となる大豆などは、ほとんど輸入品で す。 最近、めだって増えてきている子供のアトピー性皮膚炎も、こうした食事の中 から摂取される物質が無関係とはいいきれません。 その大豆ですが、政府が決める大豆の生産者価格は輸入大豆との価格の開きを 理由に、例年引き下げにあっています。 もちろん安い大豆をつくるよりも、自らの生活を考える農家にとってはもっと 単価の高い作物への作付けに心が動きます。 すると、これまた輸入大豆が増える、まさに悪循環です。 安い牛肉、これも「輸入肉の方が安いから、はやく自由化して!」という声が 大きいみたいですけど、大草原でのびのび育った牛の肉が日本に入ってくる訳 ではないんです。 なぜ安いのか、それは「飼養コストがめちゃくちゃ安い」からです。 数万頭規模の「フィードロット」と呼ばれる狭い囲いの中で、早く太るように ひたすら餌を食わせ続け、成長ホルモン剤の皮下埋め込みによって肉質を柔ら かく、しかも短期間に生育するように育てられた牛の肉です。 また、密飼いをするので病気が発生するとすぐに蔓延しますし、そのために病 気を未然に防ぐための抗生物質等が飼料に添加されています。 今は、国内法によって冷凍生肉の輸入には制限がなされてますけど、もう少し で「自由化」になります。 ところが、実際はファーストフードショップ用に、例えばちょっと塩・胡椒を 振りかけてあるような「加工肉」の形でどんどんと国内に入ってきてます。 国内の農業も、担い手の流出や兼業化によって、十分な手間がかけられない状 態で生産を行わねばならない状況です。 消費者の「見かけでモノを買う」という消費志向にあわせて、勢い手間のかけ られない分、農薬の使用に頼らざるえない、これが今の日本の「豊かな食生活 の舞台裏」です。 どうすればいいのか、賢明なネットワーカーならきっとじっとしてはいられな い、違いますかぁ? LS2作戦は、「国内農業を助けるため」の作戦じゃありません。 エコロジカルに生きるということは、それを意識しなければ生存が脅かされて いるという悲しい現実があることを理解することでもあります。 生産者だけが、あるいは消費者だけが、なんて言っている場合じゃないと思う のですよ。 愛さん、お父さん、お兄さんによろしく。。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
minoさん、ありがとう。。 ぼくが田舎でいつも思うこと、それは作物をつくる人たちの中には消費者の 人たちとチャンネルを持ちたいと願っている人がたくさんいるのに、ほとん どの人たちが為すすべのないまま毎日を過ごしていったり、売れるモノをた だつくればいいという農民に変貌していってしまうということです。 なんて言うのかなぁ、相手を思いやるゆとりがなくなってしまったというか、 追い打ちにあって回りを見回す余裕がなくなってしまったというか。 都会で暮らす人にとっても、やはり生産者という存在は「身近」とはいいが たいのではないかなぁ。 それぞれが、まったく無関心に思い思いのやり方で「まぁ、いいや」という 暮らしを続けていく限り、身の回りのちょっと危ない環境はじわりじわりと 僕たちの生存空間を侵食してくる、それが化学肥料と農薬に大きく依存した 生産と消費の姿だと思います。 農業が提供するもの、それが単なる「栄養物質」にとどまるなら、すべてを 人工食品に委ねてもいいでしょう。 人間は宇宙食のような「錠剤食品」で、働けばいい。 でも、違いますよね。 僕たちは働くために食べているのではないし、家族と一緒に食事をとる事は それ自体、食の持つ大きな役割でもあるはずなんです。 だから、僕たちは食べ物によって体の健康、心の健康を培っていけるんじゃ ないだろうか。 職業の違いによって、生活の場は離れてしまったかもしれません。 けれど、それで人間関係がまったく絶縁されてしまっては、作物たちは唯の 「モノ」になりはててしまう。。 農民たちは、人のことなどかまわず、「落ちこぼれは離農していけばいいさ」 「そうすりゃ、俺は生き残る」、生き残りゲームに勝ち残ることが経済社会 の農業だ、なんて思い始める。。 どこか、まちがってはいないだろうか・・・ あなたは、そんな夢を抱いて「農業」をやろうとしてるんですか? そんな農民のつくった作物をいったい誰が喜ぶだろうか。。 お互いが心と健康を害していくばかりではないだろうか・・・ そりゃ、中には「だったら、お前たちにはいったい何ができると言うのだ?」 と嘲笑する人もいるかもしれない。 いいんです、いても。。 そんな嘲笑は、一時の満足感をその人にもたらすかもしれないけど、それ以上 の何物も得ることはないでしょう。 でも僕たちは、違う。 理解者を異郷に持つこと、互いの存在を絶えず意識しあう関係こそが、水膨れ した「モノの豊かさ」から僕たちが「本当の豊かさって何?」と問いあえるきっ かけになると思うのです。 「ええじゃないか、えじゃないか」とねりあるく仲間にだけはなりたくない。 