おおっ!早くも2000年の最初の1月がもうすぐ終わる。
なんと、早いこと、大騒ぎしたY2Kカウントダウンも遠き懐かしの過去である。
お正月もダラダラと過ごしたくせに、またダラダラしようと温泉に行った。
といっても、メンバーは家族。このメンバー内では、私は母であるから
(妻ではない)結局は忙しい思いをするのだが、ま、家にいるよりはマシだ。
いつもなら、旅行でもCDを持っていったり、この際読みかけの本を読もうと、
読みかけの本を10冊くらい持つのだが、私は最近心底疲れていた。ホント。
年末年始は自分のレコーディングの企画と、
調子に乗って引き受けた他人のホームページ作成と、
子供のテスト勉強の手伝いで(なぜ手伝ったのか、、)
ずっと睡眠不足だった。
「寝ダメするぞ〜!!」
と、決意し、心を鬼にして、何も持たずに出かけた。
そぼ降る雪の中、定山渓温泉まで車はゆっくりと走っている。
普段の買い物、用事では、いつも私が半分暴走族入りながら運転しているのだが、
ドライブとなるとダンナがハンドルを握る。あ〜、、いいねぇ、、のんびり、、
着いた先、温泉宿の畳の匂いも新しく、私はゴロンと仰向けになる。
「はぁぁぁ、、、落ち着くねぇ、、」
しかし、、ハテナ?、、?どこからか音楽が聞こえてきた。幻聴か!
私の頭の上でボサノヴァのリズムがなっている。
今や私にとって音楽は息抜きするモノではない。
プロとしてのハンパな自覚だけはそなわった怪しい音楽家である。
つまり音楽はお仕事なのである。
だから音楽を聞くと、プロの耳になり自然に緊張するのだ。やだね、全く。
「♪エ・パゥ、エ・ペィドラ、エン・フィドカミーニョ♪」お?
、、、この完璧なポルトガル語によるボサノヴァは?、、息子だった。
車中で聞いていたナラ・レオンのアルバムの中の「三月の水」を
5年生の息子がどうも気に入ったようで、ずっと歌ってる、、おいおい。
それにしてもリズムもポルトガル語の歌詞も私より格段お上手だ。
たしかに、ボサノヴァ系に限らず作曲や練習に口を挟むうるさい息子だが
「三月の水」を歌うとは、、!驚き。
※ボサノヴァと「三月の水」について〜
ボサノヴァだかサンバだか知らないが
(これが「レイコとボサノヴァ」の人の発言だろうか)
ボサノヴァは難しい。その曲の複雑な構成、
複雑怪奇なテンションコード、必殺の転調、スルドのリズム、
2拍が基本、必ずシンコペーションで入るので、
ジャズをやる方はもちろん、普通のロックやR&B、
ブルース、ポップス等8ビートばかりやってるミュージシャンは
「ボサは嫌い、避けたい」と言う人がホントに多い。
だって、はっきり言って難しいんだもん!そーだろうさ。そーだろうとも。
私って、数々の音楽に触れてきたが、ここまで複雑な音楽に
出会ったことがないぞ。複雑すぎて腱鞘炎と戦う毎日だ。
そして、アントニオカルロスジョビンの名曲「三月の水」と言えば、
あのジョアンジルベルトの弾き語り。
ジルベルトの弾き語りだけが「ボサノヴァ」だと言う人もいるくらい。
素朴な声とギターだけで、延々とソボソボと歌う姿、、
独特のバチーダ、わざと?弦を緩めたチューニング、
「そこまで早いか?」と思う2小節ほど早く入る前倒し奏法と歌(笑)。
合っているような、ないような、、
そしてジョアン・ジルベルトは言う。
「僕はボサノヴァなどやっていない、ただサンバを唄っているのだ」と。
そしてアントニオカルロスジョビンは言う。
「僕はジャズは知らない。ボサノヴァも知らない」と。
つまり、ボサノヴァという音楽は実態として「ない」のです。
「ボサノヴァ通」の皆さん、ボサノヴァって何?←あ、あんたは一体、、※
長い解説で何がいいたいかと言うと、つまり5年生の息子に
なぜこの難しい曲が2〜3回聴いただけで歌えるのかっていう嫉妬ですねん。
怪しい音楽家のプライドがムクムクとしてきた私。
クチョーー!!息子になんて負けたくない!音楽だけは!キーッ!!
夜中にこっそり歌詞カードを出して暗記をはじめるが、
まるで受験生のように、急激に睡魔が襲う・・・。だめだ・・・。
気がつくと朝になっていた・・・。
と、いうわけで、今回の2泊3日の温泉行きはやっぱりというか、何というか
神様に「遊んでないで、練習!練習!」と、クギを刺されて終わってしまった。
ゆっくりと温泉に入り、美味しいお料理とお酒を飲み、あてもなく
浴衣姿で温泉街をのんびりと歩く。
隣には素敵な恋人。あーなんてロマンティック!
こんな、夢はもっともっと年をとってからでも見られるよね。
今は「やりたいことがたくさんある解脱せぬ私」でいいのだろう。
ゆっくりするには若すぎるっていうことで。
でも暗記せねば・・のおかげで「寝ダメ」はできたかも知れない。
それにしても、こんなせっぱつまった心境の私を横目に
試験も近い息子は堂々と勉強道具を忘れたフリをして、
今回の温泉では相当遊びまくっていた。
「三月の水」を鼻歌しながら・・・。