足首から下がスッーと冷えたり、ほてった後に汗が出てぐんぐん冷えたり、汗が 途中でとまったような不快な感覚をおぼえたり、また、婦人科になかなか治らな
いかゆみがあったり、さらに体が不調で精神的な余裕がなくなり、イライラして 夫も嫌になり、「家に帰って来るな」とかつい言ってしまうなどさまざまな更年
期の症状があります。本当に閉経は自然のことだからと、自然にまかせることが よいことなのでしょうか。
男性は40才を過ぎるとすこしずつ、男性ホルモンが さがってきますが、女性は更年期を境として突然、ほとんど女性ホルモンがない 状態となり、たいへんな変化を強いられ、心と体が変調します。少量の女性ホル
モンを服用することは、悪いことではなく、自立神経を復調させ、肌のはり(コ ラーゲンの量)を保ち、心のゆとりと快活さをとりもどし、さらに年相応の美しさ
や姿勢の美しさにつながります。
当院ではエストリオールを使用しています。最近の研究でも子宮、子宮内膜には作用せず骨、脂質代謝、皮膚を改善します。骨が丈夫になり、コレステロールがさがり、肌につやがでます。薬をずーつと飲み続けることに疑問を感じると思いますが更年期と老年期には体と精神にわずかの性ホルモン(エストロゲ
ン)は絶対に必要です。必須のビタミンのようなものと考えてください。
また、更年期の症状では気分が塞ぐ、なにもしたくない、イライラする、頭が重い、下腹痛、のようなうつの症状がでやすいこともあります。エストロゲンが下がり、そのため脳内の神経伝達物質のセロトニンがさがるため、感情や気分の障害を引き起こし、不安になります。そこで脳内のセロトニンをあげるSSRIという薬を服用します。不安の症状がなくなります。
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