minoさん、「LS2」といっても、はじめから大きな流れにはたぶんなら ないかもしれないです。 でも、一人でも自分のことを気遣ってくれたり、あるいは相手を思いやること ができる関係って、なんとなくうれしいじゃありませんか。 そんな人たちと知りあえることの積み重ねが、やがて訪れるであろう「パーティ のおしまい」の重苦しさ、つけ払いに、正面から対応できる自分を養ってくれ るような気がします。 小さな信頼をコツコツとつくっていきましょうよ。 基金を大きくすることが目的ではない、そこに立場の違いを越えて加わる気持 ちの方が大きいですよね。 賛同、ほんとうにありがとう。。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
島田さん、ありがとう。。 >我々、そして我々に続く世代の健康と幸せのため、「食べ物」と「国際化」 >ということにはこだわりたい。 まったく同感です。 西丸震哉氏の「41歳寿命説」をすでにご覧になった方も多いと思います。 センセーショナルなタイトルに「なんと大げさな!」という印象を持たれた人 もいることでしょうけど(タイトルはやはりドキッとする方がいいなぁ)、こ の警鐘は「飽食の時代」の舞台裏告発ともいえます。 登山では、天候の急変とかパーティの体力の状態により、的確な判断がなされ ないと遭難という最悪の事態が待ち受けています。 このまま登るべきか、留まって様子を見るべきか、それとも引き返すべきか、 山頂が近ければ近いほど、この判断には勇気が必要です。 この判断が、はたして僕たちの食を巡る環境にどれだけあるだろうか・・・ 「おいしければいい」といって、じゃぁ一体、何を基準に「おいしい」という 判断を下しているのだろうか。 このアイロニーとして、「ワインのジエチレングリコール混入事件」がありま したっけ。 甘味をつけるために混入された「ジエチレングリコール」−ご存知、不凍液で す−は、味とは裏腹に「毒」でした。 僕たちは、ニュースを知って初めて「こんな事をするやつがいるなんて」と思っ たはずですね。 知らずにワインを飲んでしまえば、中毒症状がしっかり待ち受けていたことで しょう。 いまの食文化、環境問題も、見方をかえれば同じ事がいえなくもないのではな いかなぁ。 このまま登るか、様子を見るか、あるいは引き返すか、どう行動するかという 以前に、僕たちにはこうした状況判断を下す「頭」があるでしょうか。 おそらく、「LS2」に何がしかの関心を持ってくれた人たちは、僕たちが今、 どういう判断をするべきかという経済成長期を俯瞰した「眼」を持っておられ ることでしょう。 島田さんのおっしゃる通り、僕たちの食べているものは、僕たちの祖先、祖父 母たちの食べていたものとは似て非なるものばかりです。 確かに、摂取カロリーは著しく改善されたことでしょう。 でも、でもですねぇ、「自然」をどれだけ体の中に取り込んでいるでしょう。。 国際情勢をにらんだ「国際化」、ビジネスだけの「国際化」でいいのだろうか。 そんな事をみんなで一緒になって考えてみたい「LS2」なのです。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
ソンチョの調味料の話、それから島田さんのみりんの話、そしてMAKOTO さんの奈良漬け、みりんの醸造元「高島酒類食品」のご紹介、皆さん、ありが とうございました。 LS2、こんな風に人と情報のつながりができていけば、どんなにすばらしい ことでしょうね。 さて、MAKOTOさん、LS2構想の第一歩ですが、いいだしっぺの責任と して、ひとまず「LS2基金」名のU口座をこちらで開設しますね。 今日、これから開設の手続きを取りに郵便局の方へいってきます。 口座の代表者は、ひとまずOMPにしておきます。(口座の管理業務です) 互選という手もありますが、できれば「立候補」という積極的参加をお願いし たいところです。 「LS2基金」の主旨は、生産者、消費者、あるいは地方在住者、都市生活者 の分け隔てなく、食糧生産現場の人たちを支援する、共に「食と豊かさ」を考 えていくという主旨に賛同する人たちが拠出する基金に基づき、ネットワーカー を核とした生産グループに活動援助金を送り、有形・無形の活動を期待するも のです。 一人あたりいくら出資するか、またはどのように運営していくのか、これも事 前に論議する点ではありますが、ひとつだけ、この基金参加にあたっての確認 をさせてくださいね。 つまり、これは一つの「夢よりちょっと現実的なものへの出資」という前提で 募る基金です。 性格としては、ボランタリー基金です。 即物的な見返りを期待されても困ります。 もちろん、なんらかの形で(情報として、活動成果として、場合によっては生 産物としてのフィードバックということもあるやもしれません)、社会資本的 に還元されてくることを密かに期待するための基金です。 