景気が一向に回復しません。ついに「現在の日本は緩やかなデフレにある」というおふれが出てしまいました。デフレ?なにそれ?という方の為に、大学の教養課程でたしか「経済学」の単位を1単位取ったはずの私が解説しましょう。
デフレーション つうかのりょうがすくなくなるためにおきるふけいきげんしょう。
ぶっかはさがりかねづまりとなってきぎょうのかつどうがちんたいし、
しつぎょうしゃがぞうかする。ちょっと棒読みでしたが、分かりやすく平仮名にしてみましたので皆さんに十分ご理解いただけたことと思います。つまり、ビールが安くなってラッキー!失業者が増えて、日頃「コンサバ人間」とバカにされている公務員がここぞとばかりにほくそ笑む、とまあ、こういう経済現象なんだそうです。大学の教養課程でたしか「経済学」の単位を1単位取ったはずの私が思うに、どんな経済現象も、ある人には嬉しく、ある人には困った面があるようです。たとえば「物価が下がる」のは主婦にとっては嬉しいことですが、モノを作って売る側としては腹立たしいでしょうし、「失業者が増える」のは勤め人や若い人たちにとっては死活問題ですが、雇う側にしてみれば従業員を選べるのでなかなか嬉しかったりします。しかしながら「不景気」はやはり望ましくないことの方が多いようで、やはりなんとかしないとイカンのです。たとえば、定期預金の利息なんて、今じゃあもう「限りなくゼロに近い」利率になっちゃってます。銀行に預けても増えない、その銀行自体も今じゃ信用できない、ということで「タンス預金」なるみみっちい行動に走る人が増えているとも聞きます。
ここで白状しておきますが、単位は落とさなかったものの、私は「経済学」の授業なんかまるっきり出ていませんでしたし、経済学の「k」の字も分からないバカ主婦です。我が家に来る新聞配達の人はたまに「読売」と間違えて「にほんけいざいしんぶん」を入れていくのですが、1面の見出しがもうわかりません。くやしいので「”不良債権の処理”はきっとシュレッダーでするんだよね」とか「”引当金”と”配当金”とどっちが偉いと思う?」などとダンナ相手に話題にはしてみますが、無視されています。どうやらダンナも経済学はさっぱりであるのは間違いないようです。男のくせに。
さて、そんな私ですが、先日「あわ曜日」風呂に浸かってイオン歯ブラシで歯を磨きながらこのデフレの原因をついうっかり解明してしまったのです。私ってなんて油断のならない天才なんでしょうか。もうここまでくると自分の才能が恐ろしくて酒でも飲まずにはいられなくなってしまいますが、さて私は、このデフレが意外にもたった一人の人間によって引き起こされていることに気付きました。国民を巧みに洗脳し、煽動して、デフレを引き起こしているその「A級戦犯」とは果たして誰なのか。それはあの、
Dr.○パ なのです。世間では「風水師」として有名ですが、もともとは建築士だそうです。建築士よりもアヤシイ風水師の方が儲かるのでしょう。彼の転身を誰も責めることは出来ませんが、しかし、彼の起こした風水ブーム、これこそが現在の日本を「デフレ」にしてしまった、と私は確信の上断言します。
彼が「家の西側に黄色を持ってくると金運がアップする」「黄色い財布はお金が集まる」などとマスコミでふれ回ったため、スーパーでも黄色い財布の人を多く見かけるようになってしまいました。ああいう人は絶対に家でも「西に黄色」を実践しているはずで、要するにもともと金運などに縁のない庶民の皆さんに「ミリ金運」とか「ナノ金運」が巡ってしまったわけです。世間に出回っている「通貨」の量は一定、すなわち「金運」の量も一定なはずですから、一般市民に広く浅く行き渡ってしまえば、当然なくてはならないところに回らなくなり、流通しているべきお金はごく細かく細分されて一般市民のタンスの中。これではデフレにもなろうというものです。
よって今のデフレをなんとかするためには、皆がグローバルな意識を持って、ちびちび小金を貯めることよりも景気を回復して社会を活性化させることの大切さを理解し、国民の一人一人が執着しているその「あってもなくてもいいような金運」を放棄するべきである!と私は強く主張するのものであります。
皆さん、もう「西に黄色」はやめましょう。「黄色い財布」は捨てましょう。どう転んでも大金持ちにはなれないのです。「小金持ち」のなんとケチくさくみじめったらしいこと。「小金持ち」になるくらいならビンボー人の方がよっぽどましです。お金で幸せは買えません。愛する夫と愛しい4人の子供に、お金はなくとも精神的に満たされた暮らしをして欲しい、それだけが人生におけるたったひとつの望みである私などからすれば、金運アップ、などという浅ましい言葉に振り回され、宝くじ売場のカウンターに黄色い財布を置き、「あたるくん」のボタンを押してナンバーズとかミニロトとかロト6の買い目を選び、3口目くらいで面倒くさくなって結局「クイックチョイス」にマークしているような人間の気が知れません。愛情や家族や人間関係に恵まれれば、お金など必要最小限で満足できる、という人生で最も大切なことに多くの人々が気付き、本当の意味での価値ある人生を選択し、さらには我が国日本の経済がなるべく早く回復するよう、リストラ自殺とか一家心中とか、そういう胸の痛む悲しい出来事がなくなるよう、でもビールは安いままでありますよう、心より祈り、最後に私の宝物達の写真をアップしてペンを置きます。
西日射す玄関にて。