肩 クケウkukew
角田氏によると浦河では、タプスッtapsutを使っていたとのこと。
人差し指 イタンキケムアシケペッitanki-kem-askepet
小指 ポンアシケペッpon-askepet
中指 スケムアシケペッsu-kem-askepet
薬指 ポンスケムアシケペッpon-su-kem-askepet
親指 ポロアシケペッporo-askepet
熊谷氏・角田氏によると「なめる」ことをケムケムkemkemと言っていたようだ。
爪 アムam
李澤氏の知人で自分の子どもにアムamと名前を付けた人がいるという。
ひざ コッカパkokka-pa, コッカパケkokka-pake, コッカサパkokka-sapa
様似ではコッカパケkokka-pakeが一般的な言い方だったよう。
ちんちん チci
浦河様似では、チェヘciyeheが一般的に使われていた。
その他の言い方について知里真志保著作集分類アイヌ語辞典を参照。
■お入りなさい。
アフプ ヤン!(お入りなさい)
エ ヤン(食べなさい)
ク ヤン(飲みなさい)
アフプ 「入る」
エ 「食べる」
ク 「飲む」
ヤン 「しなさい」
■ください。
〜 エン・コレ ヤン!(私に〜どうぞください)
エン・ 「私に」
コレ 「に与える」「にくれる」
ヤン 「どうぞしてください」
トノト エン・コレ !(私に酒ゆください。)
熊谷氏によれば様似ではトノトのことをアンカラペと言う。
角田氏によると酒屋から買ってくる焼酎のようなものはヤンカラと言った。
トペン ペ エン・コレ !(私に甘いもの(お菓子)ください。)
パスイ エン・コレ !(私に箸ください。)
イタ エン・コレ !(私にお盆ください。)
イタンキ エン・コレ !(私にお椀ください。)
空 カントkanto、ニソロnisorが使われていたよう。
岡本ゆみ媼はニシコトロniskotorと言っている。
太陽 チュプcup、チュプカムイcupkamuy、
リコマカムイは祈りの言葉で使われている。
月 チュプcup、クンネチュプkunnecup、クンネチュプカムイkunnecupkamuy、
星 ノチウnociw
昼間 シリペケレsirpeker
夜間 シリクンネsirkunne
雨 アプトapto、ルヤンペruyanpe
様似浦河はルヤンペを使う。
雲 ニシnis、ニシクルniskur
風 レラrera (マウmaw 風)
雪 ウパシupas
みぞれ ペソシpesos
あられ カウカウkawkaw
雹 コンルkonru
霜 (確認せず)タシコロtaskor、クルクペkurkpe
稲光 イメルimeru (アッat 光る)
雷鳴 カムイフムkamuyhum
虹 (確認せず)ラヨチyoraci
大地 モシリmosir、
(リクンモシリ 天の世界、神々の世界、ウレシパモシリ 育てあう大地→地球(1992の国連本部で))
地面 トイtoy、
岡本ゆみ媼は土のことをトイトイtoytoyと言っている。
山 ヌプリnupuri
川 ペッpet
沢 ナイnay
湖・沼 トto
滝 ソso
ソーラン節の「ソー・ラン」は「滝が降る」という意味。
様似の地名の「ソビラ」は「滝がけ」
氷 コンルkonru
水 ワッカwakka
湯 ウセイusey
様似でウセウusewと言う。
森 ニタイnitay
弓の舞(ク・リムセku-rimse)の歌詞に出てくる言葉
林 ニタイnitay
木 ニni
野原 ヌプカnupkaが使われていたようで、浦河の野深はこのアイヌ語から来ている。
岡本ゆみ媼はヌプnupも使っている。
海 アトゥイatuy
浜 ピシ pis
クジラの歌 ピシター フンベー ヤン ナpis ta humpe yan na
砂 オタota
様似だけはオタがホタhotaになる。
アイヌの英雄叙事詩の英雄オタストゥンクルは様似ではホタストゥンクルになる。
石 スマsuma
岩、磯 シララsirar
様似の物語ヤイラプyayrapに、シララポンチャチャsirar pon cacaという化け物が出てくる。
様似の地名「白里谷」は海岸の磯の様子から来ている。
島 モシリmosir、ポンモシリponmosir
使用教材
社団法人北海道ウタリ協会編『アコロ イタクAKOR ITAK』(社団法人北海道ウタリ協会)1994
萱野茂『アイヌ語会話〜初級編〜』(カムイト。ラノ協会)1987
知里真志保『知里真志保著作集』(平凡社)