ですから、いくら基金に拠出するかということも、それはソンチョの提言にも ありましたが、「僕たちは、人を信頼するにあたって、いくらお金を出すこと ができるか」という、その人の気持ちに任せるのがよいと思ってます。 公平、公開の原則に立つべき、とのご意見もあるかと思います。 これは、僕の一存では決めかねるところです。 ぜひ、ご意見をお聞かせください。 今までのオンラインネットワーキングというのは、いってみれば「点と点」の 集合体でしたね。 今度は、「LS2基金」という共通のファンダメントを中心に、「面と面」の ネットワーキングをやってみよう、というのが作戦の第一歩です。 「何のために?」、それが「Live Space Sharing」、すな わち「お互いが共によく生きられるような生存空間をめざして」です。 そのために、歪を表面化させつつある「食」をなんとかしようという生産現場 のグループとジョイントして、「忘れつつあるおいしさ、生存環境の立て直し」 をはかっていこうというものです。 場合によっては、僕たちが「情報というもにどれくらいの価値を見いだしうる か」というチャンスでもあろうかと思います。 原則として、活動資金を提供するグループは、直接GV3−14とオンライン アクセスできるネットワーカーがいること、としましょう。 (チャンネルができなければ、意味がありませんものね) この呼びかけは、来る1月26〜27日の「全国農業情報パソコン通信大会」 で僕が行ってきます。 皆さんもどうか、心当たりのある生産者ネッワーカー、あるいはBBSにて参 加を呼びかけてくださいね。 その時、できれば「LS2基金」への参加も同時に呼びかけてください。 (あはっ、まだ口座もできてないけど、出来しだいお知らせしますけんね) 生産グループからの取り組み報告のポスト先、もちろん当ボードが喜んで提供 します。 産地発「オンラインマガジン」などを発行していただいても結構です。 (そのかわり、基金を拠出しているシトたちの期待を裏切らないようにネ!) ワケのわからない「自然食品、安全食品」を買うよりも、お互いが信頼に基づ いた情報提供、生産物提供をすることができる関係づくりに投資しまししょう よ。 もちろん、すべてがそんな生産者ばかりになるとは思えないけど、でも千里の 道も一歩からです。 いかがですか。 堀田誠嗣 P.S TAKA2さん、ご参加、感謝します! それから、オオボケでした、今日は祭日でした。U口座は明日、開設に に行ってきますね。目次へ ホームページへ
LS2構想の第一段階、構想賛同者による基金のためのU口座、開設手続きを 完了しました。 たぶん、あと1週間程で口座番号が事務センターから届く予定です。 さぁー、いよいよLS2作戦のスタートです。 なおやさん、「どう参加していってよいのか」、そうですね、第一弾の基金活 動に基づく作戦では、まず基金参加者がみんなで「宝くじ」を共同購入すると いう感覚、つまりはLS2構想への参加の証しでもあるんですね。 (LS2への賛同、ありがとう!) 「Live Space Sharing」を目指す仲間たちが作る基金を足 掛りに、より有機的に生産の現場とネットワーキングを行っていくというのが 「LS2基金」作戦です。 食をめぐる環境をバラバラにではなく、作る側も食べる側も共になって考えて いく、そのための絆作りという意味あいもあります。 生産グループを支援するための基金支出により、大きくても小さくても、とに かく「何かが始まる」きっかけが生まれれば、僕達の拠出金に託した願いは一 つの形となって成長を始めることになります。 ひょっとすると、このボードにその取り組みがフィードバックされてくるかも しれません。 「なんだぁー、それじゃ基金に出資してもしなくても、同じじゃないかぁ」 うーん、やはりちょっと違うなぁ。 基金に参加した人にとって、それは「株主配当」にあたります。 ボードにもたらされた情報に対して、「確かに受け取ったよ!」という手応え、 そして、自分で蒔いた種がそっと芽を出した時のうれしさみたいなもの、それ は基金に参加して初めて得られものでしょう、きっと。 基金をどのように運用していくのか、僕の基本提案としては「頑張れ生産者!」 というネットワーカーを核とした生産グループへの活動支援金の形で基金支出 し、「LS2」につながる試行、啓発、情報発信を地域の内外でやってもらう こと。 その取り組みをできればオンラインで、あるいはFAXでLS2基金にフィー ドバックしてもらう、ということを考えてます。 また、生産グループが手掛けた農作物を安価提供(とは、チトむしがよすぎる かなぁ)してもらって、各地で基金出資者、生産者が「旬のオフライン鍋」な んてことが実現するといいなぁ。。 いわば、「旬を肴にLS2を語りあう会」ですね。 いくつ生産者グループが名乗りをあげてくれるか、これは未知数ですが、きっ と僕達の構想に賛同してくれる仲間がどこかにいるはずです。 ニューロン(神経単位)のシナプスじゃないけど、やはりLS2を考えるうえ で、つながりを積極的に求めていく姿勢は大切にしたい。。 