☆ 本物の武夷岩茶・大紅袍たいこうほうとは ・・・???

 武夷岩茶との最初の出会いがいつだったかは、正確には覚えていません。一般的な知識としては、永いあいだに潜在意識の中に潜り込んでいたでしょうし、もともと水仙茶が大好きだった私は、武夷水仙らしき物はかなり以前から口にした記憶がありました。ただ、大紅袍というお茶については、あまり意識した事はありませんでしたし、このお茶のいわく因縁的な事柄については、なんとなく聞いたことがあるというレベルで深い知識は持っていませんでした。
 ところが、最近の中国茶を調べ直してゆく過程で、このお茶の事について深く関心を寄せざるをえなくなってゆきました。それは、いかにも中国の古い話としてありそうな、この
大紅袍に関する因縁話に興味を持ったからではまったくありません。それよりもっと現実的な事柄として、いまの日本のお茶が生産されている環境の、まさに対極にあるのが武夷岩茶であり、その象徴であり代表としての大紅袍というお茶に興味をそそられたのです。
 つまり、日本の緑茶が、濃厚なアミノ酸の含有を目指して大量の窒素肥料を施され、その延長線上で大量の農薬の散布を受けざるをえないという、あまりに人工的な生産環境(生育というのはもっと自然な成長のことでしょうから・・)で作られるのに対して、武夷岩茶はその名のとおり、山岳地帯のわずかばかりの岩石質の土壌に、その場所その地面の風土性を最大限に生かすことを念頭において、従って茶樹ひとかたまりごとの、場合によっては茶樹一本ごとの個性を製品としてのお茶の中に表現する事を前提にして栽培管理されているという、まさに正反対の作られ方に、激しい興味と可能性を覚えたのです。
 「もしかして、日本のお茶が失ってしまったもの・・・本当の『香り』をみつけだす事ができるかも知れない!」という期待は、当然の事ながら高まりました。

 事実、大紅袍をはじめとする武夷岩茶は、その期待を裏切らないスバラシイ香りやコクで、魅了してくれました。もちろん、それは日本の緑茶とは直接比較しづらいものではありますが、中国茶の本当の素晴しさ、奥行きを感じさせてくれる発見でした。

 わたしが、大紅袍を筆頭にして武夷岩茶に力を入れて皆さんにお薦めしようと思っているのは、以上のような理由があっての事です。他にも中国茶の産地・種類はたくさんありますが、私が今、中国茶に求めているものを最も体現しているのは、武夷岩茶に違いないと思っているから、武夷岩茶を強力にお薦めして、皆さんに是非飲んでみていただきたいのです。

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