何かのソフトが使いたいと思った時、確かにDebianではほとんどの場合揃ってしまう。
だがそれは最新版とは限らない。何かに特化して最新版を使おうと思えば、結局は最新パッケージをそのサイトでもらう、またはtar玉からコンパイルする必要が生じる事がある。前者なら簡単だが後者は面倒だ。さ、どうする?
こういう時は『apt-build』を使う。理由は簡単。apt-buildは「ソースコードを取り寄せてその場でパッケージを作ってビルドするツール」だからだ。
ソフト一本をコンパイルするには、時としていろいろなツールが必要になる。これらを大工のノミとカンナのように、コンパイル時にapt-buildは勝手に探してインストールしてくれる。ちと乱暴な方法ではあるけれど、少なくともライブラリ探しの手間は大幅に軽減できるわけだ。まさに「退屈の嫌いなGeek文化さまさまのツール」である。
以下に一例。
2008/11/26時点で、Debian lennyにはGIMP2.4が入っている。そして最新版は2.6だ。これをさっくりコンパイルしてみたいとする。
必要なパッケージをぽつぽつ入れるのもいい。だが、apt-buildとcheckinstallを組み合わせると比較的簡単に作業できる。
必要な手順はこうだ。
apt-buildは、ソースパッケージから手元でバイナリを作成、インストールするツールだ。これを最初に実行する事により、 **よほど激しく構造が変化していない限りインストールに必要なライブラリやツールを全部勝手に用意してくれる**というわけだ。これにより「現在のDebianパッケージの設定等を限りなく受け継いだ最新オフィシャル版」に差し替える事が可能である。
ただし当然ながら、他パッケージが大量に依存しているソフトは大変な事になる。
これらについては注意されたし。実はこのGIMPも色々なところに使われているため実際にやると面倒な事もある。まぁここいらは工夫で乗りきろう。