説明のため星座の星を赤印で示した。
まさに名月と呼ぶにふさわしい、美しい月であった。小仙丈の稜線から昇った月は、夜半仙丈ケ岳を明るく照らしていた。仙丈ケ岳の山頂にまばゆく輝く一等星は、この山が南アルプスの女王たるを示しているかのようであった。
明るい一等星は実は木星。明るさも正確にはマイナス2.5等級程度で一等星よりはるかに明るい。都会では見つけにくい、暗い星の「やぎ座」の逆三角形も簡単に見つけることが出来た。さすが、空気が澄んでいる。木星はヤギ座の底辺部分に輝いている。
写真左側には「みずがめ座」の一部が見える。ちょうど明るいフォーマルハウトが顔を見せた。フォーマルハウトは「みなみのうお座」の1等星で、魚のくちという意味だそうだ。すぐ上に「みずがめ座」があり、水がめから流れ落ちているのは神酒ネクタルだ。さぞや、うまい酒であろう。
なお、写真の星は画像処理により追加したものではないことを宣言する。