いくらくらいの活動支援金になるのか、これは基金の集まり具合にもよります ねぇ。 強要はしませんが、活動支援金を受け取る生産者グループの方にも基金への参 加をお願いしたいですね。(イカが自分の足を食べるみたいだなぁ) とにかく、ネットワーカーが核になることで、きっと面白い、あるいはハッと するような生産現場からの情報がもたらされることでしょう。 その他、基金を使ってのアイディアはいろいろありそうです。 実現可能な線で、アイディアを募るなんてこともできそうですね。 そうだ、皆さん、アイディア募集!! GVの柱が「3つのG」であるように、ネットワーキングを実りあるものにし ていくためには、やはり「柱」があった方がいいと思うのです。 何等かの負担、リスクを自分に課すことによって、ネットワーキングはより味 のあるものになるだろうし、共に得ることのできる実りも大きなものとなるで しょう。 これが僕たち日本人の苦手な「社会資本」につながっていくんじゃないかなぁ。 オンラインの枠を越えて、さぁー、やるよ!! 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
さて、LS2構想のベースとなるU口座の口座番号が本日、到着しました。 郵便振替口座番号 小樽 3−48796 郵便振替口座名 LS2基金 ……………………………………………… です。 ※平成6年の新処理システム導入により、口座番号が 02730−3−48796 に変わっています. この基金をどのように活用していくか、それは僕たちのこれからの姿勢に全て 委ねられています。 「気が向いたら、MSGをボードに放り込んでいくパソコン通信」から、僕た ちの今日、僕たちの明日に向けてのネットワーキングを行うためのパソコン通 信へ、これは一つのチャレンジです。 ボードに書かれたMSGに共感を覚え、同時代を生きてるという同胞意識を感 じるのもパソコン通信です。 LS2の提案は、そのネットワーキングのエネルギーを実生活の中へ還元して いこうというもの。 舞台装置が用意され、役者がそろって、台本のせりふ読みが始まったとしても、 それでは観客は満足しません。 舞台と観客が一体になって、初めて一つの感動が生まれます。 そのための第一歩が、LS2(Live Space Sharing)とい う目標に向かっての僕たちの基金つくりです。 そして、同時進行する生産者グループへの働きかけ。 いままでに寄せられた「LS2基金作戦で、いったい僕は何をすればいいの?」 というご意見、そうですね、僕たちはまず「自分にとってこれくらいなら人を 信頼して夢を託せる」額(物的見返りを期待しないという前提です)の基金拠 出をすることにしましょう。 もちろん、生産者とか消費者といった立場抜きに、「より健全な生存空間を目 指す仲間たち」による自前の基金つくりです。 この基金に基づき、僕たちがボードに注ぎこんできた内に向けてのパワーを今 の食環境、明日の生存環境を真剣に考えてくれる生産者グループに活動支援の かたちで放射するのです。 最初は、小さな投げかけかもしれません。 でも、大きな波紋も、もとをたどれば波たたぬ水面に投じらせた小さな石つぶ てなのです。 その投げかけなくして、波紋は生まれるすべもありません。 誰に頼るのでもない、自分たちの生存空間は自分たちの手で回復させていこう じゃありませんか。 幸いなことに、このLS2構想の呼びかけに対して多くの仲間が賛意を寄せて 下さいました。 恐らく、この「LS2」というギャザリングには、パソコン通信という枠を越 えた、ネットワーキング本来の姿が生まれる可能性があります。 人がただ集まるだけでは、やがて人は去っていくことでしょう。 大切なのは、集まった人たちが一つの目標に向かって「創造的な知恵を出し合 うこと」じゃないでしょうか。 これは僕の予感ですが、LS2というアイテムにはさまざまなアイディアが持 ちよられるのではないかなぁ。 遠隔地オンライン菜園作戦、オンラインマガジン、ミニコミ・雑誌メディアと のジョイント、同時多発「旬の鍋オフラインミーティング」、有機的(勇気的) 作物栽培実験、LS2地域講演会(講師はあーたです!)、LS2的産地直送 などなど。 こんなパワーが僕たちの手で、あるいは僕たちの活動支援金を受けた生産者グ ループの手によって実現されていったら!! ひょっとすると、この実践記録は一味「スパイス」の効いたノンフィクション として、ベストセラーになるかも・・・あはっ、これはちと考え過ぎ。。 どうですか、実現の希望が大きい「夢」をLS2で膨らませてみませんか。 そして、せこい「日本人」から「その名に恥じない地球市民」を胸をはって名 のろうではありませんか。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
LS2><GIANT>さん、反響TKS! 1991/ 1/23
