子供を産むのは痛いです。本当に痛いです。こんな事になる原因を作ったダンナをぶん殴りたくなるくらい痛いです。古来より出産の痛みは女にしか耐えられないもの、とされてきました。男はこの痛みには耐えられまい、きっと死んでしまうに違いない、と。

ATSUYOは初めての出産の前、子供を産んだ友人におそるおそる尋ねました。

「陣痛って、どのくらい痛いの?」

すると、極めて具体的な答えが返ってきました。

「(生理痛+腰痛)×5」

う〜ん、かっことじ、のかける5かあ。結構痛そうだなあ。

生理痛も腰痛も極めて個人差のあるものですが、感覚的には非常に分かり安い表現でした。 痛みの質というものが想像できるからです。たとえば、歯痛や頭痛とは全く違うという事が分かります。重ーい、だるーい、さらに、神経にひびくような、そんな感じで、かける5、なのだな、と。 しかし、これは女性だからこそなんとなく分かるのであって(実際に産んでみるとそんなもんじゃないのですが)、男性には全く想像つきません。そこで陣痛の痛みを男性に伝えようとする言葉が生まれました。中でも傑作は、
「鼻からスイカを出すようなもの」
だと思うのですが、これは体験しようにもスイカをとりあえず鼻の奥に入れる術がありませんし、 スイカのない時期にはお手上げです。そこで、誰にでも体験できる方法をこれからご紹介します。

やる気のある方は、バーチャル出産に先だって、バーチャルつわり、バーチャル妊婦、などにも挑戦されておくと、より本物に近い体験が出来ますので、ご紹介しておきましょう。

バーチャルつわり:毎晩浴びるほど酒を飲む。毎朝、かなり本物に近いつわりがおとずれることでしょう。その後、「酒なんか見たくもない!」という気分のときに酒の匂いを嗅いでください。そうっ!その「おえっ」という感じがまさにつわりの真髄です。2週間ほどは便器にしがみつく生活をしていただいて、だんだんと症状を軽くしていき、1〜2ヵ月ほどで終わるようにすれば完璧です。

バーチャル妊婦:まずはお手持ちのベルトで腰の部分をきつく絞め、下半身の血行を悪くします。さらに6〜10キログラムの(だんだん重くしていくとGood)砂袋を用意し、お腹の部分にくくりつけます。もちろん、眠るときもそのままです。外出の際は1サイズ小さい靴を履いていただくと、妊婦の足のむくみ感が再現できるかも知れません。これを2ヵ月ほど続けていただきます。座るときや起き上がるときなどに「どっこいしょっ」という言葉が自然にでなければ砂袋をもっと重くしてください。痔が出れば最高です。「もうかんべんしてくれ!」「この砂袋とベルトをいますぐはずしたい!」と切実に思うようになれば大成功です。

さて、それではいよいよ出産です。覚悟はいいですね。
分娩室へお入りください。

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