集会アピール

 私たちは、三度目の米海兵隊の訓練に反対し、「米海兵隊は矢臼別に来るな。アメリカ本国へ帰れ」の声をいっそう大きく広げるため、全道各地からこの別海町に集まりました。

 昨年、米海兵隊は地元住民が「これだけはやめてほしい」と切望している夜間演習を拡大強化し、演習場外への「外出」を強行しました。そもそも、米海兵隊はキャンプハンセンで行っていた県道超え実弾砲撃だけを沖縄以外の5ヶ所の演習場で分散実施する、というのがこの移転訓練でした。それが、回を重ねるたびに、実弾砲撃以外の訓練や沖縄でもやっていない夜間訓練を行うようになりました。そして、昨年の王城寺原、今年の東富士では「核・生物・化学兵器(NBC)訓練」が行われていたこと、さらに、今回、訓練前の記者会見で、矢臼別でもそれがおこなわれていたことが明らかになりました。彼らは、まさに「やりたい放題」の訓練をしているのです。

 「戦争法(ガイドライン法)」が強行成立されてから、米艦船や自衛艦の民間港への相次ぐ入港、日韓合同演習や自衛隊の海外訓練、そして、北方機動演習での実戦さながらの演習など、訓練そのものが大きく様変わりしてきています。一方、政府は「戦争法」発動の具体化として政令やマニュアルの作成を急ぎ、有無を言わせず自治体や民間を動員しようとしています。さらに、有事立方制定に向けた動きも急速にすすめようとしています。こうした動きと連動して「国旗・国歌法」や「盗聴法」、国の地方への干渉を強める「地方分権一括法」など、一連の反動化法案をろくな審議もなしに次々と押し通しています。その先に憲法改悪の野望があることは誰の目にも明らかです。
 いま、日本を再び「戦争する国」にするかどうか、それが問われているのです。

 北海道は年々、基地化がすすんでいます。今年も、函館にアメリカの海洋調査船が寄港し、室蘭には第七艦隊旗艦「ブルーリッジ」が入港しました。十勝・浜大樹で行われた揚陸訓練では、海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」と上陸用舟艇「LCAC」が昨年以上に激しい「敵前上陸訓練」を展開しました。日高地方での米軍機による超低空飛行訓練も激化しています。

 私たちは、日本を再び「戦争する国」にしようとする勢力とたたかい、憲法の平和原則こそ二十一世紀の世界をつくる理念であることを示し、真に平和な日本をつくっていかなければなりません。日本を戦争に向かわせるもの、それは「戦争法」ですが、その根にあるものは日米安保条約です。安保があるから日本に米軍基地があり、安保があるからアメリカの戦争に巻き込まれていくのです。二十一世紀を目前にした今、私たちは諸悪の根源である日米安保条約を廃棄するときを迎えているのではないでしょうか。

 私たちは、ものをつくり、人を育て、未来に夢を持ちながら、この北海道を豊かで平和な大地にしようと努力しています。それは、私たちが「ここに居たいから」なのです。ですから、それを脅かすもの―軍隊はここにいらないのです。戦争の訓練をする場所も必要ありません。とりわけ、米海兵隊は日本を守るためにいるのではありません。彼らは、すみやかにアメリカ本国へ帰るべきなのです。 平和を願うすべてのみなさん、日本を再び「戦争する国」にしないため、ともに力をあわせてたたかいましょう。

1999年9月12日
米海兵隊くるな!日本を「戦争する国」にするな!
9・12全道集会

9・12全道集会