亀仙人さん、それから高田さんからのコメント、どうもありがとう。。 NIFのFAGRIのオペ、<GIANT>さんから転載の依頼を受けたメッ セージは、 #4522 90/12/30 ’90【電直】論>書きながら提案 前編 OMP #4523 90/12/30 ’90【電直】論>書きながら提案 後編 OMP の2本です。 本来、ボードMSGの転載にあたっては、GVでは議論がよそで一人歩きす る危険性があるということから、常に慎重に対処してきています。 今回は、<GIANT>さんという信頼のおける方が責任をもって、コメン トをフィードバックして下さることから、転載に同意しました。 転載されたメッセージは、いわばLS2構想を思いつくにいたった「助走路」 的なものでした。 コメントを下さった亀仙人さん、高田さんには深く感謝いたします。 お二人のコメント、思わずうなづいてしまいますね。 【電直】をボードで取りあげはじめて、僕も「【電直】は、ボードで知りあっ たほんの一握りの意のある仲間たちだけの、仲良し倶楽部に終わってしまうの ではないだろうか」と何度も考えました。 「自分だけがいままでの農業で満たされなかった思いを解消できれば、それで いいんじゃないのか」、そんなことを考えたこともありました。 でも、そんな利己的な満足のためにネットワーキングをやるのだったら、メー ルグループでも作って、本当に「仲良し倶楽部」でやればいいのですよね。 僕一人が自己満足を得たところで、長い目でみれば、結局いつかは今の自分が 「おかしいんじゃないか?」と思っていることすらも忘れ、「まぁ、いいか」 と妥協してしまうような、そんな気持ちがどんどん強くなっていきました。 時間軸と空間軸を頭においた「ものの見方」、これが僕がパソコン通信を続け ながら学んだ一つの哲学です。 そして、「今の自分を見失わないこと」。 亀仙人さんのおっしゃる「各BBSの中だけにとどまらない、情報の相互交流 を模索していけたら」、そうなんです、僕達はパソコン通信の中だけがネット ワーキングの世界だと思い込んではいないだろうか。 ネットワーキングの中にパソコン通信があるのか、それともパソコン通信の中 にネットワーキングがあるのか、僕はLS2という試みを通じて考えていきた いです。 それから、高田さんのコメント、農業の形態は北海道、神奈川ときっと違うと 思いますが、おかれている生産者の気持ちというもの、同じですね。 10%にも満たない農業就業者、その中の数少ない若い農民たちがそれぞれに 思い悩んでいる姿は、この国が農業に何を求めてきたのかを如実に物語ってい るのではないかと思います。 同業者同士の励まし、これすら「産地の生き残り合戦」を強いられる生産者の 立場では、妙にしらじらしいものになってしまう。。 これじゃぁ、いかんのですよ、循環の思想がなければ! みんながそれぞれつながりをもって生きている、暮らしている、だから、自分 の生存空間を今、そして未来にわたって良くしていこうと思うなら、若き農民 たちを一人、悩ませていてはいけないのではないか。 LS2は、そんな自分たちの暮らしを見つめるチャレンジにしたいですね。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
TAKA2さん、minoさん、MAKOTOさん、<GIANT>さん、ど うもありがとう。。 KIKUさん、LS2基金への参加、ほんとうにありがとうございます。。 (LS2基金を活用していくアイディア、こちらもヨロシク!) 1月30日現在、4人の方々からLS2基金への参加が通知されてきています。 現在までの基金の額ですが、24,040円となっています。 (僕も今日、振り替えにいきます) ※平成8年9月1日現在、18名の方より 123,540円 が積み立てられています. LS2基金の意味合いについては、いままで何度か触れてきていますが、これ は僕たちがこの基金活用を通じて、やがては何等かのかたちで社会還元されて くる共通財産を育てていこうというものです。 LS2の構想に積極的に参加していただいている皆さん、ありがとう! こうしてゆっくりと成長しつつあるLS2基金、これは誰のものでもありませ ん。 僕たちが目指す「水平的なネットワーク」のための基盤に、ぜひともなって欲 しいのですね。 負担する額が公平とか不公平という話じゃなく(これって、自分の分け前をよ こせの議論だよね)、あくまで自分が無理なく関っていけるだけの、そしてそ れによって僕たちの生存環境を内と外に向かって、一つの社会資本を貯えてい くような感じで転換していこうというものです。 大事なことは、LS2基金の成長を見守りながら、同時にこれをどのようなか たちで「活かしていくか」を考えていけることです。 僕たちは、たえず動いてまわる「お金」を基準に社会というものを見てないか なぁ。 工業にしたって、農業にしたって、あるいは消費生活にだってそうです。 でも、物質的な豊かさをお金という「フロー」の価値判断で追い求めてきた結 果、あちこちでほころびが見えてきつつあります。 