まずはじめに、血統の違う成体のオスとメスを揃えることから始まります。タランチュラの成体の雌雄判別は容易で、ぱっと見たら解る場合が多いです。
上の写真の場合、左がメスで右がオスです。体系的に、オスの方が脚が長く細身の体で、メスの方がしっかりとした体つきでございすよ。ぱっと見でだけでも、随分と違って見えるわけでございます。
雌雄で決定的に違うポイントは触脚でございます。左の画像をご覧くださいませ。オスの蝕脚の先は丸くなっていて、それ伸ばすとサソリの毒針のような器官がついています。これを専門用語で移精針と言いまして、交尾のときメスの生殖器へ挿入するわけでございますよぉ。メスの蝕脚は他の歩脚と同じようなに、普通のつま先をしております。
次ぎに違うポイントは第一脚でございます。第一脚の脛節に、メイティングフック、またはセックスフックと呼ばれるものがありまして、交接の際に、オスがメスに襲われないよう、牙を押さえるための、カギ状爪の出っ張りなのでございます。右の写真の○で囲ってある部分がそのフックでございます。
ただしこのフックに関しては、出ない種も有るのでよろしくおねがいしますね。成体の雌雄の判別はそんな感じですぐにわかるということでよろしいですか。
babyの雌雄判別ですが、普通非常に難儀なものでございます。なぜなら、生殖器官が出来てませんからねぇ。しかも小さいわけでしょう。違いを言いますと、オスの方がやや成長が早い気がする事と、メスよりも一回りぐらい大きな場合も有るので(Poecilotheria属等で顕著)、そんな連中であれば、わかるかもしれませんが、長期間ショップでストックされていて成長不良になっている個体とかは、もうお手上げ。と言う訳で、体長2〜3cm程度になったものから判別できると思う次第でございますよ。
少し育って2−3cmになりますれば、多少わかって参りますよ。どこを見るかと申しますとですねぇ、腹部の裏側にある第一書肺の間を、ビシっと見るわけ。メスならばそこに膨らみとか切れ込みが見られると思いますよ。見え方は種類によって違うのですが、下の写真がサブアダルト雌個体の腹部の裏ですよぉ。ちなみにブラジリアン ファイアーレッドでございます。その下には、フリンジドオーナメンタルの雌雄を比べたところで御座います。参考までに。
フリンジドオーナメンタルの成体雌雄比較。左がオスです。 |
生体の腹部の裏で判別するのは、少し難儀なものが御座いますので、より確実な抜け殻での判別方法を記しておきますよ。下の画像は、新しい抜け殻の腹部の裏側です。これも第一書肺の間を見るのですが、メスであればそこにヒダ状のものが確認できます。精子を溜め込むポケットになっているそうでございますよ。こんな所に溜めて置くから、脱皮の時に、ボニョボニョ・・・
メス
部分の拡大 (A.brocklehursti) オス
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見慣れて来れば、ぱっと見でも「これはオスっぽい気配がする・・・」等と解ってくると思います。と、言うわけでございまして、ここいらで雌雄の話しは終わらせていただきますね。