それは単に精神的な充足を得られないというものばかりではありません。 今の暮らしを維持しつつも、やはり「環境問題」に大きな関心が集まりつつあ ります。 これは、ブームといった一過性の盛り上りでしょうか。 僕はそれが「環境問題」で片付けられてしまうのなら、「ブーム」で終わるか もしれないと思う。。 でも、みんなは少しづつ気付いてきてると思うんですよ、それが「生存環境問 題」という、自分たちに切実な空間の問題であることに。 お金の貯えはしてきたのだろうけど、お金の尺度では計りにくいものへの貯え (ストック)をあまりになおざりにし続けてきたんじゃないだろうかと。 農業を守っていくことは、農家を救済するという事ばかりではないんです。 農家保護なんてすぐに考えてしまうこと自体、フローに奔走してきたことの証 明じゃないかな。 農業生産物は、僕たちが健康的に生きていくための源なのだし、農業が存続さ れていることにより空気と水と土が保持され、気持ちのよい国土として保全さ れていくわけです。 ところが、見た目にこだわる農産物を農家につくらせてきたことにより(ある いは、農家自身がこだわってきたことにより)、少なくとも「水」と「土」は かなり疲弊してしまっています。 LS2構想の提案の際に、僕が「頑張ろうとしている農家をみんなで支援しよ う」と言ったのは、まさにその事なんですよ。 アメリカから農産物をどんどんと輸入するということは、実はもう一つ見逃せ ない側面があります。 アメリカの大規模農業とは、あまり降水量に恵まれない地域で、北アメリカの 大地が長い歳月をかけて地下に貯えてきた水脈から水を汲みあげることにより 成りたってきたところが非常に多いのです。 アメリカから農産物を輸入するということは、そうした貴重な「水」を日本に 同時に運んできていることに他なりません。 そればかりじゃない、作物が育つためには数々の成長のために必要な要素が必 要です。 作物を収穫するということは、同時にそれらの要素を「土」から奪い去ること でもあるのです。 日本が農産物をどんどんと輸入するということは、それだけアメリカの大地か ら「豊かさ」を奪い去っているということでもあるわけです。 じゃぁ、その輸入した「貴重な栄養素」はどこにいくのか。 きちんとアメリカの大地に還元されているでしょうか。 これは、アメリカばかりじゃなく、国内の農産物についてもいえることです。 都市と農村が比較的近い存在であった時代には、都市から排出される下肥えは きちんと農家の畑に還元されていました。 ところが、今の農業の多くはこうした循環があまりになおざりにされています。 うっかり還元しようものなら、都市排水に含まれる重金属の汚染すら心配され る始末です。 LS2構想といってしまうと、なんだかお上品で理想論みたいに思われてしま うでしょうけど、言葉を換えて「下肥え構想」なんて表現してもいいくらい。 僕たちがこれからの時代を生きていくためには、「フローからストック」への 意識の転換がどうしても必要になってくるでしょう。 「システム」だけが生き残り、それを動かす「人間」が生存を脅かされる社会 のために生活しているのだろうか、はてはて。 またまた話が長くなってしまった。。 ゴメンナサイ。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
OHNOさん、LS2基金への参加、どうもありがとう。。 最初は、本当に小さな芽生えかもしれない。 だけど、僕たちにとってはかけがえのない芽生えです。 僕たちが光を当て、水をやり、土を耕してこそ、やがて豊かな実りの時を迎え ることができるのだと思う。 収穫の喜びをみんなで分かちあうために、LS2を大事に育てていきたいです ね。 それから、小生さんからもお尋ねのありました「LS2基金」のU口座番号で すが、 小樽 3−48796 LS2基金 がその口座です。(OHNOさん、重ねてTKS!) ※現在の口座番号は 02740−5−37123 LS2基金 です. ソンチョのワシントンからのご提案、うーん、いいですねぇ。 LS2全国大会GV版、規模は小さくともやれるところからやる! この「草の根精神」こそ、僕たちの理念ですよね。 時期、場所はともかく、ひとつの目標として活動の励みのしたいもの。。 LS2構想は、パソコンネットだからこそ可能になる広域性と、職業の違いを 乗り越えた社会的土台、さらにオンラインネットという枠をも乗り越えてしま うような可能性を秘めていると思います。 LS2をいくら頭の中で考えていたとしても、それが関心を示してくれる人達 に伝わらなければ、いつまでたっても仲間内の理想論で終わってしまうことで しょう。 パソコン通信大会でも感じたことですが、「えーっ、PC−VANにそんなボー ド(電子的産地直送【電直】)があったの!」って人がかなりいるのです。 そりゃそうです。 PC−VANのSIGは百以上もあるのだし、その中にそれぞれボードが存在 するのですから、よほどのきっかけでもない限り、そのボードの存在すら分か らないことは十分に考えられるのです。 まして、その中でどんな人たちが、どんな活動を行っているのかも分かるはず はありません。 例えLS2構想を実現していく過程で、SIG、ボード、そしてネットのクロ スオーバーに出会いを期待しようにも、あるいはネットの外で仲間づくりをし ようにも、黙っていては何も進みません。 ソンチョの「プリント配りのボランティア」を申し出、本当にありがたいこと です。(村長にビラ配りをさせる村というのも、実に珍しい!) やはり、これくらいの意気込みとアピールがなければ、いつまでたっても構想 は紙切れのままかもしれませんね。 八代でつくづく思ったんです。 パソコン通信は、通信環境とやる気があれば一人でできる。 だけど、それだけでは「ネットワーキング」じゃないって。 パソコン通信が、その可能性をいかんなく発揮するには、それに関る人たちが 「ネットワーク」というつながりを絶えず意識しなければならないのでは、と。 八代での大会で感じたのは、「ネットワーキング」という部分がどうも欠落し ているなぁ、ってことでした。 このあたりについては、<GIANT>さんが座長を務めたパネルディスカッ ション「オフラインチャット」では、指摘されてましたよね。 LS2は、明確な「ネットワーキング」です。 LS2の大会開催も含めて、いかにして賛同者を結集していけるかがこれから の大きな課題だなぁ。(こちらもアイディア、待ってます!) 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
LS2>MAKOTOさん、アイディアどうも! 1991/ 2/ 2
アイディア提案の第1号ですね! 生産者から苗を送ってもらって同時栽培する、なるほど。。 今の消費者の方々で、原体験としての農(作物の栽培)をされたことのない人が 非常に多くなっている、これも「私、食べる人」という<GIANT>さんがご 指摘された「断層」につながっていることは間違いないことだと思います。 これは、難しい問題ですよね。 一ついえることは、自分たちが食べているものがどのように作れているのかが、 それを伝える積極的努力があまり行われていないこと、また積極的に知ろうとし ない人が多いことです。 八代の大会で、新潟のおコメ生産農家のちからさんが言ってましたが、「それな ら裸足で実際に田んぼに入ってみろ!」、これなんですねぇ。 こうした体験があまりに無さすぎるし、例え半日くらい仕事を体験してみたとこ ろで、それだけで実際の農業の姿を理解できるわけではない。。 それはそれで仕方のないことなのだけど、大切なのは「もっとお互いを知ろう」 という姿勢ですよね。 また聞きじゃなく、加工されていない一次情報の形での相互理解。 このプロセスをいかに作っていくかが、LS2につながっていくような気がしま す。 <GIANT>論文の「分業意識の助長」の原因となっているこの「断層」、僕 もやはり断層のままじっとしていたのでは、いつまでたっても「立場の壁」をこ わすことはできないと思う。 地震発生のメカニズムじゃないけど、黙っていればそこにたまるのは「歪みのエ ネルギー」だけですものね。 もちろん僕たちはアジアプレートでも、太平洋プレートでもないし、生身の人間 です。 地殻とは比べものにならない「しなやかさ」もある、「知恵もある」。 そこにたまった「歪みのエネルギー」を自ら開放する知恵は必ずあるはずなんで す。 <GIANT>論文でいうところの「個人のアイデンティティの危機」、組織・ 構造の一部としてビルトインされてしまった人間というのは、GV3−6で話題 となっている「会社人間」に何かしら通じるものを感じてしまう。。 【電直】やLS2が、そうした「歪みのエネルギーを開放する活断層」として機 能していければ、数々の自己矛盾とさいなまれながら百姓の毎日を送っている僕 の願いでもあります。 そうそう、やっと手に入れた小島慶三さんの著書 「文明としての農業」 生命産業コンプレックスの提唱 ダイアモンド社 1,300円 思わずむさぼり読んでしまった。 「農業はフローじゃなく、ストックである」という小島さんの提言は、僕たちに 限りない示唆を与えてくれるんじゃないかな。 堀田誠嗣目次へ ホームページへ
「Live Space Sharing」構想に関連したメッセージのタイ トル一覧を掲示します。 ------------------------------------------------------------------- 4522 90/12/30 ’90【電直】論>書きながら提案 前編 OMP 4523 90/12/30 ’90【電直】論>書きながら提案 後編 OMP 4525 90/12/31 ”90電直論>OMPさんの問題提起賛成!、高田正純 4526 90/12/31 全く、雪無しの金沢の大晦日です。 KIKU 4527 90/12/31 ’90【電直】論>復刻 「電子決済論」 by ソンチョ OMP 4546 91/ 1/ 5 LS2>LS2構想へのいざない OMP 4553 91/ 1/ 9 LS2>作戦記録−「賛意に感謝します」 OMP 4554 91/ 1/ 9 LS2>作戦記録−「愛さんへのレス」 OMP 4555 91/ 1/11 LS2>とにかくやってみましょう OHNO 4556 91/ 1/11 LS2>OHNOさん、うれしぃーー OMP 4557 91/ 1/12 LS2>LS2構想に賛同します。 mino 4558 91/ 1/12 LS2>minoさん、どうも! OMP 4559 91/ 1/12 LS2>賛同します。 祥司S 4561 91/ 1/14 LS2>島田さん、同感です OMP 4562 91/ 1/14 LS2>「おいしければ」の落し穴、高田正純 4564 91/ 1/14 LS2>ソンチョの4562に加えて 祥司S 4565 91/ 1/14 LS2>祥司Sさんの話しで「みりん」が出たので MAKOTO 4567 91/ 1/15 LS2>つながりを求めて参加 TAKA2 4568 91/ 1/15 LS2>MAKOTOさん、みりんの紹介、TKS 祥司S 4569 91/ 1/15 LS2>TAKA2さん、同感です。 祥司S 4570 91/ 1/15 LS2>MAKOTOさん、では OMP 4572 91/ 1/17 LS2>趣旨に、大賛成です。4576 91/ 1/18 LS2>よくわからないけど なおや 4577 91/ 1/18 LS2について>小生 4578 91/ 1/19 LS2>LS2基金U口座開設 OMP 4580 91/ 1/21 LS2>感動の共有ができれば DO 4584 91/ 1/22 LS2 応援します ヒデ坊 4585 91/ 1/22 八代&LS2>ヒデ坊さん、よろしくね OMP 4586 91/ 1/22 LS2>NIFTY FAGRI からのレス第一報 4589 91/ 1/23 LS2>LS2基金、U口座番号到着 OMP 4590 91/ 1/23 LS2>LS2作戦関連MSGタイトル一覧 OMP 4591 91/ 1/23 堀田さん、このリスト、GV7−6に入れませんか? 高田正純 4592 91/ 1/23 リストだけでなく、本文もでした、訂正、高田正純 4593 91/ 1/23 LS2>経過資料の保存のために OMP 4594 91/ 1/23 LS2>OMPさん、LS2基金口座開設TKS! MAKOTO 4595 91/ 1/23 LS2>NIFTY FAGRI からのレス第二報 4596 91/ 1/23 LS2>LS2関連MSGタイトル一覧(訂正版) OMP 4597 91/ 1/23 LS2><GIANT>さん、反響TKS! OMP 4598 91/ 1/23 LS2>MAKOTOさん、第一号!! OMP 4599 91/ 1/24 LS2>U口座開設おめでとうございます mino 4600 91/ 1/24 LS2>OMPさんのレスも逆転載いいですか? 4601 91/ 1/24 LS2>基金送りました(^_^) 4602 91/ 1/24 LS2>minoさん、<GIANT>さん、TKS! OMP 4603 91/ 1/24 LS2>MSG保存よろしくお願いします mino 4604 91/ 1/25 LS2>LS2に参加します【森本】 4605 91/ 1/25 LS2>minoさん、【森本】さん、TKS! OMP 4609 91/ 1/25 LS2>OMPさん、ようこそ九州へ!。アオチャン 4634 91/ 1/30 八代>どもども Pipipi 4637 91/ 1/30 LS2>基金送りました。 KIKU 4640 91/ 1/31 LS2>続々到着してます OMP 4641 91/ 1/31 LS2>Pipipiさん、転載の件 OMP 4645 91/ 1/31 八代>なんならLS2全国大会GV版をやりませんか?高田正純 4647 91/ 1/31 LS2>おゃまぁ、もう到着してしまいましたか MAKOTO 4648 91/ 1/31 LS2>郵振番号もう一度UPして>小生 4649 91/ 1/31 LS2>遅ればせながらLS2基金に送金 OHNO 4650 91/ 1/31 LS2>U口座の番号は#4589に OHNO(T/O) 4651 91/ 2/ 1 LS2>八代で考えたこと[1:分業の発想] 4653 91/ 2/ 2 LS2>OHNOさん、TKS! OMP 4654 91/ 2/ 2 LS2>MAKOTOさん、アイディアどうも! OMP 4656 91/ 2/ 2 LS2>DOさん、TKS! OMP -------------------------------------------------------------------
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